山口補選トンデモ候補は家系図アピールの岸信夫息子・信千世だけじゃない! 安倍元首相の後継は“安倍以上の極右”

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左・岸信千世HP/右・吉田真次Twitterより


 自民党の岸信夫・前防衛相の辞職に伴っておこなわれる衆院山口2区の補欠選挙(4月23日投開票)に立候補することを表明した信夫氏の長男・岸信千世氏が、自身の公式HPのトップページに「家系図」を掲載し、大炎上している。

 公式HPは15日10時現在「メンテナンス中」として見られなくなっているが、問題の「家系図」は、自身が掲げる「政策」の紹介よりも先に登場。曾祖父に岸信介と安倍寛、曾祖叔父に佐藤栄作、祖父に安倍晋太郎、伯父に安倍晋三、父に岸信夫という“華麗なる一族”であることを大々的にアピールするシロモノだった。

 世襲批判など歯牙にもかけず、自身の“血統”をPRするとは呆れて開いた口が塞がらないが、当然、SNS上では〈政策ではなく、家系図を前面に押し出す人間が政治家として優秀なはずがない〉〈血統書付きのペットショップの犬みたいだな〉〈「政治」において「家柄」は全く無意義なんですが〉など批判が殺到。また、「家系図」では女性が排除されていることに対しても、〈マジで女を産む機械と思ってないとなかなか載せるのに勇気いる家系図〉〈これを疑いなく載せてしまえる政治家に少子化なんか絶対解決できないと思う〉などと批判が巻き起こった。

 さらに、信千世氏は慶應義塾大学卒業後、2014年にフジテレビに入社し、報道局社会部で記者として警視庁や宮内庁、気象庁などを担当してきたのだが、「家系図」炎上をきっかけに、信千世氏が2019年に起こった京急線の衝突脱線事故をたどたどしく中継リポートした際の動画まで拡散。フジ入社当時から「安倍首相のコネで入社したのではないか」という噂が流れていたが、今回、「コネ入社」がTwitter上でトレンド入りする事態となったのだ。

 しかも、問題は「家系アピール」や「コネ入社」疑惑だけではない。じつは信千世氏のHPでは、自身が掲げる「政策」として「誇りうる国づくり」「こころ豊かな社会づくり」「夢あふれる町づくり」の3つを掲げていたのだが、これ、父の岸信夫氏がHPで「基本理念」として掲げているのとまったく同じもの。つまり、信千世氏は「家系図」を前面に押し出していただけではなく、肝心の「政策」は父親の“コピペ”だったのだ。

 出馬表明から約1週間で、これほどの有権者を舐めきった姿勢と無能っぷりを見せつける──。「さすがは世襲」と言わざるを得ないが、しかし、岸・安倍家の後継者が抱える問題は世襲の信千世氏だけではない。

 4月23日には信千世氏が立候補する山口2区と合わせて、安倍元首相の死去に伴って山口4区でも衆院補選が実施されるのだが、「安倍元首相の後継者」として自民党が擁立したのが、下関市議の吉田真次氏。この吉田氏が地元では「安倍元首相以上の極右」として注目を集めているのだ。

“日の丸ボーイ”“ミスター右翼”と呼ばれる山口4区の自民候補

 そもそも、安倍元首相の後継については、安倍元首相の母・洋子氏が「後継者は孫がいい」と語ったとも伝えられており、信千世氏や安倍元首相の兄・寛信氏の長男、信夫氏の次男の名が取り沙汰されてきた。ところが信千世氏が2区からの出馬を決め、他の孫たちも政治家になることを固辞。そんななかで安倍元首相の妻・昭恵氏が白羽の矢を立てたのが、地元の下関市議の吉田氏だった。

 吉田氏は関西大学卒業後に自民党所属(後に維新に移籍)の大阪府議の秘書となったというが、「デイリー新潮」の記事によると、秘書時代に安倍派の地元町議だった伯母の縁で安倍氏に気に入られ、2011年に下関市議会選に出馬した際も“事実上、安倍事務所が擁立した形”だったという。

 実際、本人のブログを確認すると、頻繁に安倍氏や昭恵氏との交流をアピール。2015年と2019年の「桜を見る会」にも参加し、前夜祭では家族で安倍夫妻と仲良く写真を撮影。こうした吉田氏のブログ記事が、前夜祭問題についての国会追及の端緒のひとつにもなった。また、吉田氏と妻が知り合ったのも〈安倍晋三後援会青年部「同志会」の豊北支部で懇親会」を行った時〉だったといい、結婚式には昭恵氏が出席し、安倍氏もビデオメッセージで祝福。〈まさに、安倍先生のおかげで出会うことができました〉と振り返っている。

