共謀罪をめぐる状況は石川啄木が大逆事件について警告した内容とそっくりだった! 暗黒の歴史を繰り返させるな!

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石川啄木のエッセイと共謀罪議論に共通するもの

 また、「A LETTER FROM PRISON」のあとがき(「EDITOR’S NOTES」)では、啄木が残業中に周囲の社員と交わした会話が記録されているのだが、その会話を読むと、またひとつ発見がある。100年以上前に書かれた文献なのにも関わらず、そこでなされている会話は、まるで2017年のいま交わされているものの写しのようである。

 たとえば、事件をめぐる海外との関係。現在国会の場で安倍政権は嘘に嘘を塗り重ね、まともな議論もしないまま「共謀罪」を進めている。この姿勢には国外からも非難の声が相次いでいるのはご存知の通り。国連人権委員会の特別報告者ジョセフ・ケナタッチ氏に端を発し、国連の立法ガイドを執筆した刑事司法学者のニコス・パッサス氏は「新たな法案などの導入を正当化するために(国際組織犯罪防止)条約を利用してはならない」と警鐘を鳴らす。また、国際ペンクラブのジェニファー・クレメント会長も「法案は表現の自由とプライバシーの権利を脅かすものとなるだろう。法案に反対するよう、国会に強く求める」と声明を発表している。しかし、政権はその批難の声にも耳を貸そうともしていない。

 こういった状況は大逆事件のときも同様であった。大検挙が始まってから、ニューヨークやパリでは日本政府のやり方に対して抗議集会が開かれるなど、国外から反対の声が多く寄せられていた。前述した残業中の会話のなかで、国際法に詳しい記者は、このように危惧を語っている。

〈この学者は、その専門的な立場から、今度の事件に対する日本政府の処置の如何が如何に国際上に影響するかといふことに就いて話し出した、若し噂の如く彼等二十六人をすべて秘密裁判の後に死刑に処するといふやうなことになれば、思想の自由を重んずる欧米人の間に屹度日本に対する反感が起るに違ひない。反感は一度起つたら仲々消えるものでない。さうしてその反感──日本が憎むべき圧制国だといふ感情が一度起るとすれば、今後日本政府の行為──たとへば朝鮮に於ける──が今迄のやうに好意的に批評される機会がなくなるかも知れぬ。間接ではあるけれども、かういふ影響は却って予期しない程の損失を外交上齎すことがないと言へぬといふのであつた〉

 しかし、結果的には、幸徳秋水はじめ12名に死刑が執行された。検挙から死刑執行までの間は約半年のあまりに短い期間。天皇暗殺計画とは関係ない人もでっちあげの裁判で容疑を押し付けられ、杜撰な公判では被疑者側の主張は一顧だにされなかった。

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