GM復帰説が流れる中…巨人・原元監督の暴力団疑惑をすっぱ抜いた記者が読売の不祥事封じ込め工作を暴露

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〈巨人軍の親会社として強い影響力を発揮している読売新聞グループの司令塔は、主に法務畑の人材が担っている。彼らは豊富な法律知識を蓄え、法解釈を巧みに駆使し、コンプライアンスを旗印として組織を統治している。彼らはいまや「コンプラ軍団」と呼ぶべき一大勢力となっている。
(中略)
 彼らは選手や監督などの不祥事に直面すると、法律解釈のテクニックを駆使することで切り抜け、ダメージを最小限に止めてきた。喩えて言うなら、天才外科医、ブラック・ジャックのような存在である。表面にあらわれた病巣を巧みに切除してしまい、痕跡すら残さない。
 だが、ブラック・ジャックと違って、「コンプラ軍団」の施術とは、病因を根本的に治癒するものではない。あくまで対症療法的な手術でしかない。それゆえに病気の根源は患者(巨人軍)に残り続け、容態はむしろ悪化してきた。それが今日の不祥事の連鎖を招いているのである〉

 巨人が巧みな法律解釈のテクニックを駆使して無理を通すようになったのは、1978年の江川事件からだと西崎氏は指摘する。周知の通り、この「空白の一日」騒動は、当時の野球協約では交渉権を得た球団が交渉できるのは翌年のドラフトの前々日までであるという穴を突き、ドラフト前日に契約を結んだ。そして他球団の反発に対して、巨人側はこれを認めないならセ・リーグを抜けて新リーグをつくると脅しをかけて無理を通してしまった。

 この時の自己の正当性を押し通す姿勢はその後のスキャンダル処理にも大いに発揮された。その典型例が前述の原元監督恐喝騒動だ。事件の概要を簡単に説明しておくと、そもそもの問題は原氏がまだ現役時代だった1988年頃に遡る。当時、原氏は常宿としていた兵庫県のホテルのスタッフと不倫関係にあった。その後、二人の関係は解消されるのだが、それから時が経った2006年、不倫関係にあった女性の日記をたまたま手に入れた暴力団関係者から、原氏は1億円の恐喝を受けることになる。

「プロ野球の憲法」といわれる野球協約の第180条には反社会的勢力の関係者と交際したり金銭の授受を行うことを禁止した条文があり、これに違反した場合、無期の失格処分になることもあると規定が定められている。本来であれば暴力関係者の要望に応じず警察に相談すべきところだが、原氏はこの要求を呑んで1億円を支払ってしまう。

 そして、「週刊文春」12年6月28日号でこれらの内情が明かされることになるのだが、西崎氏によればそのスキャンダルを取材する過程でこんな驚きの一幕があったという。

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