南スーダン派遣部隊「日報」の“隠蔽工作”に稲田防衛相も加担か? 自衛隊員が戦闘に巻き込まれ負傷の疑惑も

  • このエントリーをはてなブックマークに追加
  • 印刷
inadatomomi_151014.jpg
稲田朋美公式サイトより


 稲田朋美防衛相の辞任と南スーダンへの自衛隊派遣の中止、安保法制廃止を求める国民の声は、ますます高まりを見せている。先週に引き続き、昨日17日にも国会前での市民による抗議活動がおこなわれた。主催者発表によると参加者数は約1100人で、先週の500人から倍増。しかも同日には、大阪・京橋駅前でも同様に抗議行動がおこなわれた。

 こうした怒りの声が広がるのは当然だろう。本サイトでも伝えてきたように、稲田防衛相は南スーダンの自衛隊派遣に関して戦闘行為を「衝突」と言い換え、さらにその理由を「憲法9条上の問題になるから」などと開き直るなど、完全に憲法を無視し、事実を捻じ曲げてまで自衛隊の派遣ありきの態度を強硬に貫いている。

 しかも、ここにきて、南スーダン派遣部隊の「日報」を防衛省・自衛隊が組織ぐるみで隠蔽していたことも明らかになった。昨年7月の首都・ジュバにおいて「戦闘により約150人の死傷者が発生した模様」などと記され、「戦闘に関する状況」として陸自の宿営地南西方向から「機関銃らしき射撃音15発以上」などと、生々しい「戦闘」の記録が綴られていたものだ。

 この日報はもともとジャーナリスト・布施祐仁氏が昨年9月に情報公開請求したが、防衛省は「廃棄していた」として不開示を決定していた。ところが、今年の2月7日に防衛省が一転して一部黒塗りで開示。稲田防衛相も17 日の衆院予算員会で、「統合幕僚監部で、日報を電子データとしてすべて保存していた」ことを認めたのだ。

 稲田防衛相は「捜し方が不十分だったが、隠す意図はなかった」などと言い訳しているが、そんなはずはないだろう。そもそも、日報が電子化されて統合幕僚監部に残さていることは、統合幕僚監部だけでなく多くの防衛省幹部が認識していた。実際、日報が一転して開示になったのも、12月22日、河野太郎元公文書管理担当相から「電子データは残っているはずだ」と防衛省に再調査を要求されたのがきっかけだった。

 しかも、防衛省はこのとき、日報が残っていることを明らかに確認していたのに、1カ月以上も、そのまま隠蔽し続けた。防衛相側は、「河野議員の要請の4日後に、同省統合幕僚監部に電子データで保管されていることが判明したが、1月27日まで稲田防衛相に報告しなかった」などと経緯を説明しているが、政治問題化する可能性もあるこんな重要な事実を大臣に知らせずに放置するなんてことがありうるのか。

 もしそうだとしたら、いまの自衛隊はシビリアンコントロールが全然機能していないということになる。

 これだけでも、自衛隊を統括する省の大臣としてその能力が著しく欠如していると言わざるをえないが、稲田防衛相には、存在を知っていて積極的に隠蔽に加担していた可能性も指摘されている。

「普通に考えると、稲田さんが知らなかったなんてありえない。しかも、この問題は自民党議員の河野さんからも指摘されてるわけで、政治問題になるのは必至ですから、絶対に報告するはずです。実際は稲田さんと相談した上で隠蔽したが、防衛省幹部がそのことをかばって、貸しをつくった形にした可能性もありますね」(防衛省担当記者)

 情報公開請求があった9月から防衛省が非開示を決定した12月までの間というのは、国会で激しい反対論が巻き起こる中、安倍政権が南スーダンへの派遣部隊に駆け付け警護の新任務を付与することを閣議決定。派遣を強行したまさにその時期にあたる。稲田防衛相と防衛省幹部は、自衛隊の日報に「戦闘」とあることを知って「PKO5原則に反すると追及されて、駆け付け警護などあり得なくなる」と、日報を「破棄した」ことにして、隠蔽したのは間違いないだろう。

 しかも、稲田と防衛省はもっと重大な事実を隠しているのではないかという疑惑もある。それは、もうすでに自衛隊員が戦闘に巻き込まれ、負傷しているのではないかという疑惑だ。

 問題の日報には、派遣部隊の隊員に医療行為を行った「患者受診状況」が記述されているのだが、昨年7月12日、患者の数がそれまでの0〜2人から一気に7人に急増しているのだ。「日刊ゲンダイ」も指摘していたが、これは7月11日に発生した自衛隊の宿営地付近での政府軍と反政府軍の「大規模戦闘」に一部の隊員が巻き込まれたことを意味しているのではないか。

 昨日の国会前抗議に参加した山口二郎法政大学教授は、安倍政権の政治は「目的と手段が逆転してしまっている」と指摘していたが、その通りだ。稲田防衛相と防衛省幹部、そして安倍首相は、とにかく、自衛隊の海外での武力行使を実現させ、実績をつくるためだけに、真っ赤な嘘をついて、「危険な戦闘状況」を隠蔽し続けているのだ。連中は、自衛隊員の生命や安全など、一顧だにしていない。

