中谷防衛相「相手に攻撃の意思がなくても、自衛権行使できる」安保法制の危険な本質が露呈!

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中谷元ホームページより


 説明すればするほど、そのインチキと危険性が明らかになる、新安保法制。多くの国民の反対も不安もおかまいなく、安倍政権は15日に採決する方針を固めたというが、昨日7月8日の平和安全特別委員会でも、とんでもない答弁が飛び出した。

「アベくんと、アソウくんが不良にからまれる」という、前日に安倍首相がニコ生で披露した、例のどうしようもないたとえ話について、民主党の緒方林太郎衆院議員が、中谷元防衛相に質問したときのことだ。

「アベは生意気な奴だから今度殴ってやるという不良がいる。友だちのアソーさんと一緒に帰り、3人くらい不良が出てきて、いきなりアソーさんに殴りかかった。私も、アソーさんを守る。これは、今度の平和安全法制で私たちができることだ」
 安倍首相はこんな説明をしたが、このたとえ話について緒方議員はおかしいところがあるとして、こう質問した。

「この例で、ちょっとおかしいんじゃないかと思うところがございまして、『アベは生意気な奴だから今度殴ってやる』という意思を持っているだけなんですね。意思を持っているだけであります。これだけで、存立危機事態が生じるというふうに思われますか?」

 意思を持っているだけで、実際に攻撃したわけではないのに、存立危機事態が生じることになるのかと問われた中谷防衛相は、

「存立事態の認定におきましては、意思とか対応とか、位置とか規模とか、類似要素を説明しておりまして、それらの要素をすべて総合的に判断して、合理的に判断をするということでございます」

 と答弁。つまり相手国が意思を持っている(と日本が認定する)だけで、実際に武力攻撃を受けていなくても自衛権を行使できる、と。

「存立危機事態のケースで、武力攻撃を仕掛けてくる国が、意思を持っているだけで、存立危機事態の要件となりますでしょうか?」
 と緒方議員は重ねて質問したのだが、中谷は「総合的に判断する」と答え、これを否定しなかった。

 しかし中谷のトンデモ答弁はこれにはとどまらない。もっと恐ろしいことを言い出したのだ。

緒方「もうひとつ、最後に、これは存立危機事態の例との関係で非常に重要ですが、『アベは生意気だから今度殴ってやる』というその意図表明がないケースは? その意図表明がまったくない。そのケースであれば、アベさんとアソーさんが一緒に歩いていて、アソーさんが殴られるとき。そのとき、私もアソーさんを守ることはできないということだと思いますけども、大臣、これ存立危機事態の例となぞらえてどうでしょうか?」
 
 相手国に攻撃の意図表明がない場合について質問された中谷防衛相は、なんとこう答弁したのだ。

「以前に言葉にしたと思いますけれども、意思がない場合においても存立危機事態になりうるということはできる。可能であるということでございます」

 相手国に攻撃の意思がなくても、存立危機事態になりうる。耳を疑ったのか、緒方議員はもう一度問う。

緒方「意思がまったくなくて。ということは、実際に我が国に武力攻撃が起こってくる可能性が、なぞらえてみるとですね、ないということだと思うんですよね。我が国に攻撃をする意思を相手が持っていない。しかも、意思がないということはおそらく準備行為もないでしょう。
(中略)どこに我が国の存立を脅かし、そして、我が国の国民の生命、自由、そして幸福追求の権利が根底から覆されるような事態というのは存在しないんじゃないですか? 大臣、相手がその意思をまったく持ってないときでも存立危機事態は認定しうるというのは、それはどういうことですか?」

中谷「攻撃国の意思として、我が国に対する武力攻撃の意思の有無は、まあ考慮はされますが、攻撃国の我が国を攻撃する意図が認定できなかったとしても、攻撃力の意思、能力、発生場所、規模、対応推移などの要素を総合的に考慮し、我が国に戦禍が及ぶ蓋然性や国民が被ることとなる犠牲の深刻性、重大性があると判断すれば、存立危機事態に認定をするわけでございます」

 中谷防衛相は、総合的に判断するというエクスキューズはつけながら、再度断言したのである。「攻撃国が日本を攻撃する意図が認定できなかったとしても、存立危機事態になりうる」と。

 えっ? てことは、要するに、相手国が攻撃しようとしていなくても、自衛権を行使できるってこと? それ、もう集団的とか個別的とかじゃなく、自衛ですらないのでは……。「このままあの国を放っておくと、日本が大変なことになる」などと難癖つけて、先制攻撃も侵略戦争もできるってことになっちゃうんですけど。

 中谷防衛相の答弁内容のあまりのトンデモぶりが信じ難かったのか、なぜか緒方議員は「意思だけでは行使できるはずないのに、首相のたとえ話だとできることになっていて、おかしい」「このたとえ話がわかりづらい、ミスリードだ」などと、たとえ話のほうにツッコミ続けるのだが、これはミスリードなどではない。

 実際、安倍首相自身が3日の安保関連法案に関する衆院特別委員会で、集団的自衛権行使の事例として北朝鮮が公海上の米艦を攻撃した状況を挙げて「日本を攻撃しないと言いながら、意図を隠して攻撃の用意をしていることは当然あり得る」と説明。「日本へのミサイル攻撃が顕在化していなくても、潜水艦に乗せる特殊部隊を持ち、東京で大規模なテロを行うことも考えられる」などと述べ、明白な危険が「ない」ことが確認できないなら、集団的自衛権に基づき自衛隊が反撃することもあり得ると明言した。

「明白な危険が“ある”場合」に限るはずが、いつのまにか「明白な危険が“ない”と確認できない場合」にすり替えられているところも恐ろしいが、安倍政権は、この間、存立危機事態の要件をほとんど具体的に明示していない。「実際に攻撃されてなくても、意思が認定できれば」「意思がなくても、総合的に判断すれば」と、もはやなんの歯止めも効かない。そう、ありもしない大量破壊兵器を口実に始まったイラク戦争のようなものにも参加するし、「日本に危険がないとは言い切れない」などと言い張れば侵略戦争ですら可能にしてしまう法律。それが、この安保法制の本質なのだ。
(編集部)

最終更新:2015.07.10 01:35

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