籠池理事長が大阪W選挙で松井府知事と橋下市長を応援、一緒に練り歩いていた!? 問題の府議元秘書が証言

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左・橋下徹の「問題解決の授業」公式メールマガジンより/右・松井一郎オフィシャルホームページより


 23日の森友学園・籠池泰典理事長の証人喚問では、安倍昭恵夫人への口利き依頼がファクスという物証をもって明らかになった。だが、もうひとつ絶対に見逃してはいけないのは、籠池理事長が日本維新の会と、同党代表の松井一郎大阪府知事の関与を証言したことだ。

 籠池氏は参院予算委のなかで、自由党共同代表・山本太郎議員から「はしごを外されたと強くお感じになる怒りを覚えた政治家は誰ですか?」と問われ、二度に渡って「大阪府知事です」と語気を強めた。しかも、籠池理事長は、「先代のころから昵懇」だったという大阪府議会で議長も務めた政治家・畠成章氏(故人)の名前を具体的にあげ、畠氏を通じて「松井大阪府知事にも働きかけをしていただいたと記憶しています」と証言。松井府知事の関与を強く印象付けた。籠池理事長によれば、畠氏は「松井知事のお父様とも親しいお付き合い」があったという。

 一方、この爆弾証言に松井府知事はブチ切れ。23日正午頃には自身のツイッターで〈籠池氏は、僕にはしごを外されたと恨んでいるようですが、申請書類に虚偽記載濃厚となれば、手続きを見直すのは当然です。逆恨みはやめていただきたいものです〉と投稿し、一夜明けた24日の会見でも「昨日はむちゃくちゃ頭にきた」「もう(籠池氏が)当たるところは僕しかないんかねえ」などと反撃。そして、畠氏との関係についてはこう述べて疑惑を全否定した。

「畠成章さんというのは僕が自民党時代の議員の先輩だけど、(平成)26年9月にお亡くなりになってね。籠池さんが申請してきたのは26年の11月ごろなんでね。だから、まったくそういう口添えとかもないわけですよ」

 ようするに、松井府知事にとって畠氏はただの「先輩議員」にすぎず、 籠池理事長の小学校認可申請時点で亡くなっており「口添え」なんてできるはずがないと言いたいらしい。

 しかし、これにはごまかしがある。たしかに、認可申請時点で畠氏は亡くなっているが、そもそも籠池氏が大阪府に小学校の設置基準緩和を要望したのは2011年で緩和したのは2012年、畠氏は存命中である。

 さらに、だ。昨日放送の『直撃LIVE グッディ!』(フジテレビ)が、この畠氏を通じた籠池理事長との関係について、松井府知事の説明と真っ向から食い違う“スクープ証言”を報じたのだ。

「(2011年の大阪)W選挙のときですね。そのときに畠先生と籠池先生が、橋下さん、松井さんの応援をしていた」

『グッディ』が流したこの新証言は、畠氏の元秘書によるもの。元秘書に直撃取材したところ、松井府知事と畠氏、そして籠池氏との“接点”が浮かび上がったのだという。

 番組では、スタジオでこの元秘書が語ったという数々の新証言をフリップで紹介。それによれば、畠氏は松井府知事と「府議時代からの先輩後輩」であり「松井知事の父とも友人で非常に仲が良く、息子の松井知事を可愛がっていた」という。

 一方、畠氏は籠池理事長とも非常に親しく、運営する幼稚園にも足繁く通っていたという。

 そして、元秘書は前述のように、2011年の大阪府知事・市長W選挙の際には畠氏が籠池理事長とともに橋下、松井の応援をしていたと証言。さらに、こんな具体的なエピソードまで明かした。

「松井府知事の後ろで(畠氏と籠池氏が)一緒に練り歩いていた」

 ちなみに、このW選挙の年、籠池理事長は小学校の設置基準緩和を大阪府に要望している。

 そして、元秘書は今回の小学校認可の件について「力添えは当然あったのでは?」「『(籠池氏を)全く知らない』はあり得ない」「畠さんは“人情を大事にする”ので頼まれたら引き受ける」「籠池さんからの頼みは引き受ける」「松井知事は大先輩からの紹介を断れない」と語ったという。

 これはいったい、どういうことなのか。事実であれば、やはり籠池理事長が答弁したように、松井府知事は畠氏と深い関係にあったことになる。とすれば俄然、その畠氏を通じて籠池理事長から松井府知事に何らかの働きかけがあった可能性も高まるだろう。

 しかも、実はこの畠成章という元大阪府議の名前は、今回の証人喚問で初めて出てきたことではない。籠池理事長の長男・佳茂氏が、先週発売の「週刊文春」(文藝春秋)3月23日号のなかで、畠氏の名前を挙げ、このように語っていたのだ。

「父は(自分に)バッチをつけさせたかったんだと思います。私が三十一歳の時、畠成章先生(元大阪府議長、故人)の後釜で(二〇一一年の)府議選に出ないかという話がありました。(略)其の頃、大阪維新の会が躍進しており、私は維新から出馬できたのですが、気持ちの整理がつかず断りました。この選挙で畠先生の後継の維新議員が当選し、父から『お前、アホやな』と言われました」

 この話は元秘書も『グッディ』で語っており、これが事実であればつまり、畠氏は籠池一家と維新を強固に結びつける“接着剤”だったとしか思えない。いま維新関係者は、籠池氏の証人喚問での発言を受けて、「偽証罪に問われるぞ」と重ねて脅し、自分たちとの関係性を必死に否定しにかかっているが、それは、やはり無理筋なのだ。

 実際、本サイトでもお伝えしてきたとおり、維新と籠池理事長の“接点”は腐るほどある。籠池理事長が維新所属の中川隆弘大阪府議に小学校認可の協力を要請していたこと。過去に塚本幼稚園が隣接する公園を巡った住民トラブルで維新所属の大阪市議2名が籠池理事長に加担して、地域住民が求める公園の緑地化の工事を中止させたこと。母親が「橋下徹後援会」の元会長で、父が塚本幼稚園のPTA会長から口利きの依頼をされ、息子は橋下氏の元私設秘書で次期衆院選で維新からの出馬が内定している奥下一家の存在……。

 そして、一昨日の証人喚問でも、籠池理事長は国有地購入などについて協力を依頼したとして、維新の東徹参院議員を名指し。その後、東議員は会見を開き、府に対する働きかけこそ否定したものの、府議時代の5年前に籠池理事長から直接、小学校設置の規制について相談を受けたことを認めた。

 いずれにせよ、今回、松井府知事や維新議員たちが否定する籠池理事長との“関係”については、今後も徹底追及していく必要がある。松井府知事は「証人喚問に出てもいい」と言っているが、ならば是非、「国は相当親切やなと思いましたよね」と言っていたように、自身が仄めかした“圧力”の存在だけでなく、この畠氏の元秘書の証言についても釈明してもらいたい。

最終更新:2017.11.22 01:03

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