 トランプの大統領就任で、マスコミは「アメリカ政治はポスト・トゥルースの時代へと突入した」などと得意げに語っているが、それをいうなら、日本の安倍政権のほうがよっぽど自分たちの願望を満たすために事実を捻じ曲げている。もはや、稲田防衛相が何と言い繕おうが、国民に対する“真実”の説明にはならない。統合幕僚長や防衛省幹部とともに、即刻更迭されるべきだ。
(編集部)

最終更新:2017.11.20 04:04

「いいね!」「フォロー」をクリックすると、SNSのタイムラインで最新記事が確認できます。

新着 芸能・エンタメ スキャンダル ビジネス 社会 カルチャー くらし

南スーダン派遣部隊「日報」の“隠蔽工作”に稲田防衛相も加担か? 自衛隊員が戦闘に巻き込まれ負傷の疑惑ものページです。LITERA政治マスコミジャーナリズムオピニオン社会問題芸能(エンタメ)スキャンダルカルチャーなど社会で話題のニュースを本や雑誌から掘り起こすサイトです。稲田朋美編集部自衛隊防衛省の記事ならリテラへ。

人気記事ランキング

総合
ツイート数
1 保釈 河井案里被告と菅首相の特別な関係を物語る”パンケーキ動画”
2 菅首相が所信表明演説でごまかした原発の新増設の可能性
3 橋下徹が日本学術会議デマの取材に「無償インタビューに応じていない」
4 渡辺謙も批判!安倍のアンチ核軍縮路線
5 菅首相のベトナムでのスピーチが露呈した「教養のなさ」
6 安倍が徴用工問題で「ファクト示すのが一番」とツイートしツッコミ殺到
7 ホリエモン擁護のロンブー淳が「切り取り」反論も…発言はもっと一方的
8 欠陥だらけ GoToイートの背景に菅首相と「ぐるなび」会長の特別な関係か
9 三浦瑠麗が松本人志の悪質セクハラ発言を「問題ない」と擁護
10 ケントギルバート、ネトウヨ化の理由
11 菅義偉首相が使った官房機密費の“ヤミ金”は合計78億円!
12 「日本学術会議」任命拒否問題で平井文夫、志らく、橋下徹、八代英輝が…
13 橋下徹が都構想で使った詐術を検証!
14 三浦瑠麗CM出演でアマプラの解約運動が……DaiGoは批判も的外れ
15 菅政権「成長戦略会議」恐怖の顔ぶれ! 竹中平蔵、三浦瑠麗、アトキンソンも
16 宮台真司「ネトウヨは感情の劣化」
17 葵つかさが「松潤とは終わった」と
18 菅首相の著書改ざんは“都合の悪い記録は残さない”という宣言!
19 フジテレビがお台場カジノ開発を計画
20 強制捜査受けた河井前法相と案里議員は菅官房長官より安倍首相のお気に入り!
1 杉田和博官房副長官「公安を使った監視と圧力」恐怖の手口!
2 欠陥だらけ GoToイートの背景に菅首相と「ぐるなび」会長の特別な関係か
3 菅首相のベトナムでのスピーチが露呈した「教養のなさ」
4 中曽根首相「1億円合同葬」強行、教育現場に弔意強要 「前例踏襲」の嘘
5 甘利明、下村博文、高橋洋一、橋下徹も……日本学術会議攻撃のフェイク
6 菅政権「成長戦略会議」恐怖の顔ぶれ! 竹中平蔵、三浦瑠麗、アトキンソンも
7 菅首相の著書改ざんは“都合の悪い記録は残さない”という宣言!
8 フジテレビがお台場カジノ開発を計画
9 二階幹事長はリアル『半沢直樹』? 日本航空がらみの土地取引疑惑も
10 安倍が徴用工問題で「ファクト示すのが一番」とツイートしツッコミ殺到
11 菅首相が所信表明演説でごまかした原発の新増設の可能性
12 橋下徹が日本学術会議デマの取材に「無償インタビューに応じていない」
13 保釈 河井案里被告と菅首相の特別な関係を物語る”パンケーキ動画”
マガジン9

人気連載

アベを倒したい!

アベを倒したい!

室井佑月

ブラ弁は見た!

ブラ弁は見た!

ブラック企業被害対策弁護団

ニッポン抑圧と腐敗の現場

ニッポン抑圧と腐敗の現場

横田 一

メディア定点観測

メディア定点観測

編集部

ネット右翼の15年

ネット右翼の15年

野間易通

左巻き書店の「いまこそ左翼入門」

左巻き書店の「いまこそ左翼入門」

赤井 歪

政治からテレビを守れ!

政治からテレビを守れ!

水島宏明

「売れてる本」の取扱説明書

「売れてる本」の取扱説明書

武田砂鉄