百条委員会決定で追い込まれる石原慎太郎! しかし豪遊、公私混同…数多の疑惑をスルーし慎太郎を増長させたメディアの責任は…

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石原慎太郎公式サイト

 
 ついに豊洲市場問題の「黒幕」が表舞台に引きずり出される。22日午後に開かれた東京都議会は百条委員会を設置することを決定した。在任中に移転を決めた石原慎太郎元知事の証人喚問をおこなう見通しだ。また石原自身も3月3日に記者会見を開くことを明言している。

 それにしても、これほどの無責任都知事がかつていただろうか。昨年10月には東京都のヒアリング要請に対し体調問題を理由に拒否。今月14日も「隠れているとかの屈辱を晴らしたい」と言って翌週の会見開催をアナウンスしたが、これも撤回。なんでも石原は橋下徹に電話で泣きつき「逃げているイメージは悔しくて仕方がない」などと吐露していたというが、石原が逃げ回ってきたことは事実ではないか。

 そんななか、「週刊文春」(文藝春秋)2月23日号が、巻頭特集でこんな記事を掲載した。

「石原慎太郎都政 「血税豪遊」全記録 〈日本のトランプ! 舛添とはケタ違い〉」

 石原が都知事に就任したのは1999年。その後、2012年に辞職するまでの4期13年間のあいだに、どれだけ血税を私物化してきたのか。それを検証しようというのだ。

 まず、「週刊文春」が指摘するのは、石原の「知事交際費」の使い方。たとえば、2003年に都は知事交際費から接遇として築地の老舗料亭「新喜楽」に約34万円を支出。新喜楽といえば芥川賞・直木賞の選考場所としても知られているが、馴染みのこの料亭で石原は東京都参与であり棚橋泰氏を「接遇」したのだという。だが、この棚橋氏は石原が運輸大臣時代の官房長官であり、同級生の仲。つまり「お友だち」を参与に迎え、その飲み食いを、都の交際費支出基準で公務員に対して認められていない「接遇」で支出していたのである。

 もちろん、これはほんの一例であり、共産党都議団によれば〈〇〇年四月から〇六年末までの七年弱で、知事交際費からの飲食を伴う支出は計百五十五回、約千六百十五万円にのぼる〉という。その内訳も、有名な高級料亭「瓢亭」で計277万5862円も支出し、石原の先輩が先代オーナーを務める高級フレンチ「アピシウス」では計151万9762円を支出するなど美食三昧。しかも、「こうした宴席を共にする相手の多くがいわば“身内”である側近やブレーン」(元都庁幹部)であり、さらには“本当の身内”である長男の伸晃が参加した会合の飲食代約19万円も知事交際費から支払われていたというから、呆れるほかない。

 また、飲み食いだけではなく、海外出張のほうも批判に晒された舛添要一前都知事を軽く凌ぎ、計34回の海外出張で総額約5億円という豪遊ぶりだ。なかでも目を見張るのが、2001年に行ったガラパゴス諸島への10泊11日1440万円の旅。この出張について、石原は当時、「(都議選の応援が)面倒くさいからガラパゴスに行った」などと発言している。選挙の応援が面倒くさいから血税で豪華クルーズの旅を満喫……さすが言い訳の酷さは天下一品だ。

 そして、なんと言っても忘れてはならないのが、石原の四男である延啓氏の“重用”問題だろう。小池百合子都知事が事業見直しを示している「トーキョーワンダーサイト」(TWS)は、若手芸術家の支援事業という触れ込みで始まったものだが、慎太郎元都知事はなぜか設立当初から、まったく無名の美術家である延啓氏を外部役員として抜擢。館長には慎太郎元都知事の知人で、延啓氏の留学時代の遊び仲間でもあった建築家の今村有策氏を起用し、副館長には今村氏の夫人で建築家の家村佳代子氏が就いた。

 その上、石原は自分が書いた「能オペラ」という脚本の“事前調査”という名目で延啓氏をドイツとフランスへ出張させ、その後もスイスへ出張させている。その旅費は言わずもがな公費から支出されている。

