サッカーW杯・各テレビ局のテーマソングを徹底比較

RADWIMPSとは真逆なSuchmosのNHK・W杯ソング! 愛国に絡め取られず「血を流さぬよう歌おう」「武器は絶対にもたない」

  • このエントリーをはてなブックマークに追加
  • 印刷
nhkwcup_01_180619.jpg
NHKのサッカーW杯テーマソングはSuchmos(「NHKスポーツオンライン」より)

 RADWIMPSの「HINOMARU」の歌詞が「右翼的」「まるで軍歌」だと炎上した問題。本サイトは先日の記事で、こうした歌詞が生まれた背景に、同曲がW杯中継番組のテーマソングのカップリング曲として制作されたことがあると指摘した。

 日本ではW杯について「国の威信をかけて戦う」「国を背負った魂の戦い」などと、やたらナショナリズムを煽る勇ましい文言が飛び交う。W杯や五輪のテーマソングも愛国ナショナリズム的空気をまとったものが少なくないし、W杯や五輪にかかわることで、浅薄なナショナリズムに絡め取られていったアーティストは少なくない。

 今回のW杯でも、各局テレビ中継にRADWIMPS(フジテレビ)のほかに、Suchmos(NHK)、NEWS(日本テレビ)、EXILE(TBS)といった人気アーティストたちがテーマソングを提供しているが、どういう曲になっているか気になったのでチェックしてみた。

 まずフジテレビが起用した、問題のRADWIMPS「カタルシスト」のカップリング曲でもある「HINOMARU」。〈気高きこの御国の御霊〉〈日出づる国の/御名の下に〉〈僕らの燃ゆる御霊〉などと歌った「HINOMARU」ほど軍国主義に満ちた曲ではないが、とはいえ、「カタルシスト」も、〈勝たなきゃ始まらにゃーなこともあるワケであるのだからさ〉〈今は御託並べずにがむしゃらに勝ちに行く時〉〈敵は強く見えるもの〉といった好戦的な言葉が目立つ。「HINOMARU」が本物の特攻隊なら、こちらは特攻服を着た暴走族レベル(たとえが古いか)だが、やはり、“国の威信をかけた戦い”というW杯や五輪テーマソングの定型からは逃れられていない。

 続いて、日本テレビの中継テーマソングは、同局のワールドカップメインキャスターを務める手越祐也が所属するNEWSの「BLUE」。そもそもNEWSといえば、歌詞がどうこう以前に、小山慶一郎、加藤シゲアキ、手越祐也と4人中3人のメンバーが未成年女性との飲酒を報じられたばかり。小山はそれを理由に日テレのニュース番組をはじめ活動自粛となっているのに、手越がまるで何事もなかったかのようにワールドカップのキャスターを務めているのも甚だ疑問だが、歌詞もヒドイ。〈吠えろニッポン いざ行こう/立ち向かえ希望へ/攻めろニッポン さあ行こう/灯せ青い炎〉と手垢まみれの言葉が並ぶ日本代表応援歌。言うまでもなく、W杯に出ているのは日本だけではないし、日テレだって日本戦以外のワールドカップ中継もするのに、そのテーマソングが“日本だけを応援する歌”って。日本選手が絡まない試合もそれなりに視聴される数少ない競技であるにもかかわらず、どれだけ島国根性なんだと言いたくなる。

 そして、TBSの「2018 TBSサッカー中継テーマソング」は、EXILEの「Awakening」が選ばれている。「Awakening」は「カタルシスト」や「BLUE」とは違い、ことさらに敵愾心を煽ったり、愛国風味の日本応援ソングにはなっていない。〈ドロだらけで追いかけたボールをただ必死にあのネットの向こうへと〉と、サッカーのテーマ曲らしい描写がありつつも、〈この人生に誇れることがあるなら/たった1つに全て懸けてきた日々〉と、「サッカーを通じた自己実現」といったテーマに落とし込まれており、なんとも体育会系なLDHらしい曲となっている。

 EXILE「Awakening」のようなスポーツと自己実現を重ねる歌詞も、「カタルシスト」や「BLUE」のような戦闘姿勢や国家意識を強調するような歌詞も、いずれもW杯や五輪テーマソングの定番である。少し前は前者の自己啓発系が主流だったが、最近はそこに愛国要素を加えた後者のようなものが増えてきた。

