百条委員会決定で追い込まれる石原慎太郎! しかし豪遊、公私混同…数多の疑惑をスルーし慎太郎を増長させたメディアの責任は…

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 飲み食いに豪華出張、そして身内偏重──。こうした石原の卑しい所業を突きつけた「週刊文春」はタイムリーかつ正しい報道だと思うが、ただ、「舛添とはケタ違い」と見出しを打つには遅すぎるというものだろう。実際、舛添問題が世間を賑わせていた時点で、このような石原の血税の私物化を本サイトは指摘している【https://lite-ra.com/2016/05/post-2228.html】。

 いや、築地市場の移転に絡んで豊洲の問題が噴出して以降、石原への批判を展開してきた「週刊文春」や「サンデー毎日」(毎日新聞社)、公私混同疑惑を昨年10月に報じた「FRIDAY」(講談社)などの週刊誌メディアはまだいい。むしろ、気になるのはテレビ、とくにワイドショーの豹変ぶりだ。

 いまやワイドショーでは当然のように石原への疑惑追及が連日行われているが、では、舛添の問題を鬼の首を獲ったように報じていたとき、石原の公私混同にツッコんだ番組があっただろうか。

 既報の通り、石原は芥川賞選考委員まで務めた大作家であり、国会議員引退後、都知事になるまでは保守論客として活躍していたためマスコミ各社との関係が非常に深い。読売、産経、日本テレビ、フジテレビは幹部が石原ベッタリ、テレビ朝日も石原プロモーションとの関係が深いため手が出せない。「週刊文春」「週刊新潮」「週刊ポスト」「週刊現代」なども作家タブーで批判はご法度だった。

 石原の批判ができるのは、せいぜい、朝日新聞、毎日新聞、共同通信、TBSくらいだったが、こうしたメディアも橋下徹前大阪市長をめぐって起きた構図と同じで、少しでも批判しようものなら、会見で吊るし上げられ、取材から排除されるため、どんどん沈黙するようになっていった。その結果、石原都知事はどんな贅沢三昧、公私混同をしても、ほとんど追及を受けることなく、むしろそれが前例となって、豪華な外遊が舛添都知事に引き継がれてしまったのである。

 だが、昨年末から一部週刊誌が石原批判を展開するようになり、ワイドショーもネタを「小池劇場」頼みになってからは“石原タブー”を解除。つまり、小池という「新しいヒーロー」に対する「悪役」として石原へのタブーは解かれた。もちろん、政界を引退し神通力を失った石原の“弱体化”を認識した上で、「叩いてもよし」と各局が判断したのだ。

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