 さらに、である。TWSは本郷、渋谷、青山にギャラリーをつくったのだが、本郷ではステンドガラスを延啓氏にデザインさせ、高額ギャラを支払っている。 結果、TWSの予算は膨らみ続け、初年度は約5600万円だったのが、その4年後には4億7000万円にまで激増。東京都美術館など都の運営する他の文化事業は軒並み補助金をカットしていたのに、自分の息子の事業にはこのように湯水のごとく税金を注ぎ込んでいたのである。

 こうした疑惑は共産党などが追及し明るみに出るのだが、これを追及された石原は「余人をもって代え難かったら、どんな人間でも使いますよ、私は、東京にとってメリットがあったら。当たり前の話じゃないですか、そんなこと!」と逆ギレ。たとえ延啓氏が「余人をもって代え難い」才能をもつ芸術家であろうと、自分の息子の事業に4億円もの血税を使い、公費で出張して良い理由にはならないのは当然の話だ。

 飲み食いに豪華出張、そして身内偏重──。こうした石原の卑しい所業を突きつけた「週刊文春」はタイムリーかつ正しい報道だと思うが、ただ、「舛添とはケタ違い」と見出しを打つには遅すぎるというものだろう。実際、舛添問題が世間を賑わせていた時点で、このような石原の血税の私物化を本サイトは指摘している【https://lite-ra.com/2016/05/post-2228.html】。

 いや、築地市場の移転に絡んで豊洲の問題が噴出して以降、石原への批判を展開してきた「週刊文春」や「サンデー毎日」(毎日新聞社)、公私混同疑惑を昨年10月に報じた「FRIDAY」(講談社)などの週刊誌メディアはまだいい。むしろ、気になるのはテレビ、とくにワイドショーの豹変ぶりだ。

 いまやワイドショーでは当然のように石原への疑惑追及が連日行われているが、では、舛添の問題を鬼の首を獲ったように報じていたとき、石原の公私混同にツッコんだ番組があっただろうか。

 既報の通り、石原は芥川賞選考委員まで務めた大作家であり、国会議員引退後、都知事になるまでは保守論客として活躍していたためマスコミ各社との関係が非常に深い。読売、産経、日本テレビ、フジテレビは幹部が石原ベッタリ、テレビ朝日も石原プロモーションとの関係が深いため手が出せない。「週刊文春」「週刊新潮」「週刊ポスト」「週刊現代」なども作家タブーで批判はご法度だった。

 石原の批判ができるのは、せいぜい、朝日新聞、毎日新聞、共同通信、TBSくらいだったが、こうしたメディアも橋下徹前大阪市長をめぐって起きた構図と同じで、少しでも批判しようものなら、会見で吊るし上げられ、取材から排除されるため、どんどん沈黙するようになっていった。その結果、石原都知事はどんな贅沢三昧、公私混同をしても、ほとんど追及を受けることなく、むしろそれが前例となって、豪華な外遊が舛添都知事に引き継がれてしまったのである。

 だが、昨年末から一部週刊誌が石原批判を展開するようになり、ワイドショーもネタを「小池劇場」頼みになってからは“石原タブー”を解除。つまり、小池という「新しいヒーロー」に対する「悪役」として石原へのタブーは解かれた。もちろん、政界を引退し神通力を失った石原の“弱体化”を認識した上で、「叩いてもよし」と各局が判断したのだ。

 叩いていい人間であれば叩き、力をもつ人間であれば一切批判はしない──。石原への批判は当然のことだが、しかし、この報道姿勢の歪さこそが、都知事時代の石原の都政私物化を許し、前述したように橋下徹の大阪における圧政を許したのだ。

 それはいまも現在進行形だ。舛添の問題を俎上に載せたにもかかわらず、一方でワイドショーは稲田防衛相をはじめとする安倍政権から噴出した白紙領収書問題にはまったく斬り込むことなくやり過ごした。現在、国会でも追及されている“愛国小学校”への国有地激安売却問題も同じで、何らかのかたちで総理が関与しているのではないかという疑惑までもち上がっているのに、在京ワイドショーは沈黙を貫いている。

 そのカラクリは簡単で、「強い者」は叩かない。それだけだ。石原にメスを入れるのは結構だが、その一貫性のなさをメディアが維持する限り、同じような問題は何度も繰り返されるだろう。
(編集部)


最終更新:2017.11.20 04:12

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