 しかも、この吉田氏、たんに安倍元首相に気に入られていたというだけでなく、その「極右思想」まで完全に引き継いでいた。吉田氏の評判について、「デイリー新潮」はこのような地元の声を伝えている。

「思想的には安倍さんより右ですね」
「市議になってすぐに、市議会議場で国旗掲揚しようと提案したこともありました。もちろん否決されましたが、それ以来、彼は“日の丸ボーイ”とか“ミスター右翼”と呼ばれていました」

「日の丸ボーイ」に「ミスター右翼」……もはや嫌な予感しかしないが、吉田氏のブログやツイートを見ると、その評判もうなずける記述にあふれていた。

 たとえば、吉田氏は安倍氏とのエピソードについて触れたブログ記事において、こんなことを綴っている。

〈私が議員になりたての頃、下関市の中学校の歴史教科書採択の時の話。本市では以前から、自虐史観に基づいた記述の多い、自国に誇りの持てない教科書を使っていました。(中略)私が教科書問題についていろいろと勉強をしているということをご存じであったため、地域の方々と一緒に上京して安倍先生にお会いした際に「下関の教科書も教育も、吉田さんのおかげでこれからどんどんよくなっていきますよ」と皆さんの前で言って下さいました。〉

安倍元首相のネトウヨ思想も継承? ネトウヨ発言だらけの吉田真次候補

 つまり、「自虐史観」教科書の問題に取り組んでいる吉田氏に、安倍元首相は目をかけていたというわけだが、吉田氏は安倍元首相と同様、靖國神社の参拝にも強くこだわっている。2013年8月15日のブログでは〈大東亜戦争から68年。今の日本国があるのは、命をかけて戦って下さった英霊たちのおかげであるのはまぎれもない真実。中国や韓国が靖國神社参拝に関してあれこれ言うことは全くの筋違い〉とし、〈そもそも日本にA級戦犯などいないにも関わらず、「A級戦犯が合祀されている靖國神社」などと言う〉とメディア批判を展開。同年12月に安倍氏が靖國神社を参拝すると、〈さすが我が日本国の代表である安倍総理大臣です〉と称賛していた。

 また、安倍政権が2014年に集団的自衛権の行使容認を閣議決定した際に反対デモが起こると、〈SNSで間違った情報が拡散され、自分で物事を考えようとしない若い世代も「反対デモに参加したかった」「戦争反対」「よくわからないけど反対しよう」などと戯言をぬかす。まんまとメディアに洗脳されている。その影響力は恐ろしい〉〈こういう若者が成長して我が国を背負っていくことに不安を感じる〉(2014年7月4日のブログ)とデモに参加した若者たちを批判している。

 もはやネトウヨさながらの吉田氏の発信だが、さらに2016年のブログやツイートでは、さらにネトウヨらしい人権意識の欠如ぶりや少子化対策など社会保障政策への関心のなさをあらわにしていた。

〈最近、外国人であることで差別されたという報道が目立つが、悪意や差別という意識がない言動にそこまで過剰に反応することはどうなのか。安倍政権が、移民政策を推進し、人権擁護法などを成立させるような政権でなくて本当に良かったと思う。〉(2016年10月11日のツイート)

(「新語・流行語大賞」で「保育園落ちた日本死ね」がノミネートされたことについて)〈「中国死ね」や「朝鮮死ね」はヘイトスピーチだとか言われ、「日本死ね」は流行語大賞にノミネートか。〉
〈もし私が審査員を任されたら、まずはトップ3は「二重国籍」や「違法人」、「ガソリーヌ」でしょう。これならみんなが、流行ったなと思うはず。〉(2016年11月19日のブログ)

 このほかにも、「やはり日の丸は美しい」「皇室を戴く日本に生まれた日本人で本当によかった」「(建国記念日は)初代神武天皇が橿原宮で御即位され、我が国が誕生した日」「ありもしなかった南京大虐殺」「今の教育にこそ親学は必要」「森友だ加計だと問題ではないことを問題にして大騒ぎ」などなど、匂い立つようなネトウヨ発言に満ち満ちた吉田氏の主張の数々……。昨年末、安倍元首相の後継として出馬の意志を表明した際も「日本の国柄や歴史と伝統を守っていくという政治理念の実現を目指したい」と述べていたが、ようするに、安倍元首相と同じネトウヨ思想の持ち主だからこそ、後継に選ばれたのだ。

 血統自慢しかできないボンクラに、安倍元首相のネトウヨ思想を継承する者──。世襲か否かにかぎらず、岸・安倍家が牙城を守ろうとする山口補選はろくでもない展開となりそうだ。

最終更新:2023.02.17 11:14

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