東京五輪で風俗店が一掃される? 新人風俗嬢「接客講習」の掟とは? ベテランライターが風俗業界の噂を検証

  • このエントリーをはてなブックマークに追加
  • 印刷
fuzoku_151018.jpg
『ベテラン風俗ライターが明かす フーゾク業界のぶっちゃけ話』(彩図社)

「2020年、東京オリンピックを機に東京中の風俗店が一掃される!?」

 いま、巷ではこんなウワサ話が飛び交っている。他にも、「2020年のコミケは中止になる」「東京中のコンビニからエロ本がなくなる」など、これらのウワサには他にもバリエーションがあるのだが、実際はどうなのだろうか? 

 老舗の風俗サイト『全国風俗リンクセンター』の運営にして、風俗情報誌「俺の旅」(ミリオン出版)などでライターとしても活動する吉岡優一郎氏が最近出版した『ベテラン風俗ライターが明かす フーゾク業界のぶっちゃけ話』(彩図社)によれば、その可能性は捨てきれないという。

〈これまで風俗業界は国際イベントの開催に合わせた警察当局の浄化作戦などで、地域丸ごと潰されるような例がいくつもあった。
 その中でも比較的新しく、かつ大規模だったのが、1990年に大阪市と守口市にまたがる鶴見緑地で開催された「国際花と緑の博覧会」(花博)の際の浄化作戦だ。
 それまでは、大阪市内にも少なくない数のソープランドがキタ、ミナミ両地域に存在していたのだが、花博の開催に合わせて警察が街の浄化作戦を開始し、大阪市内のソープランドへの集中的な摘発がなされ、さらに行政により条例も制定されたため、市内すべてのソープランドが閉店へと追い込まれた。現在、大阪市内に1軒のソープランドも存在しないのはこのためだ〉

 このような事態が起きるのは、行政側が国際イベントにより多数集まる外国人観光客を見越して、風紀の乱れを正したり、治安維持へと神経を尖らせるためだ。ただ、2020年を機に、ウワサされている取り締まりが現実になるかどうかは吉岡氏にも分からないという。

〈こうした大規模な浄化作戦が行われるか否かは、警察組織の上層部や地方自治体の首長の考え方によるものが大きいからだ。
 21世紀に入ってからの具体例としては、石原慎太郎元都知事による新宿歌舞伎町の浄化作戦で多くの風俗店が歌舞伎町からの撤退を余儀なくされたケースや、中田宏元横浜市長の意向で横浜・黄金町のちょんの間が壊滅させられたケースなどが挙げられる。
 このように、力を持つ立場にある人々の鶴の一声で、風俗業界は摘発が強化されることもあれば庇護されることもあるのだ。
 そのため、2020年に東京の風俗業界が壊滅するかどうかは、そのときにどういう人物が関連する要職に就いているかが鍵になるだろう〉

 さて、先ほどから引いている『ベテラン風俗ライターが明かす フーゾク業界のぶっちゃけ話』には、長年風俗業界に携わり続けている人間だからこそ知り得るトリビアが他にも紹介されているので、興味深いものをいくつか紹介していきたい。

 まずは、新人風俗嬢が受ける「講習」について。かつては、どの風俗でも新しく入ってきた風俗嬢に対して講習を受けさせるのは当たり前のことだった。特に、ソープランドにおいては、最初の3日間ぐらいベテラン嬢について、1日3時間程度サービスについて学んでいたという。しかし、女の子の「素人っぽさ」が好まれる最近の風俗界では講習を経ることなく客前に立つ風俗嬢も多い。ただ、老舗風俗店は今でも「サービス」に対して高いハードルを課しており、きちんとした講習を受けさせている。そのとき、問題となるのは、男性が講師役を務める場合だ。

〈男性が講習師である場合には、ひとつだけ守らなければならない不文律がある。それは、「男性講習師は講習中、絶対にイッてはいけない」というものだ。
 講習師の仕事はあくまでも女の子に接客上の作法や風俗の技術を教えるのが目的で、男性講習師の性欲のはけ口であってはならないというのがその理由だ。そのため、もし射精してしまったら、罰金として女の子に対し女子給相当額を支払わなければならないことになっている〉

