清水富美加「幸福の科学」出家報道で“守護霊インタビュー”=信者の誤解が…実際は星野源から宮崎駿まで勝手に出版

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『女優・清水富美加の可能性~守護霊インタビュー~』(幸福の科学出版)

 清水富美加が、幸福の科学に出家という衝撃的なニュースが飛び出した。清水といえば、朝ドラ『まれ』の主人公の友人役でブレイク。女優として話題作への出演が相次いでいるのはもちろん、頭の回転の早さ、カルチャー知識、天真爛漫なキャラクターからバラエティでもひっぱりだこ。4月に2本、7月に2本の主演映画の公開を控え、バラエティでもMCのレギュラーを抱えポストベッキーとしても名前があげられるなど、まさに順風満帆だった。

 幸福の科学は、もともと女優・小川知子、作家・影山民夫を広告塔にするなど著名人を布教に使ってきた歴史があるが、最近anjewel(アンジュエル)というアイドルグループを結成させるなど芸能活動にも力を入れており、清水の出家もそうした芸能を使った布教戦略の一環が背景にあると思われる。

 しかし、この報道をめぐって、清水が幸福の科学の信者であるというエビデンスについて、誤解が広まっている。

 スポーツ紙の報道によると、1月下旬に幸福の科学の運営するサイトに大川隆法による清水富美加の守護霊インタビュー動画がアップされたこと、また清水の守護霊インタビューをまとめた書籍が今月3日に幸福の科学出版から出版されたことをきっかけに、清水が幸福の科学信者であることが発覚したとされている。

 そのため、清水の守護霊インタビュー本が出ていることが、彼女が幸福の科学信者であるエビデンスのような誤解が広がっているのだ。

 たとえば本日放送の『アッコにおまかせ!』(TBS)で、和田アキ子が守護霊インタビュー本について触れたスポーツ紙の記事を紹介しながら、「こんなの出ちゃったんだ!」と驚いていた。
 
 しかし、大川隆法による著名人の守護霊インタビューは、大川隆法が“その人物の守護霊を自分に降ろしている”体で、勝手に出版しているだけのしろもの。守護霊インタビューが掲載されていることと、信者であることはなんの関係もないのだ。

 たとえば今月1日には逃げ恥ブームに便乗して星野源の守護霊インタビュー本『俳優・星野源 守護霊メッセージ「君は、35歳童貞男を演じられるか。」』も出版されている。昨年末には映画『君の名は。』の新海誠監督、半沢直樹で大ブレイクした直後には堺雅人の守護霊、高倉健や水木しげるが亡くなった直後に高倉健や水木しげるの霊、ほかにもローラ、キムタク、岡田准一、北川景子、菅野美穂、武井咲……など「守護霊にインタビュー」と称して、そのときどきの話題の人物の名前を冠した本を勝手に出しまくっている。ちなみに『アッコにおまかせ!』で驚きの声をあげていた和田アキ子と同じホリプロ所属の、綾瀬はるか、深田恭子の守護霊本も出ている。

 ネットでは、星野源ら守護霊を勝手に出されただけの有名人たちも幸福の科学信者であると誤解の声があがっている。アマゾンレビューでも「◯◯さん、幸福の科学の信者だったんですね」という感想も見受けられる。

 しかし、この2月には映画『沈黙』の公開に合わせてクリスチャンであるマーティン・スコセッシ監督の守護霊本が出ていたり、イスラエル生まれでユダヤ教であることが知られるアメリカの女優ナタリー・ポートマンの守護霊本や、2015年のパリ同時多発テロ直後にはイスラム教の開祖であるムハンマドの霊言本まで出すなどやりたい放題。彼らが幸福の科学の信者であることなどあり得ず、守護霊本が出ていることと本人の信仰とはなんの関係もないことがよくわかるだろう。

 本サイトでは、いち早くこうした有名人守護霊本の中身を検証し、なぜこんなものを本人たちに無断で出してこれまで問題になっていなかったのか、疑問を呈したことがある。以下に再編集して掲載するので、ぜひご一読いただきたい。
(編集部)

…………………………………………………………………………………

「私も、ノーベル賞が欲しいです。早く早く」――――。

 これは、幸福の科学出版が出版している『村上春樹が売れる理由―深層意識の解剖』に掲載された村上春樹のセリフだ。といっても、本人のものではなく、「幸福の科学」の教祖・大川隆法が、春樹の守護霊を自らに降ろして、信者たちの質問に答えたものなのだ。もちろん版元は幸福の科学出版である。

 これだけではない。同書の中で、春樹の守護霊は、実にカネに卑しく人間くさいキャラ設定で、たとえば、著書が売れる理由を教えてくれという身もフタもない質問には、「“秘伝のタレ”みたいなものでしょう? 絶対、教えちゃいけない」と、巷の酔いどれオヤジのように返し、発売前に内容を明かさないプロモーションについて問われると、「ビニ本とほとんど一緒の状態ではあるけども、そのへんの期待感を上手に盛り上げるのも、マーケティングなんですよね」と、純文学の作家とは到底思えないゲスな返事をしている。

