早野龍五・被曝論文の重大誤りに糸井重里は? 福島原発後に“放射能汚染たいしたことない”論を振りまいた責任

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糸井重里は早野龍五論文問題にいつまでダンマリ続けるのか

 ようするに、糸井氏は「科学的に正しい」かどうかを検証したわけでもなく、たんに“被害は大きくない”という声を信じたかっただけで、その自分が信じたものを「科学的に正しい」とお墨付きを与え、読者に広めただけではないか。

 実際、『知ろうとすること。』のなかで、糸井氏はこんなことを述べている。

「ぼくも、原発に関しての政治的な意見を簡単に出すことはしたくない、と思ってきました。実際にそういうことを言わないように、意識して気をつけてきたつもりです。ただ、原発に対するイデオロギー的な部分は置いといて、とにかく誰もが望む当たり前のこととして、「人が生活する上で、何が何でも危なくないようにして欲しい」ということだけは、言いたい」
「あえていえば、なくてまったく問題ないなら、ないほうがいいですよ、原発なんて。でも、それは「はい・いいえ」だけじゃ言えない」

「人が生活する上で、何が何でも危なくないようにして欲しい」と望むのであれば、どう考えても原発をなくすしか方法はない。にもかかわらず、糸井氏は「「はい・いいえ」だけじゃ言えない」として答えないのだ。

 原発事故後、糸井氏は〈ぼくは、じぶんが参考にする意見としては、「よりスキャンダラスでないほう」を選びます。「より脅かしてないほう」を選びます。「より正義を語らないほう」を選びます。「より失礼でないほう」を選びます。そして「よりユーモアのあるほう」を選びます〉とツイートし、多くの人が“名言”と褒めそやした。このツイートについて、糸井氏は『知ろうとすること。』のあとがきで〈いまにして思えば、早野龍五さんの姿勢を語っているとも言えそうです〉と述べているが、糸井氏はこうやってふんわりと良識めいた言葉で包んでいるが、ようは異議申立てを封じ込め大勢に従えと言っているだけ。このような詭弁で、早野氏による原発事故による影響の過小評価に積極的に手を貸してきたのである。

 そして、糸井氏は、早野氏の論文に重大な誤りがあると発覚した年末以降、いまだにこの問題について見解をあきらかにすることもなく、論文問題を無視して、通常運行のツイートをおこなっている。共著者として、さらに早野氏をほぼ日のサイエンスフェローに据えている責任者として何らかの反応があってしかるべきだと思うが、これこそが糸井氏の態度であるということを“信者”の方々には早く気付いていただきたいものだ。

最終更新:2019.01.10 04:16

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