年金データのマイナンバーはやはり中国に流出か…厚労省部会の報告書が氏名以外の情報流出の可能性を指摘 調査が不十分の批判も

  • このエントリーをはてなブックマークに追加
  • 印刷
年金データのマイナンバーはやはり中国に流出か…厚労省部会の報告書が氏名以外の情報流出の可能性を指摘 調査が不十分の批判もの画像1
18日の加藤官房長官会見(首相官邸HPより)


 COCOAやHER-SYSなど、新型コロナの感染対策システムのポンコツぶりが次々明らかになり、菅義偉首相が旗を振っている「デジタル化」の化けの皮がどんどんはがれているが、ここにきてさらにとんでもない疑惑が持ち上がった。

 17日の衆院予算委員会で、日本年金機構の法令違反通報窓口に「中国のネットで年金受給者の個人情報が出回り、マイナンバーも流出している」という通報メールが送られていたことを、立憲民主党の長妻昭議員が明らかにしたのである。

このメールが届いたのは、2017年12月31日。その直後、日本年金機構がデータ入力作業を委託していた情報処理会社「SAY企画」が中国の関連会社に年金受給者約500万件の入力作業を再委託していたことが発覚。この一件は、禁止されていた再委託をおこなっていたというだけでなく、中国に個人情報が流出したのではないかとして大きな問題になり、政府は予定していた年金情報とマイナンバーの連携を延期せざるをえなくなった。通報メールはこの中国再委託問題発覚の端緒となったものだったのだ。

ところが、日本年金機構も管轄する厚労省も当時、このメールの具体的な中身を一切公表せず、ひた隠しにしていた。そして、特別監査を実施し、外部事業者の日本IBMに調査を依頼した結果、中国の業者に渡したのは名前とふりがなだけでマイナンバー情報は渡しておらず、この業者からの個人情報の流出はなかったとした。

 しかし、今回、長妻議員が問題の通報メールを厚労省から入手したところ、2018年分の「公的年金等の受給者の扶養親族等申告書」にあった個人情報が中国のネット上に大量に流出、そこには、年金受給者名、生年月日、配偶者の年収とともに、マイナンバーまでが含まれていると書かれていた。また、それとともに、ひとりの人物のマイナンバーや住所、年収などの情報も添付されていた。

 16日、長妻議員が日本年金機構の水島藤一郎理事長に確認したところ、このマイナンバーや年収は実在する者の正しい情報だと認めたという。

 個人情報が流出しているのではないかと問題になっていた最中にこんな重要な告発を隠蔽していたというのは、まさに国民への背信行為以外の何物でもないが、呆れ果てるのは、事実が発覚したいまも政府や日本年金機構の隠蔽姿勢が変わっていないことだ。

 というのも、17日の衆院予算委員会に日本年金機構の水島理事長が出席し、長妻議員があらためて通報メールにあった、流出したとされるマイナンバーと名前などが実在する正しいものかどうか問うたところ、水島理事長は一転して「マイナンバーが正しいものであるかは、確認することを控えさせていただきたい」とごまかそうとしたのだ。

 これについては、長妻議員が「昨日、お聞きした話と違う」と追及し、結局、水島理事長は「正しい情報」であることを認めたが、流出については、「外部の専門事業者による調査を実施したが、マイナンバーなどの個人情報の流出はしていない」「通報メールの情報が流出されたものかどうかは確認されていない」と、かたくなに流出の可能性を否定。「じゃあ、このメールにあったこの情報はどこから入手したのか」と問われても、「それはわかりません」としか答えなかった。

「いいね!」「フォロー」をクリックすると、SNSのタイムラインで最新記事が確認できます。

新着芸能・エンタメスキャンダルビジネス社会カルチャーくらし

年金データのマイナンバーはやはり中国に流出か…厚労省部会の報告書が氏名以外の情報流出の可能性を指摘 調査が不十分の批判ものページです。LITERA政治マスコミジャーナリズムオピニオン社会問題芸能(エンタメ)スキャンダルカルチャーなど社会で話題のニュースを本や雑誌から掘り起こすサイトです。デジタル庁マイナンバー加藤勝信厚生労働省年金日本年金機構田村憲久野尻民夫長妻昭の記事ならリテラへ。

人気記事ランキング

総合
ツイート数
1 葵つかさが「松潤とは終わった」と
2 れいわから出馬 水道橋博士が主張する「反スラップ訴訟法」の重要性!
3 高市早苗が統一教会問題でも“嘘”、領収書偽造、勝手に収支報告書修正も
4 あのチェーン店の料理がヤバい
5 放送法解釈変更は氷山の一角!安倍官邸は同時期、あの手この手で言論弾圧
6 三浦瑠麗問題に「週刊文春」「週刊新潮」は完全沈黙する理由!
7 古舘伊知郎が激白“テレビは噓ばかり”
8 安倍内閣「日本会議」の目的は徴兵制
9 田母神を担いだ百田、中西の責任
10 安倍政権の「放送法解釈変更」内部文書のリアルすぎる中身!
11 自民党がネトサポに他党叩きを指南
12 グッディ高橋克実が北朝鮮危機で本音
13 高市早苗と赤旗が「政治資金規正法違反」報道でバトル!
14 辻仁成が告白「彼女に新しい人が…」
15 吉高が“私の裸を見て”と迫った男
16 岸田には安倍が乗り移っている! 政策だけでなく答弁も
17 米イラン緊張のなかダルビッシュが排外主義と戦争反対を表明!
18 貧乏人の努力で教育格差の克服は無理
19 『報ステ』古舘が安倍に最後の反撃!
20 ジャニー喜多川社長の性的虐待問題を一切報じないマスコミ
1放送法解釈変更は氷山の一角!安倍官邸は同時期、あの手この手で言論弾圧
2安倍政権の「放送法解釈変更」内部文書のリアルすぎる中身!
3高市早苗が統一教会問題でも“嘘”、領収書偽造、勝手に収支報告書修正も
マガジン9

人気連載

アベを倒したい!

アベを倒したい!

室井佑月

ブラ弁は見た!

ブラ弁は見た!

ブラック企業被害対策弁護団

ニッポン抑圧と腐敗の現場

ニッポン抑圧と腐敗の現場

横田 一

メディア定点観測

メディア定点観測

編集部

ネット右翼の15年

ネット右翼の15年

野間易通

左巻き書店の「いまこそ左翼入門」

左巻き書店の「いまこそ左翼入門」

赤井 歪

政治からテレビを守れ!

政治からテレビを守れ!

水島宏明

「売れてる本」の取扱説明書

「売れてる本」の取扱説明書

武田砂鉄