中国で期限切れ鶏肉、ところでウチの冷蔵庫のあの食材は大丈夫か

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宝島社公式ウェブサイト 宝島チャンネルより『おいしい食べ方 いけない食べ方』(TJMOOK)

「期限切レ食ベテモ死ナナイヨ〜」
 
 こんな台詞を口にする作業員と、青く変色した鶏肉。中国の食品工場が期限切れ鶏肉を供給していた問題が世間を揺るがしている。マクドナルドやファミリーマートがこんなずさんな工場の肉を使っていたというのは衝撃だが、しかし、家庭でも食品が食べられるリミットがわからなくて困ることはよくある。

 たとえば、肉や魚などの生ものは消費期限が明示されていないケースもあるし、冷蔵や冷凍など保存方法によっても変わってくる。加工食品についても賞味期限は開封前の期限であり、開封後はどれくらいまで大丈夫なのか、はよくわからない。いったいこれらの食品はいつまで食べられるのか。

 そんな疑問に答えてくれているのが『おいしい食べ方 いけない食べ方』(宝島社)だ。このムックでは、生鮮食品、加工食品から、飲料、調味料まで、222品目について、食べられる期限と正しい保存方法を解説している。

 まず、今回、問題になった肉。牛・豚は薄切り、厚切りともに「チルド室で3〜4日 冷凍で2〜3週間」が目安らしい。鶏肉はそれよりも少し早くて、「チルド室で1〜2日」しかもたない。しかも、鶏肉は水分が多いため、冷凍すると臭みが出る事もあるという。ひき肉にも要注意だ。加工されている分、日にちも経っているうえ、とても痛みやすいため、冷凍しない場合は、買ったその日に食べるのが原則だという。

 一方、魚は一尾魚や切り身魚、いずれも冷蔵で1~2日までが限界だ。冷凍すれば一尾魚は2週間、切り身魚は2~3週間もつのだが、切り身魚の場合は、もともと加工時に冷凍され、その後、解凍して売られていることが多い。一尾魚も、サンマなどは解凍して売られていることがあるので、それらを再冷凍すると衛生面で危険な状態になることもあるという。

 米も「精米年月日」は明示されているが、賞味・消費期限はわからない。だが、冷暗所・野菜室で精米日からたった2週間~1ヵ月しかもたないのだという。台所に常温で保存する人も多いと思うが、水回りなどは湿気があり、コンロなどの調理器具があるため、温度変化も激しい。温度や湿度が高いと虫も発生しやすくなるので、台所には米の劣化が進む原因が集中しているといえる。さらに、市販の袋のまま保存すると、より劣化は早まる。スーパーなどで売られている米袋には、小さな穴が開いており、湿気が入り込みやすくなっているのだという。

 では、加工食品の開封後のリミットはどれくらいだろう。賞味期限の長い缶詰でも、開けてしまうと劣化は早い。サバ缶、カニ缶は冷蔵で1日しかもたないし、定番のツナ缶や果物の缶詰も冷蔵で1~2日。ホールトマトが2日で、ソース缶やスープ缶が1~3日といったところ。もちろん、それも缶詰から出して違う容器に移し、密閉したうえでのこと。それに、実は開封前でも温度の高い場所に置くなど、保存状態が悪いと缶が膨らんでいたりして、中身が食べられない状態になっていることもある。

 ハムやベーコンも同様だ。保存食品なので長持ちしそうなイメージがあるが、空気に触れるとすぐに品質が悪化していくため、真空パックから取り出したら、ハムなら3日、ベーコンで4日か限度だという。

水やお酒といった飲料は、未開封でも要注意らしい。水の場合、「パッケージされた商品でもごく微量の細菌が入り込んでいる可能性がある」。大量に購入したときは箱のなかに入れたままにしておくか、黒い布をかけて細菌の繁殖を防ぐ必要がある。ただ、普通なら開封後も冷蔵庫で1週間はもつのだが、口をつけて飲んだら瞬く間に菌が増殖し、2時間で飲用に危険な状態になってしまうそう。一人暮らしの人や、面倒だからとついついそのまま飲んでしまっていた人も、きちんとコップに注いで飲むようにしよう。

 お酒類は日光や蛍光灯といった光に弱いものが多く、とくにビールは動物の毛が蒸れたような「日光臭」が発生、日本酒も「びん香」と呼ばれる嫌な臭いが出る。ビールは開封後できるだけ早く、日本酒も冷蔵で1週間以内には飲みきるべきだという。100%果汁のジュースは冷蔵でも味が落ちるので、開けたら2、3日で飲みきった方がいい。

 こうやって見てみると、まだ大丈夫と思って使っていた食材が案外、危険な状態になっていることがよくわかるだろう。「見た目が変わってなければ大丈夫」「変なにおいがしなければ問題ない」「ちょっと舐めてみて、大丈夫そうなら食べる」といったように、自分の五感で判断している人が多いと思うが、実際は五感でもわからないうちに、食品はどんどん劣化しているのだ。

 もちろん、同書があげているのは、安全でおいしく食べられるリミットであり、やや厳しめに設定されている印象がある。神経質になりすぎてまだ食べられる食材を捨ててしまうのも考えものだ。

 だが、こうした食材ごとの詳細な消費期限や保存方法を知っていれば、食材を無駄なくそろえ、使い切ることができるようにもなる。「期限切レ食ベテモ死ナナイヨ〜」とつぶやきながら腐った食べ物を口にするなんてことのないよう、基本的な知識は把握しておきたいものだ。
(島原らん)

最終更新:2014.07.25 10:52

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