またアベノミクスの嘘を証明する統計が! 増えたのは企業の内部留保と役員報酬、株主配当だけ、賃金はさらに減少

  • このエントリーをはてなブックマークに追加
  • 印刷
abe_160907.jpg
自由民主党HPより


 国民はこの数字をもっとしっかりと見るべきだろう。そう、アベノミクスはインチキだったことを改めて証明する統計結果が明らかになったのだ。

 財務省が9月1日に発表した法人企業統計によると、2015年度の企業の利益剰余金が前年度より23兆円あまり増えて377兆8689億円となり、4年連続で過去最高を更新した。法人企業統計は営利企業の実態などを把握するために財務省が企業の決算内容をまとめたものだ。利益剰余金とは、企業が稼いだ利益から株主配当などを差し引いた、いわゆる「内部留保」だ。

 グラフにするとよくわかるが、この内部留保は安倍政権発足後から右肩上がりで激増している。2011年度と比べると実に100兆円近くも、さらに10年前と比べると175兆円も膨らんでいるのである。それだけ企業がお金を貯めこみ、肥え太ったというわけだ。

 安倍晋三首相が念仏のように唱えるアベノミクスは、まず企業が肥え太って儲かれば、やがて富の雫が下々にまで滴り落ちてくるという理屈だった。トリクルダウンという理論だ。ところが安倍政権発足後、一般会社員の賃金は一部の超大手企業を除けば減少している。

 それは前述の企業統計でも明らかだ。「しんぶん赤旗」の計算によると、資本金10億円以上の大企業の場合、従業員へ支払った賃金の総額こそ前年度より増えたものの、1人当たりは年間1.8万円減の561.7万円だった。総額が増えているのに1人当たりの賃金が減っているというのは、要するに非正規労働者など賃金の安い従業員が増えたからだ。これが安倍が自慢する「雇用の拡大」の現実なのだ。しかも、賃金総額自体も安倍政権発足時(2012年10月〜12月期)と比べると、3%も減少している。

 つまり、待てど暮らせど、トリクルダウンはやってこないということだ。

 企業や金持ちばかりが儲かって、貧乏人はいつまでも這い上がれないというのが、これまで本サイトが散々指摘してきたアベノミクスの正体だ。いい加減、国民も目を覚ますべきである。

 しかも、従業員の賃金が減らされる一方で、役員の報酬は増加している。同じく10億円以上の大企業では、総額(8600億円)でも一人当たり(1865万円)でも前年度を上回っているのだ。1億円を超える報酬を取っている経営者は上場企業で昨年443人だったが、今年は503人に増えた。格差はどんどん拡大している。さらに、株主への配当金は前年度の1.4倍を超える17.3兆円、株を持っている人はウハウハだ。そして、大儲けした企業から国が徴収する3税負担額は前年度を200億円も下回った。

 もう、おわかりだろう。安倍の言う「世界でもっとも企業が活動しやすい国」というのは、「下々」にしわを寄せ、格差をつくることで成り立っているのである。にもかかわらず、安倍首相は「アベノミクスのエンジンをブンブン吹かす」などと、ふざけたことを言っているのだ。

 かつて日本は一億総中流と呼ばれ、企業と従業員が一丸となって国際競争に打ち勝ってきた。ジャパンアズナンバーワンと呼ばれた時代だ。それを支えていたのが、世界でも最高水準の労働分配率の高さだった。労働分配率とは、企業が儲けたカネをどれだけ従業員に還元していたかという数値である。

OECDの調査によれば、1970年代の日本の労働分配率は70%台後半で先進5カ国(G5)の中ではフランスに次いで高かった。

 ところが、この数値がアベノミクスによって、どんどん低下しているのだ。財務省の発表では、2015年度の労働分配率は66.1%だが、これはリーマン・ショック前のミニバブルが起きた07年度(65.8%)以来の低さだという。

 しかも、OECDと財務省の労働分配率の計算式は違っていて、財務省の数値の方が10%前後、高くなる傾向がある。

 それで66.1%ということは、OECDの計算式では、15年の労働分配率は50%台まで低下しているということになる。すでに11年の段階で、OECD方式で算出された日本の労働分配率は60.6%にまで転落し、アメリカを下回って、G5最低になっていたが、状況はさらに悪化。企業が儲けたカネの半分ちょっとしか賃金に回ってこなくなっているのである。

 しかも、一方で、上位1%の高額所得者が占める割合は増えている。日本は今、かつてないほどの格差社会、階層社会に陥っているのだ。

 日本経済の本当の強さを引き出そうとしたら、この問題を是正する施策を打ち出すしかない。だが、アベノミクスは格差拡大、つまりはまったく逆行することをやっている。それで、一億総活躍などといっているのだから頭がおかしいと言うしかない。
(野尻民夫)

