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高橋洋一はこの状況でも「さざ波」発言を正当化!「予測はほぼ当たってる」「さざ波よりちっちゃい」とフェイク連発
YouTube「竹中平蔵の平ちゃんねる」に出演する高橋氏
日に日に拡大する新型コロナ感染。全国の新規感染者は13日と14日に2日連続で2万人を突破し、14日時点の重症者数は1563人と過去最大。医療崩壊も深刻で、東京では、15日時点で自宅療養が2万1256人、入院・療養等調整中が1万3995人となり、多くの感染者が入院できず、コロナ以外でも救急搬送困難事案が多発している。
しかし、こうした状況になって改めて浮き彫りになったのが、「コロナなんてたいしたことがない」と五輪強行や有観客開催などを主張してきた連中の無責任さだ。
とくに、〈日本はこの程度の「さざ波」。これで五輪中止とかいうと笑笑〉とツイートし、辞任に追い込まれた元内閣官房参与・高橋洋一の無責任・出鱈目ぶりについては改めて、指摘しておく必要がある。
それはいまの状況によって「さざ波」発言の嘘がはっきりしたというだけではない。「さざ波」発言は5月末だったが、高橋氏はなんとその後、7月になっても8月になっても、自分の主張や予測が正しかったなどと言い張っているのだ。
まず、高橋氏は7月26日の「現代ビジネス」に、「東京五輪、やはり開催してよかった…『中止』を訴えてきた野党とマスコミの『今後』」なるコラムを寄稿。5月の時点で自分が同じ「現代ビジネス」で「もし新たな波が来ても、全国で3000~4500人程度だろう」と予測していたことを持ち出し、〈筆者の予測はほぼ当たっている〉〈筆者の新型コロナの予測は、今回も含めてこれまでもほとんど当たっている〉とうそぶいた。
しかし、これ、フェイクもいいところだ。たしかに、高橋氏が例にあげた7月24日にかぎっていえば、全国の感染者数は3576人でかろうじて予測値の範囲で収まっている。しかし、24日は4連休の3日目で普段より感染者数は少ないのが当たり前。実際、3日前の21日の感染者は4933人、22日は5386人と、高橋氏の予測値を完全に超えているのだ。「さざ波」ツイートのときのグラフも恣意的だったが、数字の切り取り方はほとんど詐欺的といっていいだろう。
いや、問題は数字の恣意的な切り取りだけではない。実は、高橋氏が「当たった」と書いた5月末のコラムのタイトルは「コロナ感染は「あと1ヵ月」でピークアウトする…「波」はワクチン接種で防げる」というものだった。
しかし、波は「ワクチンで防げる」わけもなく、高橋氏が「当たった」と書いた3日後、7月29日には新規感染者が1万人を突破しているのだ。これでよくもまあ、「当たった」などと言えるものだ。
事実を捻じ曲げて感染危機をなかったことにするような人物が内閣参与だったという恐怖
しかも、高橋氏は7月26日のこのコラムでさらに唖然とするような分析と予測を開陳している。すでにこの時点で新規感染者は5000人を超えていたのに、なんと、〈この程度の新型コロナ状況では、医療崩壊は考えにくい〉などと書いているのだ。
周知のように、感染はその後さらに拡大し、東京の医療が逼迫することはほとんどの専門家が予測していたし、実際、いまの状況は冒頭で書いたように、誰が見ても医療崩壊と言っていい状態になっている。それを〈この程度〉〈医療崩壊は考えにくい〉とは……。
しかし驚いたことに、高橋氏は、8月に入って感染者数が1万5000人を超えても一切反省せずに、強弁を続けた。
8月7日に公開された、高橋氏の師匠である竹中平蔵・パソナグループ会長との対談動画でのこと。この対談では竹中氏の発言もひどく、「重症者はちょっと増えて500人台でしょ。ピーク時の3分の1。史上最大の感染だって言ってるけど……」などとでたらめを口にしていたのだが(この動画が公開された8月7日時点で重症者は1000人を超えていた)、これに高橋氏も我が意を得たりと、こう発言したのだ。
「全然たいしたことない。私、さざ波って言って怒られたでしょ。まさしく正しいんだけどね。世界から見れば。さざ波よりさらにちっちゃくなっちゃって」
この時点で感染者は1万5000人を超えていたというのに「さざ波よりさらにちっちゃく」って、もはや認知が歪んでいるとしか思えない。
ようするに、高橋氏はとにかく「コロナはたいしたことない」「人流抑制なんて必要ない」、そして「自分の予測は間違っていない」と言い張ることだけが目的で、そのために都合の悪い現実をすべて無視して、事実を捻じ曲げているのだ。
まったく呆れるほかはないが、しかし、問題はこの人物がただのネトウヨ経済評論家などではなく、つい最近まで、菅政権の内閣官房参与をつとめていたということだ。
こんな恣意的で歪曲した情報を菅首相にあげ、政策に影響を与えていたのかと思うと、空恐ろしくなるではないか。
内閣官房参与といえば、先日、政府のオリンピック・パラリンピック推進本部の事務局長でもある平田竹男・内閣官房参与が、RIZAPの経営するゴルフスクールへのレッスン料を支払わず、公用車で通っていたことが発覚したが、内閣官房参与というのはろくでもない連中が集まっているとしか思えない。
いや、内閣官房参与だけではない。コロナ対策に限っても、菅首相の周りは、高橋洋一と同じような「コロナなんてたしたことがない」「コロナ対策より経済回せ」派ばかりが目立つ。首相の有力ブレーンとして知られる前出の竹中平蔵・パソナ会長もそうだし、竹中氏と同じく「成長戦略会議」の委員に抜擢された三浦瑠麗氏も緊急事態宣言を批判し、五輪の有観客を主張してきた。
そして、これだけ感染が拡大して医療が崩壊しても、彼らはなんの責任も取ろうともせず、まだ「コロナはたいしたことがない」「五輪は開催してよかった」などと強弁し続けている。
こういう無責任な新自由主義者が首相にくっついているのだから、菅政権がコロナ対策に後手後手を踏み、あげくは「入院制限」や「5類引き下げ」などの棄民政策を検討し始めているのも当然と言えるだろう。
(編集部)
最終更新:2021.08.16 10:46
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