横田一「ニッポン抑圧と腐敗の現場」⑨

石原慎太郎のどこが「侍」なのか? 言い逃れと責任転嫁に終始した会見はなんと言おうと「恥さらし」だ!

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 科学者が安全性を保証しても、「豊洲新市場は安心できない」という拒絶反応を受けることは十分に考えられる。実際に「豊洲移転をしたら取引しない」という業者もいる。しかも豊洲移転をした業者が取引量激減で倒産しても、安全の“お墨付き”を与えた科学者が損害賠償責任を問われるわけではない。市場機能が維持できるのかを左右するのは「安心」の方といえるのだ。

 石原氏は「安全よりもハードルが高い安心の確保が不可欠」という基礎的知識不足をここでも露呈、勝手にハードルを下げて豊洲移転を正当化するという恥の上塗りをしたのだ。

 今後は都議会百条委員会に追及の場が移るが、石原氏はこのまま責任逃れを続けるのだろうか。財産を全て処分することになっても自らの名誉を守るのが、本物の「侍」であり、このままでは「無責任な守銭奴」のレッテルを貼られて晩節を汚すだけだと思うのだが。
(横田 一)


(追記1)
 今回の会見出席については、石原元知事が「記者クラブ以外の記者が参加してもいい」と言っているのに、日本記者クラブから「記者クラブ以外の参加は出来ない」と電話で言われた。そのため3月3日に日本記者クラブを訪れて担当者に口頭で抗議し、直談判もした。その時に会見者のゲスト枠での会見参加の可能性を教えてもらったので、石原慎太郎事務所にゲスト枠での会見参加申込をすると同時に、日本記者クラブの伊藤芳明理事長に取材を申し込んだ上で会見に参加した。なお伊藤理事長からは期限までに回答はなかった。

(追記2)
「日本よ」と銘打った石原氏のコラムを掲載する産経新聞は、3日の会見での私の質疑応答部分を含む会見録をネット上で紹介したが、私の二番目の質問である「売買契約書に判子を押したでしょう。判子を押したということは、(地方自治体の)最高責任者として判断をしたということでしょう。地方自治法を読んでいるのか。会社の社長が責任を取らないのに等しいのではないか。そんな恥さらしの回答をするのか。瑕疵担保責任をどう考えているのか」の部分がそっくり抜け落ちていた。

最終更新:2017.11.21 12:32

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