AKBが“握手会”批判封じ込めに成功! 完璧すぎる情報統制の手口

  • このエントリーをはてなブックマークに追加
  • 印刷
AKB_140708.jpg

映画『DOCUMENTARY of AKB48 The time has come 少女たちは、今、その背中に何を想う?』公式HPより

 7月5日、AKB48の握手会が再開された。5月25日の襲撃事件以来、実に41日ぶりの再開だ。

 メンバーが暴行を受けて重傷を負うというショッキングな事件をめぐっては、当初、アイドルとファンの接触をビジネスにする商法の問題点も指摘され、一時は握手会の存続さえ危ぶまれていた。それが、わずか1カ月半後、なんの批判も受けずに再開されたのである。当然のように、各地での全国握手会再開も決定された。

「実はこのタイミングで握手会を再開する事はかなり前から決まっていました。ただ、早めに発表してしまうと、また批判が起きかねない。それで、ギリギリまで伏せて、直前に再開を発表したんです」(週刊誌記者)

 しかも、その発表の方法が相当に戦略的だった。まず6月29日、これまで事件について沈黙を守ってきた秋元康が読売新聞の連載で、「傷ついた彼女たちは立ち上がり、前に進んだ」とコメントする。翌6月30日には事件で負傷した入山杏奈が秋葉原の専用劇場のステージに立ち、事件以来、はじめてファンの前に姿を見せて挨拶。さらに同じ日、公開間近のAKB48のドキュメンタリー映画『DOCUMENTARY of AKB48 The time has come 少女たちは、今、その背中に何を想う?』で襲撃事件を取り扱っているという情報を流す。そして、しめくくりとして、同日夜、キングレコードが握手会の再開を発表したのだ。

 こうした情報戦が功を奏したのか、4日後の7月4 日に公開された問題の映画はヒット、翌5日、東京ビッグサイトで数万人のファンを集めて大握手会が開催された。AKBグループとしては、最大の集金装置であるイベントの復活だけでなく、事件をさらなるビジネスに結びつけるという、まさに思惑通りの展開になった。

 このやり口に対して、「事件からまだ2カ月半しか経っていないのに」「何でも金に換えるんだな」といった批判がとびかっているが、新聞、テレビ、週刊誌などのマスコミはほとんど異議を唱える事はなかった。それどころか、スポーツ紙や一部の週刊誌はこの情報操作の共犯といってもいい役回りを演じていた。

「スポーツ紙はほとんどの番記者が再開のタイミングを知っていました。知っていながらそこは一切報道せずに、運営側が小出しにしてくる情報に丸乗りして、“事件を乗り越えようとするAKB”というイメージをPRし続けたんです」(スポーツ紙記者)

 周知のように、AKBはメンバーのグラビア出演をはじめ、カレンダー、パンフレット、公式本などの“利権”を各社に分配することで、メディアを手なづけてきた。2〜3年前から、AKBのスキャンダルを書けるのは「週刊文春」(文藝春秋)だけ、という状態がずっと続いている。その関係が今回、存分にいかされたようなのだ。
 
 実際、襲撃事件直後から、マスコミは運営の意を受けて、事件がAKBビジネスに影響を与えないように報道を誘導してきた。前出のスポーツ紙記者が自嘲気味にこう話す。

「運営側は当初、事件そのものを“なかったこと”にしようとした節さえありました。一部のスポーツ紙では文化芸能部がそれをのみそうになって、社会部と大もめにもめたと聞いています。ただ、事件については、Twitterで情報が出回り、共同通信も配信したので、さすがに報道しないわけにはいかない。そこで、運営側がいってきたのは、目前に控えた総選挙と絡めるな、異常者がおこした例外的な犯罪であることを強調してくれ、というお達しでした。もちろん、各社とも全面協力でしたよ」

 さらに、握手会が中止に追い込まれる事を危惧した運営は、担当記者たちに「事件と握手会とは関係がない」というロジックをレクチャーし、擁護記事を書かせていたという。

「握手をしてレコードを売るというのは、昔から演歌歌手などもやっている、芸能界全体でやっていることだと強調してくれ、という要請でした。つまり、AKBは特別なことをやっているわけじゃない、と。実際、一部のスポーツ紙や週刊誌ではこのレクチャーどおりの論調で記事を書いていて、思わず笑ってしましましたね」(前出・スポーツ紙記者)

 ようするに、こうしたマスコミの情報誘導によって、AKB商法追求の動きは完全に封じ込められ、なんの批判もされないまま、握手会復活が実現してしまったのだ。

 それにしても、いくら利権を分配されているとはいえ、ここまでメディアがAKBの言いなりになってしまう理由はなんなのだろう。

「AKBのマスコミ対策は、テレビをケイダッシュのS氏が、週刊誌やスポーツ紙を秋元康さんの弟さんがやっているんですが、この弟さんがすごくうまいんですよ。たんに利権をばらまくだけでなく、メディアとまめにつきあって、うるさ方の雑誌編集部のキーマンをことごとく取り込んでしまっている。しかも、講談社や小学館だけでなく、『BUBKA』のようなマイナーなメディアまで差別せずにそれなりの利益を分け与えてコントロールしていますからね」(前出・週刊誌記者)