 この講習の内容は、単なる「プレイ」に関するものだけではなく、接客全般に関する講習であるという。中国地方のあるデリヘルの講習を見学した吉岡氏はこう語る。

〈講習は、まず、客が待つホテルの部屋に女の子が入る際、客と自分の靴を揃えることを指導するところから始まった。
 その後、客への挨拶、料金表の見せ方とシステムの紹介、本番禁止などの注意事項の伝達の仕方、そして受け取ったお金の取り扱い方などと続く。
 お金の取り扱いまで? と思われるかもしれないが、実は女の子の隙を見て一度支払ったお金を盗んでしまう悪い客がたまにいるのだ。これは、フロントが金銭授受に関与できないデリヘルの最大の弱点のひとつでもある。
 そのため、同店では客から受け取った現金を料金表のパウチに挟み、テーブルの上の目立つ場所に置き、帰るときに回収するよう指導していた。財布やカバンの中など、誰にも見えないところにお金を置くからトラブルになるのであり、客からも女の子からも見えるところにお金があれば、逆に客はお金を盗みづらいし、盗ろうとすれば女の子もすぐ気がつく〉

 思わず、「なるほど」と感じさせる接客術である。新人の風俗嬢はこうして接客のメソッドを学んでいくのである。

 しかし、そんな彼女たちもいつかは夜の街を卒業する時が来る。そんな折、転職活動にあたっての履歴書にはその期間のことをどう記載するのか? もちろん、職業に貴賤はないが、当該女性の立場に立ってみれば、できることなら次の職場に風俗で働いていた過去を伏せたいと考える人も多いだろう。

 風俗店のなかには、そのためのアリバイ工作手段を準備している店が存在する。これらは引退後の転職活動のみならず、風俗嬢として働いている最中なかなか通りにくい不動産審査や保育園の入園審査などにも大きな効力を発揮してくれるのだという。その仕組みは以下のようなものだ。

〈勤めている風俗店の経営母体が株式会社などの法人で、風俗店と同時に飲食店や一般的な職種の事務所も経営しているようなケースでは、女の子がそちらの仕事に従事しているということにして、給与や在籍の証明書を作成したりする他、クレジットカード作成のための在籍確認の電話などにも対応してくれることがある。これを女の子のアリバイ工作という。
 また、アリバイ会社というものも存在し、こうした会社は、女の子のアリバイ工作を専門的に行っている〉

 これらアリバイ作業を行ってくれる組織は風俗嬢にとって強い味方となる。吉岡氏が取材した元ソープ嬢はこう語る。

「私は大学を卒業してから就職活動をせず、アルバイトでやっていたソープ嬢をそのまま続けていたんです。でも、2年経ってソープ嬢を引退して一般の会社に就職しようとしたとき、ソープ嬢だった2年間がそのまま履歴書の空白になってしまったんです。だって、風俗やってたなんて履歴書に書けるわけないじゃないですか。でも私は、アリバイ会社と契約していたから、空白期間のところにその会社の名前を書くことで、履歴書を埋めることができたんです。おかげで無事に就職することができました」

 これらの会社が行う業務は一部に文書偽造など違法行為も含まれているためアリバイ会社が摘発される例も時折報道されているが、一度引退したものの履歴書の空白期間のせいで再就職できず結局また夜の世界に戻ってしまったり、現在風俗の仕事をしているせいで家が借りられないといった例が後を絶たない彼女たちを救ってくれるのもまた、こういったアリバイ会社なのだという。

 冒頭にも記した通り、夜の世界は、行政や社会状況の変化により激変を余儀なくされることも殊更に多い世界だ。最近でも、「マイナンバー制度導入により、一般企業のOLと風俗嬢をダブルワークしている人が、昼の職場に兼業がバレるかもしれない」というトピックがネットニュースや週刊誌などを賑わせている。2020年の風俗業界はどうなっているか? それは、神のみぞ知るといったところなのである。
(田中 教)

