安倍政権が“残業代ゼロ”裁量労働制を「契約社員や最低賃金労働者にも適用」と閣議決定! 財界の意向で“定額働かせ放題”に

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裁量労働制の旗振りは電通! 自民党は「安保法でも通ったんだから通す」

 つまり、この法案が労働者ではなく、経営者にとって「柔軟な」ものであることは明白だ。事実、高橋まつりさんを過労自殺に追い込んだ電通は過去にも過労死を引き起こしてきたが、そんななかで電通の会長は、1997年に理事長を務める日本広告業協会の裁量労働制研究会として裁量労働制の営業への拡大を労働省に求めていたことを昨年2月の衆院予算委員会で現・立憲民主党の長妻昭議員があきらかにしている。このような無反省どころか、違法な労働を合法化しようとする電通の姿勢が高橋さんの痛ましい事件を生んだというのに、安倍首相は過労死問題には目を向けず、相変わらず企業にすり寄ることしか考えていないのだ。

 しかも、この裁量労働制の拡大をはじめ、「残業代ゼロ法案」と呼ばれる「高度プロフェッショナル制度の導入」や、「過労死の合法化」と批判を浴びている「時間外労働の上限100時間規制」など、「働き方改革関連法案」は問題だらけ。しかし、過労死ラインを超える100時間を上限とするこの法案を安倍首相は、時間外労働の上限規制を設けることをもって「長時間労働の規制強化だ」と言い張り、「高プロ導入」「裁量労働制の拡大」を抱き合わせにすることで突破しようと画策。「健康を確保しつつ、柔軟な労働制度へと改革するもので、一つの法案でお示しすることが適当と考える」などと詭弁を弄している。

 ほんとうに「長時間労働の規制を強化」しようとするのであれば、法案に反対する野党が示しているように、仕事を終えて次の勤務までの間の時間を規制する「勤務間インターバル規制」の導入や、不払い残業が発覚した際に残業代を倍にするなどのペナルティを課す制度を設けるなどの対応が必要だ。それをせずに、さらに過労死につながる長時間労働を誘発する法案を成立させようとする──。

 一部報道では、自民党議員は「安保法だって通せたのだから、これくらい通せないでどうする」と余裕の態度でいると伝えられているが、それは安倍首相も同じなのだろう。安倍首相の言う「岩盤規制に穴を開ける」「大改革」なる言葉に、もう騙されてはいけない。

最終更新:2018.02.09 11:56

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