NHKの安倍政権忖度が再びヒドい状況に! 持続化給付金の電通疑惑をスルーし続け『日曜討論』で野党排除、黒川検事長の問題でも…

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検察庁法改正と黒川検事長賭け麻雀問題でNHKが見せた安倍政権への露骨なアシスト

 そしてこの間、検察庁法改正案と黒川氏の定年延長問題についてのNHKの放送姿勢は、あまりにも酷いものだった。

 たとえば、検察庁法改正案が衆院内閣委員会で審議入りした5月8日、『NW9』は審議入りしたことさえもスルー。『ニュース7』は法改正に反対する有志の弁護士でつくる団体がオンラインで記者会見を開いたこと、1500人もの弁護士が団体の活動に賛同していることを伝えたのだが、なぜかテロップは「“弁護士1500人が賛同”」という混乱を招くような表現になっていた。

 だが、8日に審議入りしたことを受けて、有名人を含む多くの市民による「#検察庁法改正案に抗議します」というハッシュタグをつけた“Twitterデモ”が勃発。さすがにこれを無視することはできなかったのか、10、11日には『ニュース7』や『NW9』でも紹介。しかし12日の『ニュース7』では「“疑惑隠しで改正 指摘あたらず”」というテロップまで出して安倍首相の主張をメインに報道。『NW9』にいたっては問題を取り上げることさえしなかった。

 また、翌13日は『ニュース7』も『NW9』も衆議院内閣委員会の審議を取り上げたが、野党が森雅子法相の出席を求めて質疑の途中で退席したことを伝える一方で、内閣委員会の委員で自民党所属の泉田裕彦衆院議員がTwitterに〈強行採決は自殺行為〉〈与党の理事に強行採決なら退席する旨伝えました〉と投稿したことで自民党が泉田議員を内閣委員から外すという暴挙に出たことは伝えられることはなかった。

 さらに、15日には検察庁法改正に反対する松尾邦弘・元検事総長ら検察OBが意見書を法務省に提出したが、〈ルイ14世の言葉として伝えられる「朕は国家である」との中世の亡霊のような言葉を彷彿とさせる〉などと安倍首相を痛烈に批判したことは報じられず、「改正案 きょうの採決見送り」「検察庁法改正案 与野党が対立」などと政局の話に矮小化させてしまったのだ。

 無論、黒川氏の“賭けマージャン”問題での訓告という甘い処分が下された問題についても、安倍官邸が法務・検察の懲戒処分という提案を蹴ったという疑惑や、政権の責任を掘り下げるような報道は一切皆無。SNS上でこれまでにないほどに検察庁法改正案をめぐる安倍政権の対応に注目が注がれようと、NHKは“忖度”報道を繰り返したのである。

 そして、同時にこの期間、『日曜討論』という野党が与党に対して追及をおこなう場から排除されているという事実──。ようするに、NHKはあらかじめ検察庁法改正案や黒川問題を追及する声が出ることを、野党議員を出演させないことで封じ込めたのではないか。

 そもそもNHKは、新型コロナにかんする総理会見でも第1回目から、記者が挙手していても会見を打ち切って質問に答えるよう求める声が記者からあがる前に生放送を打ち切り、岩田明子記者の解説を垂れ流すという安倍首相のアシストをつづけている。その上、新型コロナ対応への不満が高まるなかで、野党が政府に対立意見をぶつけ検証する場さえなくしてしまうとは……。NHKがこの“忖度”をいつまでつづける気なのか。視聴者による監視が必要だ。

最終更新:2020.06.02 10:24

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