 その最たる例が、2014年サッカーワールドカップでNHKの中継テーマソングとなった椎名林檎「NIPPON」だろう。この曲で椎名は〈この地球上で いちばん 混じり気の無い気高い青〉〈our native home〉〈我らの祖国〉といった純血思想をことさらに強く歌いあげた。特に、〈噫また不意に接近している淡い死の匂いで/この瞬間がなお一層鮮明に映えている/刻み込んでいるあの世へ持って行くさ/至上の人生 至上の絶景〉の部分は特攻を美化するかのように読める。

「いいね!」「フォロー」をクリックすると、SNSのタイムラインで最新記事が確認できます。

新着芸能・エンタメスキャンダルビジネス社会カルチャーくらし

RADWIMPSとは真逆なSuchmosのNHK・W杯ソング! 愛国に絡め取られず「血を流さぬよう歌おう」「武器は絶対にもたない」のページです。LITERA政治マスコミジャーナリズムオピニオン社会問題芸能(エンタメ)スキャンダルカルチャーなど社会で話題のニュースを本や雑誌から掘り起こすサイトです。EXILENEWSRADWIMPSSuchmosサッカーワールドカップ酒井まどの記事ならリテラへ。

人気記事ランキング

総合
ツイート数
1 保釈 河井案里被告と菅首相の特別な関係を物語る”パンケーキ動画”
2 菅首相の日本学術会議任命拒否の説明が支離滅裂、矛盾だらけ
3 菅首相が所信表明演説でごまかした原発の新増設の可能性
4 NHK大越更迭の裏に官邸と美人記者
5 橋下徹が日本学術会議デマの取材に「無償インタビューに応じていない」
6 ケントギルバート、ネトウヨ化の理由
7 菅首相のベトナムでのスピーチが露呈した「教養のなさ」
8 安倍が徴用工問題で「ファクト示すのが一番」とツイートしツッコミ殺到
9 ヤマダ電機ブラック批判がタブーに!?
10 渡辺謙も批判!安倍のアンチ核軍縮路線
11 「日本学術会議」任命拒否問題で平井文夫、志らく、橋下徹、八代英輝が…
12 ホリエモン擁護のロンブー淳が「切り取り」反論も…発言はもっと一方的
13 菅政権「成長戦略会議」恐怖の顔ぶれ! 竹中平蔵、三浦瑠麗、アトキンソンも
14 宮台真司「ネトウヨは感情の劣化」
15 『報ステ』古賀茂明の暴露に古舘が
16 菅首相の著書改ざんは“都合の悪い記録は残さない”という宣言!
17 フジテレビがお台場カジノ開発を計画
18 橋下徹が都構想で使った詐術を検証!
19 葵つかさが「松潤とは終わった」と
20 麻生太郎が愛人の店に2360万円
1杉田和博官房副長官「公安を使った監視と圧力」恐怖の手口!
2欠陥だらけ GoToイートの背景に菅首相と「ぐるなび」会長の特別な関係か
3菅首相のベトナムでのスピーチが露呈した「教養のなさ」
4 中曽根首相「1億円合同葬」強行、教育現場に弔意強要 「前例踏襲」の嘘
5甘利明、下村博文、高橋洋一、橋下徹も……日本学術会議攻撃のフェイク
6菅政権「成長戦略会議」恐怖の顔ぶれ! 竹中平蔵、三浦瑠麗、アトキンソンも
7菅首相の著書改ざんは“都合の悪い記録は残さない”という宣言!
8 フジテレビがお台場カジノ開発を計画
9二階幹事長はリアル『半沢直樹』? 日本航空がらみの土地取引疑惑も
10安倍が徴用工問題で「ファクト示すのが一番」とツイートしツッコミ殺到
11菅首相が所信表明演説でごまかした原発の新増設の可能性
12橋下徹が日本学術会議デマの取材に「無償インタビューに応じていない」
13 保釈 河井案里被告と菅首相の特別な関係を物語る”パンケーキ動画”
14菅首相の日本学術会議任命拒否の説明が支離滅裂、矛盾だらけ

カテゴリ別ランキング

マガジン9

人気連載

アベを倒したい!

アベを倒したい!

室井佑月

ブラ弁は見た!

ブラ弁は見た!

ブラック企業被害対策弁護団

ニッポン抑圧と腐敗の現場

ニッポン抑圧と腐敗の現場

横田 一

メディア定点観測

メディア定点観測

編集部

ネット右翼の15年

ネット右翼の15年

野間易通

左巻き書店の「いまこそ左翼入門」

左巻き書店の「いまこそ左翼入門」

赤井 歪

政治からテレビを守れ!

政治からテレビを守れ!

水島宏明

「売れてる本」の取扱説明書

「売れてる本」の取扱説明書

武田砂鉄