最終更新:2015.10.18 11:30

「いいね!」「フォロー」をクリックすると、SNSのタイムラインで最新記事が確認できます。

この記事に関する本・雑誌

ベテラン風俗ライターが明かす フーゾク業界のぶっちゃけ話

  • amazonの詳細ページへ
  • 楽天ブックスの詳細ページへ
  • Yahoo! ショッピングの詳細ページへ

新着 芸能・エンタメ スキャンダル ビジネス 社会 カルチャー くらし

東京五輪で風俗店が一掃される? 新人風俗嬢「接客講習」の掟とは? ベテランライターが風俗業界の噂を検証のページです。LITERA政治マスコミジャーナリズムオピニオン社会問題芸能(エンタメ)スキャンダルカルチャーなど社会で話題のニュースを本や雑誌から掘り起こすサイトです。五輪田中 教の記事ならリテラへ。

人気記事ランキング

総合
いいね! 数
1 安倍首相がTOKIOに続き大泉洋、高畑充希と会食PR
2 安倍首相がトランプ接待で「大相撲の伝統」破壊
3 部落差別問題で長谷川豊と維新が露呈したトンデモぶり
4 葵つかさが「松潤とは終わった」と
5 『朝生』で百田尚樹が徹底論破され大恥
6 安倍首相が新天皇に内奏の夜、「ドアまで送ってくれた」と自慢
7 安倍が拉致問題国民大集会を「公務」理由に中座、自宅へ!
8 マツコ「安倍首相は馬鹿」にネトウヨが
9 秋篠宮家の料理番がブラック告発
10 佐藤浩市がテレビの右傾化に危機感表明
11 丸山穂高「戦争」発言で長谷川豊、百田尚樹がマスコミを批判
12 グッディ高橋克実が北朝鮮危機で本音
13 長谷川豊が「プロ、犯罪の」と部落差別発言
14 読売が出会い系通い記事批判に失笑反論
15 つんく♂が秋元のメンバー差別に
16 見城徹社長が騒動渦中、首相公邸で安倍首相と会食!?
17 韓国K-POPスキャンダルをめぐるヘイトとご都合主義
18 橋下徹に恫喝された女子高生が告白!
19 NGT山口真帆が秋元康と指原莉乃に謝罪の謎!
20 新天皇の即位パレードが自民党本部前を通るルートに
1 国民健康保険料が大幅値上げ、年間10万円増額も
2 安倍首相と省庁幹部の面談記録ゼロ!安倍政権“公文書破壊”の実態
3 石野卓球がワイドショーに勝利した理由
4 忖度道路めぐり安倍の直接指示の新事実が
5 安倍首相が「桜を見る会」に『虎ノ門ニュース』一行を堂々招待
6 安倍が“忖度道路”の要望書を提出、山陰自動車道でも利益誘導
7 上野千鶴子「東大祝辞」へのワイドショーコメントが酷い!
8 塚田「忖度」発言は事実! 麻生利益誘導の疑惑
9 イチローに国民栄誉賞を断られ安倍政権が赤っ恥
10 野党議員をデマ攻撃「政治知新」の兄・自民党県議を直撃!
11 NHKで国谷裕子を降板に追い込んだ人物が専務理事に復帰
12 維新勝利で橋下徹が「反対した年配の人が死んじゃった」
13 中村文則が安倍政権批判に踏み込む理由
14 『あさイチ』の「中高生に韓国が人気」企画炎上の異常
15 安倍首相「桜を見る会」招待状が8万円で売買との報道!
16 菅官房長官「令和おじさん」人気の正体!
17 ゴーン逮捕“国策捜査説”を裏付ける経産省メール
18 「あつまれ!げんしりょくむら」以外も…原子力ムラの醜悪SNS戦略
19 衆院補選で安倍自民党が大惨敗の予想が!
20 ピエール瀧出演の『麻雀放浪記2020』に“安倍政権への皮肉”

人気連載

アベを倒したい!

アベを倒したい!

室井佑月

ブラ弁は見た!

ブラ弁は見た!

ブラック企業被害対策弁護団

ニッポン抑圧と腐敗の現場

ニッポン抑圧と腐敗の現場

横田 一

メディア定点観測

メディア定点観測

編集部

ネット右翼の15年

ネット右翼の15年

野間易通

左巻き書店の「いまこそ左翼入門」

左巻き書店の「いまこそ左翼入門」

赤井 歪

政治からテレビを守れ!

政治からテレビを守れ!

水島宏明

「売れてる本」の取扱説明書

「売れてる本」の取扱説明書

武田砂鉄