最終更新:2017.11.24 06:43

「いいね!」「フォロー」をクリックすると、SNSのタイムラインで最新記事が確認できます。

新着 芸能・エンタメ スキャンダル ビジネス 社会 カルチャー くらし

またアベノミクスの嘘を証明する統計が! 増えたのは企業の内部留保と役員報酬、株主配当だけ、賃金はさらに減少のページです。LITERA政治マスコミジャーナリズムオピニオン社会問題芸能(エンタメ)スキャンダルカルチャーなど社会で話題のニュースを本や雑誌から掘り起こすサイトです。OECD安倍晋三税金野尻民夫の記事ならリテラへ。

人気記事ランキング

総合
ツイート数
1 『バイキング』がリコール不正で高須院長を露骨擁護!スポンサーに忖度か
2 田崎史郎が山田真貴子辞職でも「入院は山田氏の判断」「食べたの3万円分」
3 大阪維新「ファクトチェッカー」が一般市民の事実に基づく批判を吊るし上げ
4 山田真貴子内閣広報官が育鵬社の教科書に“男女平等の象徴”として登場!
5 櫻井よしこ、西岡力、文春…朝日・慰安婦報道叩きのデタラメが次々露呈
6 愛知リコール不正は維新にも責任 事務局長は維新の衆院選公認候補
7 リコール不正確定的でも陰謀論全開の高須院長を批判できないマスコミ
8 高須・橋下・ネトウヨのハンスト叩きを元山氏・村本が論破
9 福島沖地震で東電が福島原発の異変を隠蔽!菅首相も「すべて正常」
10 菅首相の長男による総務省幹部接待は贈収賄だ! 接待音声データで菅長男が…
11 葵つかさが「松潤とは終わった」と
12 菅首相が“コロナ会見中止は山田内閣広報官隠し”と追及され逆ギレ!
13 安倍前首相はやはり仮病だった!読売のインタビューでケロッと「もう大丈夫」
14 愛知リコール不正 バイトに偽造署名 高須院長と河村市長は説明を
15 年金データのマイナンバーはやはり中国に流出か…厚労省部会の報告書が指摘
16 菅首相が山田内閣広報官を処分しない理由に女性問題を悪用!
17 小倉優香の番組中「辞めさせてください」の本当の理由は番組のセクハラ
18 安倍首相が会見も新しい対策ゼロ! 質問打ち切りに記者から怒号
19 大村知事リコールに高須克弥、百田尚樹、有本香らが勢揃い…
20 菅政権がワクチン特殊注射器8000万本を韓国に購入要請でネトウヨが激怒
1 年金データのマイナンバーはやはり中国に流出か…厚労省部会の報告書が指摘
2 福島沖地震で東電が福島原発の異変を隠蔽!菅首相も「すべて正常」
3 愛知リコール不正 バイトに偽造署名 高須院長と河村市長は説明を
4 愛知リコール不正は維新にも責任 事務局長は維新の衆院選公認候補
5 菅政権のデジタル化のポンコツ暴露も、さらに五輪観客用アプリに73億円
6 丸川珠代は五輪担当相に不適格!「娘として」発言、ヘイトデマ丸乗り
7 菅首相が“コロナ会見中止は山田内閣広報官隠し”と追及され逆ギレ!
8 山田真貴子内閣広報官が育鵬社の教科書に“男女平等の象徴”として登場!
9 菅首相が山田内閣広報官を処分しない理由に女性問題を悪用!
10 大阪維新「ファクトチェッカー」が一般市民の事実に基づく批判を吊るし上げ
11 菅政権がワクチン特殊注射器8000万本を韓国に購入要請でネトウヨが激怒
12 菅政権がワクチン接種でも大失態! 特殊な注射器用意せず、韓国と対照的
13 五輪組織委会長の橋本聖子が高橋大輔の他にセクハラ 池江璃花子の白血病でも
14 田崎史郎が山田真貴子辞職でも「入院は山田氏の判断」「食べたの3万円分」
15 菅首相の長男による総務省幹部接待は贈収賄だ! 接待音声データで菅長男が…
16 『バイキング』がリコール不正で高須院長を露骨擁護!スポンサーに忖度か

カテゴリ別ランキング

マガジン9

人気連載

アベを倒したい!

アベを倒したい!

室井佑月

ブラ弁は見た!

ブラ弁は見た!

ブラック企業被害対策弁護団

ニッポン抑圧と腐敗の現場

ニッポン抑圧と腐敗の現場

横田 一

メディア定点観測

メディア定点観測

編集部

ネット右翼の15年

ネット右翼の15年

野間易通

左巻き書店の「いまこそ左翼入門」

左巻き書店の「いまこそ左翼入門」

赤井 歪

政治からテレビを守れ!

政治からテレビを守れ!

水島宏明

「売れてる本」の取扱説明書

「売れてる本」の取扱説明書

武田砂鉄