 先ほどのノーベル賞についても、「私も、ノーベル賞が欲しいです。早く早く」「去年、取り損ねたな。あれは悔しい」「今年、もう一回、挑戦」と野心を丸出し。「歴史に名前が遺るのは私で、大川隆法のほうは消えます。私は、ノーベル賞を取って名前が遺ります」と、なぜか大川に対してライバル意識まで燃やしている。

 また、『色彩を持たない多崎つくると、彼の巡礼の年』(文藝春秋)の思わせぶりなタイトルについて信者から問われると、「まあ、『肩すかし』も、相撲の技としては通用するわけです。(中略)『やられた!』『くそー、外したなあ』というマゾ感覚で、読者が増えるんですよ」と居直ったり、『多崎つくる~』の版元である文藝春秋と幸福の科学が係争中であることを受け、「まあ、文藝春秋もベストセラーを出したくて、うずうずしていた。(中略)久々にベストヒットを打って、『損害賠償の賠償金が払える』と喜んでいるんじゃないかと思います。そういう意味では、ご協力申し上げているのではないかと、私は思うんですけどね」などと返答。春樹の作品論や作家性への言及はほとんどナシ、扱いは“マーケティングに成功した人”なのだ。

 中でも最大の見どころは、「それで、大川さんみたいな人に、『ええかげんにせえ』と怒られるわけやけど」「思うたりもするんですけどねえ」などといった、“微妙な関西弁”がごくたまに登場する部分だ。関西出身ながら関西弁嫌いで知られる春樹だが、そんな彼の口からうっかり関西弁が出てしまうほどに本音を語っていることを表現しているのか、それとも徳島県出身の大川の素がついつい出ちゃったのか……真意はもちろん謎である。

 この“大川隆法が有名人の守護霊を降ろしちゃった”シリーズ、いわゆる「霊言本」は、春樹だけに終わらない。8月には『風立ちぬ』が公開されたばかりの宮崎駿の守護霊を呼び出したインタビュー本『「宮崎駿アニメ映画」創作の真相に迫る』も発売。ここでは、幸福の科学が製作してきた映画について感想を求められた宮崎(の守護霊)が、「いい評価をしたら、お墨付きを与えたことになって、『宮崎ファンは、みんな、こっちを観に行きなさい』ということになるし、悪い評価をしたら、『喧嘩を売った』ということになって、君らは、また攻撃するんだろう? あ、これ(霊言収録)は、もうすでに攻撃だよ。“霊言集攻撃”だよ」と、幸福の科学の激しい抗議活動を揶揄するネタまで登場。

 さらに、原発問題について問われた際には「まあ、あれを“有効利用”するんだったら、放射能がいっぱいの福島県に、われら老人を全員、全国からかき集めて、そこに住まわしたらいいよ。そうしたら、日本人の老人の平均寿命が縮んで、年金問題も解決するから」「原発の汚染水がたまってる所をプールにして、そのなかで泳いで回ったらいいんだよ。たっぷり浴びてもらえば、早く死ぬだろうよ」と、宮崎(しつこいですが守護霊です。念のため)がトンデモ発言を連発!
 それに対し、原発推進派である幸福の科学信者から“電気が足りなくなる”などと追及され、「ちょっと、もう、問題が難しいから、やめてくれない? 私は政治家じゃないので」と、宮崎はやり込められてしまう……というオチがついていた。とにかくどんな人物でも、守護霊となると、とことん頭が悪い設定にされてしまうようである。もう気の毒としか言いようがない。

 以前から幸福の科学出版では、天皇や歴史上の人物などの霊言本を出版してきた。しかし、最近は前出の春樹や宮崎にとどまらず、筑紫哲也に本多勝一、古舘伊知郎、池上彰といったジャーナリストから、ビートたけし、膳場貴子アナといった有名人の霊言本を続々と発表。とくに、ドラマ『ガリレオ』(フジテレビ系)の放映に合わせて『ガリレオの変心』というガリレオのインタビュー本を作ったり、8月には宮崎のほかに秋元康の守護霊にインタビューした『AKB48ヒットの秘密』を出版するなど、流行への丸乗り感は“すごい”の一言。そのうち「あまちゃん」や「半沢直樹」のインタビュー本も出しそうな勢いだ。

 それにしても、これだけ勝手に発言を作られ、勝手に写真まで使われているのに、大川に守護霊を降ろされてしまった人たちは、なぜ名誉毀損や肖像権侵害で訴えたりしないのだろうか? やはり幸福の科学の抗議がめんどくさいからなのだろうか? そう考えると、幸福の科学とはつくづく最強である。
(編集部)

最終更新:2017.11.16 04:36

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