 秋元弟氏がそこまですごい手腕をおもちなら、いっそメディア対策のノウハウを指南するビジネス本でも書いたらどうだろう。企業の広報担当者がこぞって買いに走って、ベストセラーになることうけあいだと思うのだが……。
(田部祥太)

最終更新:2014.07.08 08:09

「いいね!」「フォロー」をクリックすると、SNSのタイムラインで最新記事が確認できます。

この記事に関する本・雑誌

DOCUMENTARY OF AKB48 NO FLOWER WITHOUT RAIN 少女たちは涙の後に何を見る? スペシャル・エディション

新着 芸能・エンタメ スキャンダル ビジネス 社会 カルチャー くらし

AKBが“握手会”批判封じ込めに成功! 完璧すぎる情報統制の手口のページです。LITERA政治マスコミジャーナリズムオピニオン社会問題芸能(エンタメ)スキャンダルカルチャーなど社会で話題のニュースを本や雑誌から掘り起こすサイトです。AKB48秋元康の記事ならリテラへ。

人気記事ランキング

総合
いいね! 数
1 安倍の吉本新喜劇出演をウーマン村本と星田英利が批判!
2 池袋暴走事故の容疑者逮捕なしに批判、元検察幹部も
3 橋下徹に恫喝された女子高生が告白!
4 萩生田発言が大阪12区補選に影響!安倍首相が窮地に
5 週刊誌の秋篠宮バッシングは官邸が発信源か?
6 ブラックホール会見でNHK記者“日本スゴイ”質問に世界が失笑
7 美智子皇后が誕生日談話で安倍にカウンター
8 つんく♂が秋元のメンバー差別に
9 上野千鶴子「東大祝辞」へのワイドショーコメントが酷い!
10 秋元康の東京五輪に椎名林檎が危機感
11 ウーマン村本がよしもと社長からの圧力を激白!
12 マツコ「安倍首相は馬鹿」にネトウヨが
13 自衛隊スパイ事件、官邸が解禁の理由
14 岩城滉一騒動で「在日」差別激化
15 橋下徹が岩上安身リツイート裁判で矛盾を追及され逆ギレ!
16 松尾貴史「日本を壊しているのは安倍さん」
17 東電が福島原発の廃炉作業を外国人労働者に押しつけ
18 ゴーン逮捕“国策捜査説”を裏付ける経産省メール
19 萩生田光一の問題は消費税延期論でなく「ワイルド改憲」発言
20 収賄疑惑の甘利大臣がバンダイとも
1 国民健康保険料が大幅値上げ、年間10万円増額も
2 安倍首相と省庁幹部の面談記録ゼロ!安倍政権“公文書破壊”の実態
3 石野卓球がワイドショーに勝利した理由
4 忖度道路めぐり安倍の直接指示の新事実が
5 安倍首相が「桜を見る会」に『虎ノ門ニュース』一行を堂々招待
6 安倍が“忖度道路”の要望書を提出、山陰自動車道でも利益誘導
7 上野千鶴子「東大祝辞」へのワイドショーコメントが酷い!
8 塚田「忖度」発言は事実! 麻生利益誘導の疑惑
9 イチローに国民栄誉賞を断られ安倍政権が赤っ恥
10 野党議員をデマ攻撃「政治知新」の兄・自民党県議を直撃!
11 NHKで国谷裕子を降板に追い込んだ人物が専務理事に復帰
12 維新勝利で橋下徹が「反対した年配の人が死んじゃった」
13 中村文則が安倍政権批判に踏み込む理由
14 『あさイチ』の「中高生に韓国が人気」企画炎上の異常
15 安倍首相「桜を見る会」招待状が8万円で売買との報道!
16 菅官房長官「令和おじさん」人気の正体!
17 ゴーン逮捕“国策捜査説”を裏付ける経産省メール
18 「あつまれ!げんしりょくむら」以外も…原子力ムラの醜悪SNS戦略
19 衆院補選で安倍自民党が大惨敗の予想が!
20 ピエール瀧出演の『麻雀放浪記2020』に“安倍政権への皮肉”

人気連載

アベを倒したい!

アベを倒したい!

室井佑月

ブラ弁は見た!

ブラ弁は見た!

ブラック企業被害対策弁護団

ニッポン抑圧と腐敗の現場

ニッポン抑圧と腐敗の現場

横田 一

メディア定点観測

メディア定点観測

編集部

ネット右翼の15年

ネット右翼の15年

野間易通

左巻き書店の「いまこそ左翼入門」

左巻き書店の「いまこそ左翼入門」

赤井 歪

政治からテレビを守れ!

政治からテレビを守れ!

水島宏明

「売れてる本」の取扱説明書

「売れてる本」の取扱説明書

武田砂鉄