麻生太郎、松本人志、百田尚樹の卑劣なセクハラ被害者攻撃「はめられた」「ハニトラ」を徹底論破する

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自由民主党HPより

 いったいどこまで卑劣なのか。財務省も福田淳一事務次官もセクハラの事実を認めないまま、24日には福田次官の辞任が閣議で承認された。その閣議後、記者団の取材に対し麻生太郎財務相は「はめられて訴えられているんじゃないかとか、世の中にご意見ある」などと語った。

「福田次官は女性記者にはめられた」
 
 これまでの発言からも、麻生財務相がセクハラに対する問題意識も、被害者女性に対する配慮も一切なく、また女性差別主義者であることは明らかだったが、ここまでとは。福田次官の上司であり、副総理という責任ある地位に立つ者が、会見の場で公然と被害者女性を陰謀論で攻撃するなど、正気の沙汰ではない。

 しかもこの前日には下村博文・元文科相が女性記者のことを「ある意味犯罪」と攻撃し大問題になったばかりだ。下村氏はこの発言を撤回、謝罪したことになっているが、撤回したのは「犯罪」という表現だけで、「女性記者がはなから週刊誌に提供する意図で隠し録音をしていたのではないか」「取材倫理違反」と謝罪コメントのなかでも、あらためて記者を陰謀論で攻撃している。

 本来なら、これだけで辞任に値する重大発言だが、責任が問われるような事態に発展していないのは信じ難い。それどころか麻生財務相はこの発言をいまだ撤回も謝罪もしていない。この背景には、麻生財務相の人権感覚に欠けた暴言を「麻生節」「親分肌」などと矮小化しもてはやすという問題もあるが、それ以上にセクハラやレイプ事件などで被害者女性について「はめた」「ハニートラップ」などと非難する空気が日本のメディアや社会全体にはびこっているからだろう。

 実際、テレビ朝日の女性記者に対して「ハニートラップ」だと攻撃しているのは、麻生財務相や下村元文科相だけではない。

 たとえば、松本人志も22日放送の『ワイドナショー』(フジテレビ)で、「テレ朝さんは、いやいやそれは違うセクハラがすべてなんだって言うんだけど、でもそこに行かせたんだったら、これはパワハラじゃないのか、ということになってくると僕は思うんですね。でもテレ朝さんがいやパワハラじゃないと言うんだったら、女性は自ら前のめりにこの一年間、取材をしてきたのか。そうなったらなったで、これはハニトラじゃないのか、ってことになってくる」などと発言。

松本人志や百田尚樹も主張する「ハニトラ」説、どう考えてもあり得ない!

 たまりかねたフジの山崎夕貴アナが「ハニトラ、入ります? 考えにくいと思います。パワハラに関しては、上司からこの人に取材するようにっていう担当が決められちゃったら、嫌なことがあってもすぐに上司に上げるっていうのは自分の中で責任感があったらなかなかできない」と真っ当な反論をするが、それでも松本は「ハニートラップないかな〜」と言い募っていた。

 また、百田尚樹も4月19日にツイッターに、こう投稿した。

〈財務次官にセクハラされたというテレ朝社員。精神的に大きなショックを受けたということだが、そんな男と1対1で1年間に数回も食事に行くかね。それって取材?取材なら事前に『録音します』と言ってレコーダーを出すだろう。
セクハラ発言をした次官はバカだが、一種のハニトラのようにも思える〉

 今回のケースで、「ハニトラ」とか「はめられた」とか、はっきり言って頭がおかしいんじゃないだろうか。福田次官は自分から記者を呼んで、「胸さわっていい?」などと発言しているのだ。このケースで、もし「はめられた」なる言い分が成立するとしたら、女性が「私のどこ触りたいか言って」とか「『おっぱい触っていい?』って言って」と要求した場合くらいしかないだろう。

 もちろん、女性がそんなことを言っているはずもない。「週刊新潮」やテレビ朝日が公表している「胸触っていい?」などの次官のセクハラ発言とその前後の記者の発言を3カ所、見てみよう。

