10年前、同じ佐世保で起きた同級生殺害事件から浮かび上がるものとは…

  • このエントリーをはてなブックマークに追加
  • 印刷
sasebo_140804.jpg
『謝るなら、いつでもおいで』(川名壮志/集英社)

 長崎県佐世保市で起きた高1女子生徒殺害事件に大きな波紋が広がっている。加害者の女子はその動機を「人を殺してみたかった」「解体してみたかった」と語り、反省の言葉は一切ないという。そのため精神鑑定が検討されているとも報道されている。

 今回の事件で思い出されるのが、今から10年前に同じ佐世保で起こった小6女子による同級生殺害事件だろう。今回、佐世保市が「命の教育」に熱心に取り組んできたことが頻繁に報道されているが、そのきっかけとなった事件だ。

 2004年6月1日、佐世保市の市立小学校に通う小学6年生の少女が白昼、学習ルームで首をカッターで切られた惨殺死体で発見された。驚くべきは加害者が同じ小学校に通う11歳の女子児童だったことだ。被害者と加害者の女子児童はお互いの家を行き来するなど仲良しだったが、犯行の数カ月前から交換日記やチャットでのやり取りの中でトラブルとなった末の犯行だった。

 実は今年の春、その10年前の事件を追った『謝るなら、いつでもおいで』(川名壮志/集英社)という本が出版されたばかりだった。同書の著者は被害者女児の父親である大手新聞社記者の後輩にあたり、また被害女児とも顔見知りで、当時は記者としてこの事件を苦悩の中で取材し、記事にしていった一人でもある。

 著者は当時のマスコミ報道を検証しつつ、苦悩する被害者遺族、そして加害者家族にもインタビューを行うことで、未成年少女による残虐な犯行の裏側にあるものを浮かび上がらせようとする。

 佐世保署に“補導”された小6少女は少年鑑別所、そして家庭裁判所に送致された。会見を開いた児童相談所によると少女は“普通の子”だった。

「面談の印象でいうと、ごく普通の女の子。我々と会話もでき、ごく普通の家庭に育っている」「事件当日は緊張と不安が残っていました。両手で顔を覆ったり、泣きながら話したり」

 だがまた加害者側の付添人弁護士による会見では、児童相談所関係者が語った少女像とは少し違ったものだった。

「聞かれたことに始終とつとつと答えてくれるという感じでした。泣き出すとか、取り乱すとか、そういう状況にはありませんでした」
「事件の核心的なこと、どういう形で犯行に及んだのかという具体的な話に関しては難しい顔になって、考え込むような仕草をして、沈黙が10秒近く続くといった感じでした」

 一方、少女は被害者遺族に手紙を書くよう言われたが、その文面には謝罪の言葉は一切なく、しかし「(被害者少女に)会って謝りたい」「(今後は)普通に暮らせればいいんだけど…」と語るなど、周囲の大人たちを困惑させた。
 
11歳の少女による同級生殺害。関係者の大人たちに少女の心は理解不能だった。そのため少年事件では“異例”といわれる精神鑑定が行われたのだ。

「いいね!」「フォロー」をクリックすると、SNSのタイムラインで最新記事が確認できます。

この記事に関する本・雑誌

謝るなら、いつでもおいで

新着芸能・エンタメスキャンダルビジネス社会カルチャーくらし

10年前、同じ佐世保で起きた同級生殺害事件から浮かび上がるものとは…のページです。LITERA政治マスコミジャーナリズムオピニオン社会問題芸能(エンタメ)スキャンダルカルチャーなど社会で話題のニュースを本や雑誌から掘り起こすサイトです。女子高生小学生殺人の記事ならリテラへ。

人気記事ランキング

総合
ツイート数
1 宮迫引退報道の一方、NEWS手越の“金塊写真”はなぜスルー?
2 NHKが民放テレビ局関係者の“ジャニーズ圧力証言”を報道
3 山本太郎と久米宏が安倍政権、原発タブー、杉田水脈を斬る!
4 葵つかさが「松潤とは終わった」と
5 「安倍やめろ」のヤジを警察が「選挙妨害」拡大解釈で取締り!
6 安倍首相が「忖度発言」候補を大応援!
7 秋篠宮家の料理番がブラック告発
8 東山紀之が“反ヘイト本”を出版
9 松尾貴史「日本を壊しているのは安倍さん」
10 安倍昭恵が和田政宗をトンデモ応援演説!公選法違反の呼びかけ
11 『モーニングショー』「緊急事態」を特集で羽鳥が田崎をツッコミ
12 グッディ!土田マジギレ真の原因
13 くりぃむ上田晋也が“政権批判NG”に敢然と反論
14 ジャニー喜多川社長の性的虐待問題を一切報じないマスコミ
15 『この世界の片隅に』ドラマ版と映画版の間で軋轢か
16 吉本が芸人に強要する共同確認書にSNS制限
17 松尾貴史が語るテレビで芸人が権力批判できない理由
18 太田光が右翼の抗議で転向していた?
19 マツコ「安倍首相は馬鹿」にネトウヨが
20 グッディ高橋克実が北朝鮮危機で本音
1安倍首相と省庁幹部の面談記録が一切作成されなくなった!
2くりぃむ上田晋也が“政権批判NG”に敢然と反論
3金融庁報告書で厚労省年金局課長の驚愕無責任発言
4産経新聞コラムが「引きこもりは自衛隊に入隊させて鍛え直せ」
5安倍首相が「老後2000万円」追及に逆ギレ!
6菅官房長官が望月衣塑子記者への“質問妨害”を復活
7金融庁「年金下がるから資産運用」報告書で麻生太郎が開き直り!
8F35捜索打ち切りと大量購入続行でNHKが「背景に政治性」と報道
9金融庁炎上の裏で安倍政権が「年金」の“不都合な事実”を隠蔽!
10防衛省イージス・アショア失態 、玉川徹が原因を喝破!
11長谷川豊が部落差別発言「謝罪文は馬場幹事長が作った」
12講談社「ViVi」の自民党広告は公選法違反か!
13映画『主戦場』上映中止要求の右派論客に監督が徹底反論!
14渡辺謙が語った『ゴジラ』出演と震災、原発、戦争
15マンガ『スシローと不愉快な仲間たち』第1話
16田崎史郎「65歳から年金もらってます」
17川崎殺傷事件「不良品」発言こそ松本人志の本質だ!
18 香港市民はデモの力示したが、日本は…
19松本人志が「不良品」発言問題で謝罪も説明もなし!
20農水元次官子ども殺害正当化は、橋下徹、竹田恒泰、坂上忍も

人気連載

アベを倒したい!

アベを倒したい!

室井佑月

ブラ弁は見た!

ブラ弁は見た!

ブラック企業被害対策弁護団

ニッポン抑圧と腐敗の現場

ニッポン抑圧と腐敗の現場

横田 一

メディア定点観測

メディア定点観測

編集部

ネット右翼の15年

ネット右翼の15年

野間易通

左巻き書店の「いまこそ左翼入門」

左巻き書店の「いまこそ左翼入門」

赤井 歪

政治からテレビを守れ!

政治からテレビを守れ!

水島宏明

「売れてる本」の取扱説明書

「売れてる本」の取扱説明書

武田砂鉄