沖縄・辺野古への土砂投入強行にアベ友企業が協力! カミソリの刃を反対派市民に向ける異常措置も

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首相官邸HPより

 安倍首相と玉城デニー・沖縄県知事の会談から、わずか5日。12月3日、岩屋毅防衛相は今月14日から辺野古沿岸部への土砂投入開始を表明、午前中から沖縄防衛局は「琉球セメント」が所有する桟橋へ土砂の搬入作業をはじめた。

 岩屋防衛相は「1カ月にわたる対話も含めて話し合いは行ってきたので、十分に丁寧な段取りを踏ませていただいた」などと語ったが、馬鹿も休み休み言え。11月9日から計4回おこなわれた謝花喜一郎・副知事と杉田和博官房副長官との集中協議および玉城知事と安倍首相の会談は、県知事選で「辺野古新基地建設反対」を掲げて与党推薦候補に約8万票もの差をつけて玉城氏が圧勝した選挙結果を一顧だにせず、従来どおりの「辺野古が唯一の解決策」という主張を押し通しただけ。たんに、「対話には応じた」という既成事実をつくったにすぎない。

 さらにありえないのは、土砂搬出のために民間企業である琉球セメントの安和桟橋を利用しようという点だ。防衛局は当初、土砂搬出は本部港塩川地区からおこなう予定だったが、9月末の台風によって被災し、来年3月末まで復旧工事がかかる見通しとなっている。そのため今回、民間の琉球セメントの桟橋を使うという“暴挙”に出たのだ。

 その上、この琉球セメントの安和桟橋につながる施設の周辺ではすでに鉄条網が張られているのだが、沖縄県選出の伊波洋一参院議員がTwitterに投稿した写真を見ると、その鉄条網にはなんとカミソリの刃がびっしりとついているのだ。

 新基地建設に反対する市民の抗議に、張り巡らされたカミソリの刃で威嚇する──。伊波議員がこのカミソリ刃つき鉄条網設置について〈防衛省は、あくまで琉球セメントがやったと主張するが、防衛省の関与があったことは間違いないだろう〉と述べているように、琉球セメントと国が一体化して土砂投入に向けて搬出を強行しようとしているのである。

 だが、この琉球セメントという企業は、たんに金儲けの一環としてだけ国の言いなりになっているわけではない。じつは、同社の背後には安倍首相と深いつながりをもった企業の存在があるのだ。

 それは、琉球セメントの大株主であり、技術提携などをおこなっている宇部興産だ。琉球セメントの有価証券報告書(2017年4月1日─2018年3月31日)では宇部興産は最大の大株主であり、主要取引先でもある。また、宇部興産グループである宇部サンド工業のHPでは「UBE GROUP」として琉球セメントの名が記されている。

 そして、この宇部興産をめぐって、安倍首相が政治資金規正法違反を問われたこともある。宇部興産は経済産業省の補助金交付先企業だったにもかかわらず、安倍氏が代表を務める自民党県連支部は2011〜13年にかけて同社から計150万円の献金を受け取っていたのだ。

 しかし、この宇部興産は、たんなる安倍首相のスポンサー企業の1社という関係にとどまらない。

 そもそも、宇部興産は1897(明治30)年に設立された沖ノ山炭鉱からはじまる宇部市を代表する一大企業だが、同社の元会長・中安閑一氏は安倍首相の祖父・岸信介と旧制山口中学からの友人だった。実際、岸の側近県議だった吹田愰氏は「中安さんと岸さんは旧制山口中時代から“おれ”“おまえ”の仲」と語り、1966(昭和41)年に開港した山口宇部空港の建設についても「中安さんと岸さんで“空港は宇部でいいか”“いいよ”と言って決まったようなもの」と述べている(西日本新聞1995年8月20日付)。

宇部興産社長は「晋三さんに必ず私たちの力を貸すつもり」

 また、岸信介の長男(安倍首相の叔父)で昨年亡くなった岸信和氏は、京都帝大卒業後に宇部興産に入社。こうした信介からつづく宇部興産とのつながりは安倍首相の父・晋太郎にも引き継がれ、その関係の深さから宇部興産の株が「安倍銘柄」と呼ばれたほど。

 そして、晋太郎の県民葬では、宇部興産の当時社長だった清水保夫氏が、友人代表としての追悼の辞のなかで「晋三さんに必ず私たちの力を貸すつもりです」と宣言。〈次期総選挙に向けて、支援者が結束する場にもなった〉と報じられた(朝日新聞西部版1991年6月18日付)。

 つまり、宇部興産は“偉大な祖父”からつづく盤石の関係であり、安倍首相はそれによって地盤を固めてきた、切っても切り離せない間柄にある。無論、それは同社にとっても同じだろう。

 たとえば、宇部興産は徴用工訴訟を2件抱えているが、一方の安倍首相は「徴用工」を「朝鮮半島出身労働者」と歴史を修正する言い換えをおこない、「問題は解決済み」だとして企業側にも損害賠償や和解に応じるなという方針をみせている。こうした安倍首相の強気の姿勢は、本来、被害者に向き合い一定の責任を負うべき企業側の社会的ダメージを和らげ、むしろ国内ではあたかも“被害者”のように扱われるという効果を生んでいることは間違いない。

 そして、こうした“持ちつ持たれつ”の関係は、いま、辺野古への新基地建設に波及している。宇部興産が大株主として強い影響をもつ琉球セメントが、新基地建設に反対する市民に対してカミソリの刃を突きつけるという民間企業として目を疑うような行動に出ているのも、安倍首相との強固な関係性抜きには考えられないだろう。

 玉城知事はこの暴挙に対し、工事手続きなどの面から国が琉球セメントの桟橋を使用することは違法だとし、土砂の積み出し作業を停止させる措置を取ったが、国は意地でも年内の土砂投入を進めるはずだ。──沖縄県民が示した「新基地建設NO」の民意を無視するどころか易々と踏みつけてみせる安倍首相の態度は、国民全体に向けた挑戦状だということを忘れてはいけない。

最終更新:2018.12.05 01:24

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