国連が、安倍政権によるメディア圧力に是正勧告へ! 人権理事会で日本の「報道の自由」が侵害されていると懸念の声続出

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首相官邸HPより


 安倍政権によるメディアへの報道圧力が、国際社会で大きな問題になった。国連の人権理事会が14日、日本の人権状況を審査する作業部会を約5年ぶりに開催したのだが、そこで各国から「報道の自由」に対する強い懸念の声が続出したのだ。

 本サイトでお伝えしてきたとおり、第二次安倍政権以降、官邸はテレビなどのマスコミを常時監視しており、報道に対する圧力は日々苛烈を極めている。今年5月には昨年来日調査を行った国連人権理の特別報告者のデービッド・ケイ氏が報告書(未編集版)を公表し、そのなかで安倍政権による報道圧力とメディアの萎縮について是正を勧告していた。

 そして、今回の国連の対日人権審査では、たとえばブラジルやベラルーシ代表が特定秘密保護法による「報道の自由」の侵害に懸念を示し、アメリカ代表などはさらに踏み込んで、日本の「放送局をめぐる法的規制の枠組み」を問題視。政府による電波停止の根拠となっている放送法4条の改正と、独立した第三者監督機関の設立を求めたのである。人権理による最終的な勧告は来年に行われるが、そこに日本の「報道の自由」の現状を憂慮する文言が組み込まれる可能性は極めて高いと見られる。

 各国からこうした指摘を受けた日本政府代表は、「政府が不当に圧力をかけた事実はない。日本は表現の自由が最大限認められている」と強弁しているが、まったく反論にすらなっていない戯言だ。というのも、具体的な政権による報道圧力の数々については本サイトの過去記事をご覧いただくとして、今回の対日審査のなかで特筆すべきなのは、政府による放送法4条を使ったメディア規制の枠組みが批判され、改正を促されたことだからだ。

 そもそも放送法は、第一条で「目的」として〈放送による表現の自由を確保すること〉や〈放送が健全な民主主義の発達に資するようにすること〉を明記しているが、当然、これらは憲法21条でいう〈一切の表現の自由〉の保障に含まれており、その保障主体が公権力であることに疑う余地はない(『BPOと放送の自由』所収の論文・小町谷育子「番組編集準則と放送の自由」/日本評論社)。

 すなわち、放送法の理念は公権力による介入を阻止して「報道の自由」を確保することにあるのだが、一方で、問題の第4条は〈放送事業者は、国内放送及び内外放送の放送番組の編集に当たっては、次の各号の定めるところによらなければならない〉として番組編集準則を記している。そして、安倍政権とその応援団はこれを拡大解釈することで、放送局に対する規制の正当化と批判的報道への恫喝に悪用してきたのだ。

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