菅首相の“7月中にワクチン高齢者接種完了”発言の裏で総務省が自治体をパワハラ恫喝して回答を水増し「7月末に完了すると言え」

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14%の自治体が「7月中完了困難」の状況に、菅首相は笑いながら「私もショックだった」と他人事発言

「7月末までに完了しろ」と言うのなら、まずは自治体ごとに具体的な配布できるワクチンの量やスケジュールを示すべきだが、そうしたこともすっ飛ばして、ただ頭ごなしに「やれ」としか言わない……。だが、この「総務大臣メール」について、武田総務相は度肝を抜く抗弁までしている。

 それは13日におこなわれた衆院総務委員会でのこと。立憲民主党の髙木錬太郎衆院議員がこの「総務大臣メール」を取り上げ、“ワクチン供給のスケジュールも示さずに半ば強制・命令している”としてメールの撤回を要求したのだが、すると、武田総務相は声を荒げてこんなことを言い出したのだ。

「我々は丁寧語、しっかりとした日本語も気ぃつかいながら文章をやっているんです。あたかも、まるでですね、命令した・強制したというようにとられるような言い方はやめていただきたい」

「丁寧語で書いているから命令・強制ではない」って、こんな言い分がまかり通るならば「丁寧な言葉遣いならパワハラもOK」ということになるではないか。武田総務相といえば、東北新社の外資規制違反をめぐる国会審議中、答弁席に立とうとする総務省幹部に「『記憶がない』と言え」と“公開恫喝”をかけたことが問題になったが、菅首相を頂点にしたこうしたパワハラの連鎖が、ワクチンをめぐっても地方自治体に向けて、いま起こっているのである。

 こんな話もある。菅首相は13日に応じたぶら下がり取材のなかで、自治体の14%が7月中は困難としていることについて質問されると、「私もじつは昨日報告を受けて、ショックだった」と気味が悪いほどの笑みを浮かべながら回答し、「7月いっぱいで終えられるようにぜひ協力してほしいと申し上げている」と述べた。この発言に対しては、ネット上でも「ショックなのはこっち」「無理難題をふっかけられた自治体のほうがショックなのでは」というツッコミから、「なんでこんなに笑ってるの?」「笑っている意味がわからない」という疑問の声もあがっていたが、前述した共同通信の配信記事では、自治体関係者はこの菅首相の発言について〈「あえて失望感を示すことで、威圧している」と感じた〉と答えている。

 繰り返すが、不気味な笑顔で自治体を威圧したり、パワハラ恫喝によって水増しされた数字で安心感を振りまいたところで、根本的な問題を改善しなければうまくいくはずがない。そして、うまくいかないことの帳尻合わせや責任は、すべて自治体に押し付けるつもりなのだろう。だからこそ、忘れてはいけない。すべての責任は、無計画で無責任な日程や数字をぶち上げた菅首相にあるのである。

最終更新:2021.05.17 08:46

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