後援会招待だけでない 安倍首相の「桜を見る会」私物化の実態! 会計検査院元職員も「招待範囲を逸脱」と明言

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2019年の「桜を見る会」(首相官邸HPより)


 これまでもトンデモ閣議決定を連発してきた安倍政権だが、またも国民を舐めきった閣議決定がおこなわれた。15日、政府は安倍首相主催でおこなわれている「桜を見る会」について、こんな答弁書を閣議決定したのである。

〈「桜を見る会」は、内閣総理大臣が各界において功績、功労のあった方々を招き、日頃の御苦労を慰労するとともに、親しく懇談する内閣の公的行事として開催しているものであり、意義あるものと考えている。〉

「桜を見る会」は意義あるもの──。まったく馬鹿を言うなという話だろう。本サイトでもいち早くお伝えしたように、「桜を見る会」をめぐっては、「しんぶん赤旗日曜版」10月13日号が、安倍首相が地元・山口の後援会員を数百人規模で招待していることをスクープ。都内観光とセットにしたこのツアーは「後援会の目玉行事」となっていたといい、さらには妻・昭恵氏が名誉会長を務めたスキーイベントの実行委員をはじめ、昭恵氏の農業仲間や日本酒をつくる女性のグループなども招待されている事実を紹介したばかりだ。

 それでなくても、「桜を見る会」にかかる支出は第二次安倍政権下で大幅に増えており、予算額は2014年度以降約1767万円で固定されていたのに、支出は年々増え今年2019年度は5519万円と約3倍にものぼっている。しかも、このことが問題になると、2020年度予算の概算要求で内閣府は「桜を見る会」の関連経費として本年度の3倍を超える5729万円を計上。無駄遣いを見直すのではなく、逆に予算額を増やしてきたのだ。

 そして、公的イベントである「桜を見る会」を自分の支持者をおもてなしする場として私物化していたことがあかるみに出たというのに、それを一顧だにせず「公的行事として意義あるもの」だと開き直ったのである。

 この10月1日から消費税率は10%に引き上げられ、国民の生活はさらに厳しさを増している。にもかかわらず、安倍首相は国民に痛みを押し付けるばかりで、「後援会の目玉行事」と化している税金の無駄遣いのイベントを正当化し、予算額を約3倍に引き上げるというのである。完全に国民を馬鹿にしているとしか言いようがないだろう。

 しかも、だ。「桜を見る会」を私物化しているのは、安倍首相だけではない。というのも、「桜を見る会」の招待状を、自民党議員が高値で売っている、という疑惑まであるのだ。

 今年4月16日付の「FRIDAYデジタル」の記事によると、〈毎年、会が近くなると、どこからともなくブローカーが沸いて出て、招待状の買い取りを持ちかけてくる〉といい、同編集部が接触した購入希望者のA氏の場合、ブローカーから提示された価格は、招待状1通で8万円だったという。

 たしかに、「桜を見る会」の招待状を持っていることや、会で安倍首相や有力議員らと写真を撮ることで、自分の信頼性を高めたり箔付けにしてビジネス上で利用したいと考える輩は多いだろう。だが、まさかその招待状が売買されているとは……。

「桜を見る会」招待状をパーティ券込みで売りさばく自民党議員たち

 では、一体、誰が招待状を売りさばいているのか。その内幕について、永田町関係者は記事のなかでこう語っている。

「招待状は自民党議員に一定枠与えられ、希望があれば、追加でもらうことも可能です。招待状をブローカーに売りつけ、小銭稼ぎしている議員がいることは、以前にも聞いたことがあります」

 しかも、驚くのはこのあとだ。前出A氏は「ブローカーからは『桜を見る会』の招待状を買えば、もれなく自民党有力派閥のパーティー入場券も付けると言われました」と証言。それは、今年5月におこなわれる、会費2万円の〈派閥のパーティー券〉だったという。

 ようするに、安倍首相と近づくことができる「桜を見る会」をダシにして、自民党議員は派閥のパーティ券までさばいている、というのである。

 招待状をタダで手に入れられる自民党議員が“転売”し、さらには派閥の影響力を誇示する場でもある政治資金パーティにまで利用する──。つまり、安倍首相による私物化だけでなく、政権与党である自民党ぐるみで「桜を見る会」を食い物にしているのである。

 これでよく安倍政権は「桜を見る会」を「公的行事として意義あるもの」などと言い切ったものだと呆れるが、こうした報道が出ている以上、このまま「桜を見る会」を放置容認することはできないだろう。

実際、「桜を見る会」に対しては、こんな声もあがりはじめている。それは、会計検査院が「不当事項」として認定する可能性があるのではないか、というものだ。

 じつは、安倍首相の後援会員招待問題を報じた「しんぶん赤旗」が10月20日号で続報として、会計検査院の元職員らに取材。そこでは「本来の招待範囲を逸脱している」という指摘が出ているのだ。

百田尚樹や有本香、ケントらネトウヨ安倍応援団招待も「開催要領」の招待範囲から逸脱

 まず、会計検査院元職員らが問題視するのは、今年1月に閣議で配布された「桜を見る会『開催要領』」にある「招待範囲」の記述だ。以下に引用しよう。

〈皇族、元皇族/各国大公使等/衆・参両院議長及び副議長/最高裁判所長官/国務大臣/副大臣及び大臣政務官/国会議員/認証官/事務次官等及び局長等の一部/都道府県の知事及び議会の議長等の一部/その他各界の代表者等〉

 安倍首相は自分の後援会員のみならず、今年の「桜を見る会」ではネトウヨ番組『真相深入り!虎ノ門ニュース』(DHCテレビ)の出演陣である百田尚樹や有本香、ケント・ギルバート、竹田恒泰、上念司などといったネトウヨ安倍応援団をこぞって招待したが、後援会員含め、一体彼らがこの「招待範囲」のどこに当てはまるというのだろうか。会計検査院の元調査官は「安倍首相は、招待範囲にある『各界の代表者等』の“等”の1字を根拠に自身の後援者を招いているのでしょう」と指摘するが、そんな詭弁が通用するはずがない。元調査官はこう批判している。

「開催要領のような行政文書で“等”が示す範囲は、ほぼ同等でなければ認められません。安倍後援会の後援会員のように、まったく関係ない人物の招待は想定していない」

 そして、別の検査院関係者もこう指摘するのだ。

「一般論として、開催要領や予算にもとづかない支出をした場合、会計検査院が『改善の処置を要求』したり、税金が無駄になった『不当事項』に認定したりすることが考えられます」

 当然だろう。安倍首相の支持者やネトウヨの応援団員たちを接待するために、国民は税金をおさめているわけではない。こんな公然と税金の無駄遣いをおこなう公的行事が放置されていていいわけがないのだ。今後、会計検査院のメスが入ることに期待しつつ、引きつづき安倍政権が「桜を見る会」をどのように食い物にしているか、徹底追及が必要だ。

最終更新:2019.11.08 10:08

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