またアベノミクスの嘘を証明する統計が! 増えたのは企業の内部留保と役員報酬、株主配当だけ、賃金はさらに減少

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自由民主党HPより


 国民はこの数字をもっとしっかりと見るべきだろう。そう、アベノミクスはインチキだったことを改めて証明する統計結果が明らかになったのだ。

 財務省が9月1日に発表した法人企業統計によると、2015年度の企業の利益剰余金が前年度より23兆円あまり増えて377兆8689億円となり、4年連続で過去最高を更新した。法人企業統計は営利企業の実態などを把握するために財務省が企業の決算内容をまとめたものだ。利益剰余金とは、企業が稼いだ利益から株主配当などを差し引いた、いわゆる「内部留保」だ。

 グラフにするとよくわかるが、この内部留保は安倍政権発足後から右肩上がりで激増している。2011年度と比べると実に100兆円近くも、さらに10年前と比べると175兆円も膨らんでいるのである。それだけ企業がお金を貯めこみ、肥え太ったというわけだ。

 安倍晋三首相が念仏のように唱えるアベノミクスは、まず企業が肥え太って儲かれば、やがて富の雫が下々にまで滴り落ちてくるという理屈だった。トリクルダウンという理論だ。ところが安倍政権発足後、一般会社員の賃金は一部の超大手企業を除けば減少している。

 それは前述の企業統計でも明らかだ。「しんぶん赤旗」の計算によると、資本金10億円以上の大企業の場合、従業員へ支払った賃金の総額こそ前年度より増えたものの、1人当たりは年間1.8万円減の561.7万円だった。総額が増えているのに1人当たりの賃金が減っているというのは、要するに非正規労働者など賃金の安い従業員が増えたからだ。これが安倍が自慢する「雇用の拡大」の現実なのだ。しかも、賃金総額自体も安倍政権発足時(2012年10月〜12月期)と比べると、3%も減少している。

 つまり、待てど暮らせど、トリクルダウンはやってこないということだ。

 企業や金持ちばかりが儲かって、貧乏人はいつまでも這い上がれないというのが、これまで本サイトが散々指摘してきたアベノミクスの正体だ。いい加減、国民も目を覚ますべきである。

 しかも、従業員の賃金が減らされる一方で、役員の報酬は増加している。同じく10億円以上の大企業では、総額(8600億円)でも一人当たり(1865万円)でも前年度を上回っているのだ。1億円を超える報酬を取っている経営者は上場企業で昨年443人だったが、今年は503人に増えた。格差はどんどん拡大している。さらに、株主への配当金は前年度の1.4倍を超える17.3兆円、株を持っている人はウハウハだ。そして、大儲けした企業から国が徴収する3税負担額は前年度を200億円も下回った。

 もう、おわかりだろう。安倍の言う「世界でもっとも企業が活動しやすい国」というのは、「下々」にしわを寄せ、格差をつくることで成り立っているのである。にもかかわらず、安倍首相は「アベノミクスのエンジンをブンブン吹かす」などと、ふざけたことを言っているのだ。

 かつて日本は一億総中流と呼ばれ、企業と従業員が一丸となって国際競争に打ち勝ってきた。ジャパンアズナンバーワンと呼ばれた時代だ。それを支えていたのが、世界でも最高水準の労働分配率の高さだった。労働分配率とは、企業が儲けたカネをどれだけ従業員に還元していたかという数値である。

OECDの調査によれば、1970年代の日本の労働分配率は70%台後半で先進5カ国(G5)の中ではフランスに次いで高かった。

 ところが、この数値がアベノミクスによって、どんどん低下しているのだ。財務省の発表では、2015年度の労働分配率は66.1%だが、これはリーマン・ショック前のミニバブルが起きた07年度(65.8%)以来の低さだという。

 しかも、OECDと財務省の労働分配率の計算式は違っていて、財務省の数値の方が10%前後、高くなる傾向がある。

 それで66.1%ということは、OECDの計算式では、15年の労働分配率は50%台まで低下しているということになる。すでに11年の段階で、OECD方式で算出された日本の労働分配率は60.6%にまで転落し、アメリカを下回って、G5最低になっていたが、状況はさらに悪化。企業が儲けたカネの半分ちょっとしか賃金に回ってこなくなっているのである。

 しかも、一方で、上位1%の高額所得者が占める割合は増えている。日本は今、かつてないほどの格差社会、階層社会に陥っているのだ。

 日本経済の本当の強さを引き出そうとしたら、この問題を是正する施策を打ち出すしかない。だが、アベノミクスは格差拡大、つまりはまったく逆行することをやっている。それで、一億総活躍などといっているのだから頭がおかしいと言うしかない。
(野尻民夫)

最終更新:2017.11.24 06:43

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