Go Toのせいで軽症者用ホテルの確保が困難になり自治体が悲鳴! それでも菅官房長官は「確保は自治体の責任」

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他人事、の菅官房長官(首相官邸HPより)


 昨日28日の全国の新型コロナ新規感染者数が毎日新聞の集計で995人、朝日新聞の集計でも982人となり、過去最多をさらに更新した。そんななか、4連休中に大阪府を旅行した大分県の夫婦の感染が確認され、大分県では98日ぶりの新規感染者となった。政府が「Go Toして」と旅行を推奨していることを考えれば、こうしたケースが出てくることはある意味、当然だろう。

 地方ほど医療提供体制が脆弱であるにもかかわらず、全国の都市部で市中感染が拡大するなかで「Go Toトラベル」を決行させることの異常さは言うまでもないが、さらに「Go To」が弊害を生んでいることがわかった。

 それは27日におこなわれた西村康稔・コロナ担当相と全国知事会メンバーとの意見交換会でのこと。ここに参加していた神奈川県の黒岩祐治知事が、軽症者や無症状者のためのホテル確保について、西村コロナ担当相にこう意見したのだ。

「以前は客がいなかったので確保できたが、『Go Toトラベル』で客が動き始めているため、確保が非常に困難になっているという話をほかの地域から聞いている」

 つまり、地方自治体ではコロナ患者の療養用ホテルの確保が、「Go Toトラベル」のせいで困難になっている、というのである。

 黒岩知事は「神奈川県は2500室以上確保しているのでいまのところ問題ないのですが」などと前置きしていたが、そもそも黒岩知事は菅義偉官房長官との関係の深さから「Go To」の実施を率先して賛成してきた人物。他の自治体の首を絞めているという意味では黒岩知事にも加担した責任があるが、ともかく、全国知事会では悲鳴があがっているというのだ。

 実際、「Go To」から除外された東京都以外でも、ホテルなどの療養施設不足が起こっている。たとえば、名古屋市を中心に感染者が急増している愛知県では、1300室で「受け入れ可能」と国に報告していたものの準備が追いつかず、22日時点では宿泊療養者の数はゼロで自宅療養が77人(毎日新聞ウェブ版27日付)。こうしたケースは全国に広がっていると思われ、実際、宿泊療養者の数は22日時点では全国で697人である一方、自宅療養者は813人とそれを上回り、入院か療養かの方針が決まってない確認中の人数も432人にのぼっている。

 新規感染者数が急増している現状を踏まえれば、東京都と同じように深刻なホテル不足に陥り、自宅療養による家庭内感染が広がる可能性がある。だが、そんななかで「Go To」がホテル確保の弊害となっているとは……。

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