ろくでなし子逮捕は不当だ! もうこれ以上“まんこ”を虐げるな!

  • このエントリーをはてなブックマークに追加
  • 印刷
rokudenashiko_140730.jpg
ろくでなし子 公式ブログより

 女性器の3Dデータを配布した「わいせつ電磁的記録媒体頒布罪」の疑いで逮捕され、7月18日に釈放されたアーティスト・ろくでなし子氏。自らの性器を3Dスキャナーで撮影しデータ化、それをクラウドファンディングで寄付してくれた人へ「データを基に一人ひとり、まんこを使ったおもしろい作品を作ってみてほしいという考えから」謝礼として送付。そのことが逮捕につながったようだ。

 ろくでなし子氏は、女性器を型どってポップにデコレーションした立体作品「デコまん」を制作するなど、これまで女性器を創作のテーマにしてきた。今回問題になった3Dデータについても、自らの女性器をスキャンし型どったボート「マンボート」を作成し実際に多摩川を渡る、というアートプロジェクトの一環だ。

 身体の一部であるにも関わらず、女性にとって女性器と向き合う機会は少ない。もっと自分の性器、まんこを肯定的に捉えられたら──そんな思いが、ろくでなし子氏の作品制作の根底にはある。しかし今回の事件を受けて、「女性器でアートなんて下品」「ただのエロを芸術と呼ぶな」という心ない意見も飛び出す一方、新聞やテレビの大メディアでは、「芸術か猥褻か」といった、逮捕の妥当性そのものを問う議論すらほとんどなされていない。

 だが、こうした女性器をテーマにした表現──いや、ここではろくでなし子氏に敬意を込めて、まんこアートと言わせていただこう──バッシングは、いまに始まった話ではない。その一例を、社会に抵抗し、価値の転覆をはかろうとする芸術家たちの表現について考察した『アート・アクティヴィズム』『攪乱分子@境界―アート・アクティヴィズム 2』(北原恵/インパクト出版)から紹介したい。

 まず、70年代より女性をテーマにしてきたジュディ・シカゴが、5年の歳月を費やして完成させた《ディナー・パーティ》という有名な作品がある。これは、“女たちの偉業を祝福するための晩餐会で、ディナーテーブルに供された陶皿が客人たち自身のヴァギナである”というインスタレーションで、歴史に登場する女性たちの功績を称えたもの。十人十色のまんこ(の陶皿)は見る者を圧巻する大作だが、この作品がサンフランシスコ近代美術館に展示されると、批評家たちからは「猥褻物」と激しい非難の声があがったのだ。

 また、スザンヌ・サントロは「伝統的な西洋絵画における女性器の扱い方」に疑義を唱え、「芸術においていかに女性器が消し去られてヌードが理想化されたか」をテーマにした。そしてサントロは、“まんこが消し去られた”美術史のヌード画から、女性器のクローズアップ写真と花や貝殻、ゴチック様式の彫刻などを並置した著書『新しい表現に向けて』(1974年)を出版。これには大きな反響があり、イギリス現代美術のギャラリー・ICAから出展依頼を受けるが、主催者の検閲によって「芸術的にすぐれた猥褻は守るつもりだが、今回の作品は性的自己表現だから」という理由で排除されてしまう。──自分のセクシュアリティを女性が語る。それだけで検閲を受けてしまったわけだ。

「いいね!」「フォロー」をクリックすると、SNSのタイムラインで最新記事が確認できます。

この記事に関する本・雑誌

攪乱分子@境界―アート・アクティヴィズム 2

新着芸能・エンタメスキャンダルビジネス社会カルチャーくらし

ろくでなし子逮捕は不当だ! もうこれ以上“まんこ”を虐げるな!のページです。LITERA政治マスコミジャーナリズムオピニオン社会問題芸能(エンタメ)スキャンダルカルチャーなど社会で話題のニュースを本や雑誌から掘り起こすサイトです。ろくでなし子絵画の記事ならリテラへ。

人気記事ランキング

総合
いいね! 数
1 韓国ヘイト叫んだ厚労官僚はアベノミクスの旗振り役
2 安倍首相が防衛大卒業式でも自衛隊を道具に改憲を宣言
3 指原莉乃がウーマン村本を「政治語るな」批判
4 NZモスクテロ事件容疑者が日本の「多様性のなさ」を賞賛!
5 百田尚樹『日本国紀』に“Yahoo!知恵袋コピペ疑惑”
6 NGT48暴行問題で山口真帆が謝罪強要を訴えるも運営は無視
7 グッディ!土田マジギレ真の原因
8 ピエール瀧逮捕報道で炎上した深澤真紀は間違ってない
9 安倍首相にマッチョ批判
10 フジ『バイキング』で金美齢が部落差別
11 ネトウヨ高須院長に息子が苦言!
12 マララは社会主義者だった!
13 田崎スシローが望月衣塑子記者を「トンチンカン」と攻撃
14 高須院長〈アウシュビッツは捏造〉問題をマスコミはなぜ報じない?
15 『報ステ』がまた政権批判アナ排除
16 沖縄2紙の記者を警察が拘束する暴挙
17 東山紀之が“反ヘイト本”を出版
18 AKBと電通のシークレット飲み会
19 在日差別に怯え続けた芸能人の苦悩
20 五輪汚職のJOC竹田会長居座りを許すマスコミの電通タブー
1安倍首相が隠した原発事故の責任
2 震災から8年、安倍政権の被災者切捨て
3指原莉乃がウーマン村本を「政治語るな」批判
4田崎スシローが望月衣塑子記者を「トンチンカン」と攻撃
5 電力会社の原発広告復活! 関西電力、九州電力は3倍増に
6ピエール瀧逮捕報道で炎上した深澤真紀は間違ってない
7安倍自民党「公約の9割成果」の嘘を検証
8高須院長〈アウシュビッツは捏造〉問題をマスコミはなぜ報じない?
9『報ステ』がまた政権批判アナ排除
10安倍政権が米ジャパンハンドラーに3億円の寄付
11 安倍が再びバノンから「偉大なヒーロー」と
124人のヘイトデモを大量の警察官が守る異様な過剰警備!
13NZモスクテロ事件容疑者が日本の「多様性のなさ」を賞賛!
14韓国ヘイト叫んだ厚労官僚はアベノミクスの旗振り役
15 防衛省元幹部が新基地建設事業投資ファンドの広告塔に
16酩酊状態にさせ暴行して無罪!甘い性犯罪判決の背景
17参院選出馬説の貴乃花が危険な極右オカルト発言!
18ピエール瀧めぐり松本とたけしが無教養丸出し発言
19安倍首相が防衛大卒業式でも自衛隊を道具に改憲を宣言
20五輪汚職のJOC竹田会長居座りを許すマスコミの電通タブー

人気連載

アベを倒したい!

アベを倒したい!

室井佑月

ブラ弁は見た!

ブラ弁は見た!

ブラック企業被害対策弁護団

ニッポン抑圧と腐敗の現場

ニッポン抑圧と腐敗の現場

横田 一

メディア定点観測

メディア定点観測

編集部

ネット右翼の15年

ネット右翼の15年

野間易通

左巻き書店の「いまこそ左翼入門」

左巻き書店の「いまこそ左翼入門」

赤井 歪

政治からテレビを守れ!

政治からテレビを守れ!

水島宏明

「売れてる本」の取扱説明書

「売れてる本」の取扱説明書

武田砂鉄