東京五輪開会式で「渡辺直美を豚に」 女性差別丸出しの佐々木宏を演出総指揮に引き立てたのは森喜朗、安倍の意向も

  • このエントリーをはてなブックマークに追加
  • 印刷

渡辺直美がルッキズムへのアンチテーゼとして評価されていることをわかっていない佐々木宏

 しかもあ然とするのは、なぜ渡辺直美がいま世界で評価されているのか、その意味すら佐々木氏がまったく理解していないことだ。近年、人の容姿を嘲るボディシェイミングやルッキズムを問題視する声が高まっており、渡辺はまさに、そうしたルッキズムへのアンチテーゼ、“画一的な美の基準にとらわれず、ありのままの自分、ありのままの体を愛そう”という「ボディポジティブ」ムーブメントの世界的アイコンとして活躍しているのだ。その渡辺を、太った人を嘲笑したり侮蔑する際に用いられてきた「ブタ」に変身させようというのは、時代錯誤というか真逆の「差別」演出にほかならない。

 佐々木氏といえば、テレビのバラエティ好きとして有名で、インタビューなどでも「テレビがお手本」と公言しているが、この企画は、まさに日本のお笑いバラエティに横行する女性差別とルッキズムをそのまま国際的なイベントに持ち込もうとしたということなのか。

 いや、最近は、日本のテレビのバラエティでさえ、容姿イジりや自虐ネタについて、バービーなど女性芸人の間から批判の声が上がりはじめ、「差別的な笑いは時代遅れだからやめよう」という機運も少しずつではあるが出てきている。

 それを、佐々木氏は、よりにもよって国際舞台である五輪の開会式で披露しようと考えたというのだから、どれだけ時代遅れなのかという話だろう。

 さすがに、この佐々木氏のプランに対しては、演出チームのメンバーから〈理解できません〉〈眩暈がするほどヤバい〉という反対の意見があがり、撤回されたというが、あまりにも当然すぎるだろう。

 それにしても問題なのは、このような「差別演出」案を打ち出していたような人物を、東京五輪組織委員会が昨年12月に開会式の「総合統括」に引き上げたことだ。

 そもそも、2018年7月に公表された東京五輪開会式の演出チームは、野村萬斎が総合統括となり、佐々木氏はパラリンピックの式典を担当すると発表されていた。ところが、東京五輪組織委員会は新型コロナの影響を考慮し、昨年12月に開閉会式を簡素化するためとして、野村萬斎や椎名林檎らによる総合演出チームの解散を発表、佐々木氏を新たな責任者とした。

 だが、実際は昨年3月の段階ですでに佐々木氏は五輪の開閉会式の演出チームに入っており、そこで問題の渡辺を起用した「オリンピッグ」案をグループLINEに投稿。この案は却下されたが、佐々木氏はむしろその後も発言力を強め、結果、演出チームを事実上引っ張っていたコレオグラファーのMIKIKO氏が排除されてしまったという情報もある。

「いいね!」「フォロー」をクリックすると、SNSのタイムラインで最新記事が確認できます。

新着芸能・エンタメスキャンダルビジネス社会カルチャーくらし

東京五輪開会式で「渡辺直美を豚に」 女性差別丸出しの佐々木宏を演出総指揮に引き立てたのは森喜朗、安倍の意向ものページです。LITERA政治マスコミジャーナリズムオピニオン社会問題芸能(エンタメ)スキャンダルカルチャーなど社会で話題のニュースを本や雑誌から掘り起こすサイトです。佐々木宏女性差別安倍晋三東京五輪組織委員会森喜朗渡辺直美田岡 尼野村萬斎の記事ならリテラへ。

マガジン9

人気連載

アベを倒したい!

アベを倒したい!

室井佑月

ブラ弁は見た!

ブラ弁は見た!

ブラック企業被害対策弁護団

ニッポン抑圧と腐敗の現場

ニッポン抑圧と腐敗の現場

横田 一

メディア定点観測

メディア定点観測

編集部

ネット右翼の15年

ネット右翼の15年

野間易通

左巻き書店の「いまこそ左翼入門」

左巻き書店の「いまこそ左翼入門」

赤井 歪

政治からテレビを守れ!

政治からテレビを守れ!

水島宏明

「売れてる本」の取扱説明書

「売れてる本」の取扱説明書

武田砂鉄