名古屋市長選で河村たかし優勢も…リコール不正渦中の田中事務局長が公表した河村市長との焼肉会食の領収証、不正署名めぐる発言

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田中事務局長が河村氏から「市議会リコールでも多数の不正署名」を聞かされていたと証言

 つまり、医療提供体制や検査体制の強化をすべきときに河村氏はリコール運動に精力を傾け、市民の健康と安全を最優先に県と連携をはかるべきときにもそれをやろうとしなかったのである。

 しかも、信じられないことに、このリコールの主張を河村氏は「公務」と呼んでいた。実際、河村氏と氏の支持団体「ネットワーク河村市長」の連名で出していたリコール署名「受任者のお願い」の文面には、はっきりと〈名古屋市の公務として主張しているのです〉と書かれているのだ。

 緊急かつ最大の「公務」であるコロナ対応を放り出し、同じ県の知事をリコールする運動に熱をあげる──。これだけでも絶句するほかないが、さらなる問題の核心はもちろん、リコール不正署名への河村氏の関与についてだ。

 すでに報じられているとおり、リコール活動団体の事務局幹部だった山田豪・元常滑市議が「偽造署名に深く関与した」ことを認め、事務局長である田中孝博氏から「ミスター、こうやってやるんだ」と手本を見せられ、同一筆跡とみられる大量の署名簿に自ら指印を押したことを証言。一方、田中事務局長は今月21日に開いた会見で山田氏への指示を否定したが、同時にこの場で重大な証言をおこなった。

 田中事務局長によると、昨年10月25日ごろに河村氏から「約10年前の市議会リコールでも多数の不正、無効署名があった」と聞かされたと言い、それを受けて今回も「白紙以外のすべての署名を提出した」というのだ。

 2010年におこなわれた市議会リコールでも「多数の不正署名があった」……!?  河村氏は昨年6月にCBCテレビの取材に対して「経験がありますから、10年前に」「けっこうノウハウがいるんですよ」などと語っていたが、田中事務局長の証言が事実ならば衝撃と言わざるを得ないだろう(ちなみに、河村氏はこの田中事務局長の発言に対し「選挙妨害の恐れがあり、悪質な名誉毀損」と指摘し、〈「12年前の市議会リコール」において、結果として「無効署名」がまぎれ込んでいたことを話したことはあるが、「不正署名」があったという言葉使いはしていない〉というコメントを公表している)。

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