不祥事・トラブルに関する話題……本と雑誌のニュースサイト/リテラ
逮捕された文科省局長は安倍政権に近い官僚だった! 裏口入学の交換条件の支援事業に加計学園も選定

首相官邸ホームページより
文科省の現職局長が受託収賄容疑で逮捕されるという衝撃的なニュースが、今月4日、駆け巡った。文科省の科学技術・学術政策局長である佐野太容疑者が、私立大学支援事業「私立大学研究ブランディング事業」の選定で便宜を図る見返りに、自身の息子を東京医科大学に不正入学させたというのだ。
そして、このニュースにヒートアップしているのが安倍応援団やネトウヨたちだ。文科省といえば、昨年1月に天下り・再就職あっせんが問題となり、当時、事務次官だった前川喜平氏が引責辞任。佐野容疑者も官房長として「文書厳重注意」の処分を受けている。ネトウヨはこのことをもち出し、「前川は出会い系バー通いで佐野は裏口入学。文科省はクズばかり」「前川さん、文科省の局長が行政を歪めてますよーw」などと、ここぞとばかりに前川氏をバッシングしているのだ。
さらに、そうした流れのなかで、安倍応援団である上念司氏も前川・文科省叩きを展開。昨日出演した『真相深入り!虎ノ門ニュース』(DHCテレビ)では、「佐野さんは前川の直系らしいっすね」「しかも天下りの裏で(不正入学を)やっていた」「文科省は(前川に)乗っ取られている感じ」だと述べ、前川氏と佐野容疑者の関係に言及している。
一方、この不正入学問題に対しては、リベラル派からも疑義の声が上がっている。「これは加計問題での文科省の反乱に対する、特捜部を使った官邸の意趣返しではないか」という見方だ。
だが、結論から言うと、これらの指摘はすべて的外れだ。そもそも、「佐野は前川の直系」でもなんでもなく、逆に対立派閥に属していた。文科省関係者もこう一笑に付す。
「佐野はたしかに前川氏が官房長時代にも官房政策課長、総務課長などを歴任しているが、『前川の直系』なんて関係ではない。むしろ、関係が悪かったという話もあるほどだ。というのも、佐野は科学技術庁入庁組で、文科省内の旧科技庁グループ、 “旧科技庁のドン”とも呼ばれていた沖村憲樹氏の一派だった」
冲村氏は国立研究開発法人・科学技術振興機構特別顧問に天下りしているが、高村正彦・自民党副総裁に極めて近く、官邸や自民党大物議員にも顔が利く人物。実際、冲村氏が仕切る旧科技庁グループは前川氏が引責辞任した文科省の天下り問題でも、まったく扱いが違っていた。
そもそも、政権が率先して不正を明らかにしたこの文科省への天下り調査は、加計学園認可に反対していた文科省幹部への報復、狙い撃ちだったという噂もあり、事実、官邸が文科省の天下り問題調査でターゲットにした吉田大輔高等教育局長(当時)は、獣医学部新設に強硬に反対していたと報じられている。
ところが、同じ文科省でも旧科技庁グループ、冲村派の天下り問題は一切表に出てこなかった。当時、会員制情報誌「FACTA」(2017年3月号)が、文科省の天下りは冲村氏が仕切る科学技術庁グループのほうがひどいのに、政権与党との関係からか、不問に付されているということを指摘。国会でも追及がおこなわれた。
そして、冲村氏の利権を暴いた「FACTA」の続報(2017年8月号)では、今回、逮捕された佐野容疑者が〈「冲村派」の中核メンバー〉として名指しされていた。
つまり、佐野容疑者は、前川氏の直系どころか、安倍政権に極めて近い派閥に属する官僚だったのだ。実際、佐野容疑者は加計問題で官房長として内部調査や大臣答弁などにかかわってきたが、完全に官邸の言いなりだった。
「『総理のご意向』文書が出てきたときなんて典型でしょう。あのとき菅義偉官房長官が『怪文書』呼ばわりしましたが、文科省も完全に歩調を合わせていた。調査すると言いながら担当部局の共有ファイルを調査して7人にヒアリングしただけ。当時の松野博一文科相がそこで何も出てこず、証言も得られなかったとして『調査目的は達成した』と断言した。これらを仕切ったのは、官房長の佐野さんですからね」(全国紙社会部記者)
加計学園からは2校も選定、東京医科大よりも多い補助金が
前川氏の直系どころか、安倍政権に近かった佐野容疑者。じつは、佐野容疑者の今回の大胆な不正入学収賄の背景にあるのは、「安倍首相が招いたモラルハザードではないか」という見方も流れている。
これは、無理やり話を結びつけようとしているのではない。もっと具体的な話だ。今回、佐野容疑者が東京医大関係者からの依頼を受けて同大を選定した「私立大学研究ブランディング事業」をめぐっては、“アベ友”である加計学園も選ばれているのだ。
本サイトで今年1月に報じたように(https://lite-ra.com/2018/01/post-3723.html)、じつはこの事業がスタートした2016年度の採択では、加計学園が運営する岡山理科大学と千葉科学大学の2校が選定されている。しかも、同じ学校法人から2校が選ばれていたのは、加計だけなのだ。
さらに、東京医科大には補助金として3500万円が交付されたが、加計グループに対して交付された補助金は、千葉科学大が3752万円、岡山理科大が4121万円と、東京医大を上回っている。
いや、加計への疑惑が深まるのは、この補助金を交付する大学が決定されたタイミングだ。2016年11月には萩生田光一官房副長官(当時)が獣医学部新設の条件として「広域的に獣医学部のない地域に限り」という加計ありきの文言を加え、同9日の国家戦略特区諮問会議でそのとおりに新設が決定された。そして、加計学園2校に補助金交付が決まったのは、それから約2週間後の22日なのだ。もちろんこの時期、文科省は加計学園と安倍首相の深い関係について痛いほど認識していたはずだが、そのタイミングで補助金の交付が決定されていたのである。
佐野容疑者が東京医大に便宜を図ったのは2017年で、この加計グループ2校が選定された次の年のこと。つまり、「総理案件」である大学が、しかも2校もねじ込まれている実態を知る立場にあれば、「それぐらいは許される」という見込みが佐野容疑者にはあったのではないか。そう勘繰らずにはいられないのだ。
安倍首相が血税をお友だちに流し、その実態が暴かれても平気な顔をして総理の座に座っている。その親玉のモラルのなさが、霞が関にも伝染しつつある──。「最大のガン」が幅を利かせるかぎり、こうした問題が後を絶たなくなるのは間違いない。そして、不正入学問題への捜査と同時に、今回クローズアップされた加計2校の選定についても、そのプロセスを明らかにするべきだろう。
(編集部)
最終更新:2018.07.07 01:28
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