記者「財務省と森友学園どうなんですかね。」
福田「今日ね、今日ね……抱きしめていい?」
記者「ダメです。」

記者「福田さんは引責辞任はないですよね?」
福田「もちろんやめないよ。だから浮気しようね。」
記者「ダメですよ。」

記者「今回の森友案件で、一番大変だったことってなんですか?」
福田「いろいろ大変だったけど、これからがうんこだから。胸触っていい?」
記者「そういうことホントやめてください。」

 この会話のどこが一体「トラップ」なのか。記者は森友問題について質問しているだけだし、「ダメです」「ダメですよ」「そういうことホントやめてください」と繰り返し拒否している。

 それとも福田次官は、森友問題について訊かれると「おっぱい触っていい?」などとわいせつ発言してしまう体質か何かで、テレ朝記者はそれをわかっていてわざと福田次官に森友問題についての質問をぶつけたとでも言うのか。「はめられた」などというのは、それくらい荒唐無稽な主張なのだ。

「イヤなら、なぜ1対1で会い続けたのか?」攻撃も、セクハラ被害の実態を知らなすぎ

 また、松本や百田らが言うような、「イヤだったら、なんで1年間も、1対1で会い続けていたのか」という主張も大間違いだ。

 4月24日のテレビ朝日の定例会見や『羽鳥慎一モーニングショー』の報道によれば、女性記者は1年ほど前に上司に福田次官のセクハラを相談したところ「1対1では会わなくていい」とアドバイスされ、その後1対1の夜の会合は避けていたのだという。ところが、森友文書の改ざん問題が連日報じられるなか、今月4日にNHKが19時のニュースで財務省が森友側に口裏合わせを依頼していたことをスクープ。女性記者は自宅でこのニュースを見ていたのだが、デスクから裏付け取材をするよう指示される。そこにちょうど福田次官から電話が入ったことから、記者は裏付け取材をするために1年ぶりに1対1での取材に臨んでいたのだ。裏付け取材を指示したデスクはセクハラの件を知らなかったといい、また財務省が口裏合わせをしていたなどという重大な情報に接すれば、記者としての責任感からガマンしてでも取材に出かけるという心情は十分理解できる。

 そもそも仮に1年半のあいだ会い続けていたとしても、『ワイドナショー』で山崎アナも指摘していたように、「イヤでも仕事への責任感からイヤとは言えない」という女性は少なくない。

 松本の番組担当に配属されてイヤだなと思っても言えないテレビ局員もいるだろうし、百田は「そんな男と1対1で1年間に数回も食事に行くかね」と言うが、卑猥なツイートを連発している百田と打ち合せや接待の食事をともにする女性編集者もいると思うのだが……。

 だいたい福田次官のほうから呼び出しておいて、「はめられた」も何もない。財務省は福田次官にどういう意図で記者を呼び出したか、聞き取り調査したのだろうか。NHKのスクープ報道があったから情報をエサに呼び出せば記者が応じるとふんで、むしろ福田次官のほうこそ、はなからセクハラ狙いで記者を呼び出したのではないか。

 とにかく、今回の件は、どこをどうとっても、女性記者側に瑕疵はない。非は100%、セクハラ発言をした福田次官側にある。

 いや、麻生も松本も百田もそんなことはわかっているのだろう。わかっていながら、安倍政権を擁護し、自らの女性蔑視・セクハラ体質を正当化するために、こんな無理筋の「はめられた」「ハニートラップ」を強弁し続けているのだ。

 しかも、これは今回の一件だけではない。山口達也の事件でもそうだが、セクハラや強制わいせつ、レイプ事件などが発覚すると、必ずと言っていいほど「ハニトラ」「はめられた」と、被害者攻撃がなされる。これは、日本社会がいまだ、女性を「性のはけ口」としか見ない差別体質が温存され続けていることの証明と言えるだろう。

最終更新:2018.04.27 01:17

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