高畑裕太事件の裏に芸能界の体質? 千原ジュニアがキム兄と女性連れ込み暴行を『すべらない話』で笑い話に…

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 しかも、もっと呆れるのは、千原ジュニアがこれを“武勇伝”“笑い話”としてテレビ番組で披露し、松本人志はじめ共演者の芸人もこのジュニアの話に大爆笑していたことだ。

 つまりこれは、この松本人志まわりの芸人たちに、そういう女性をモノ扱いする価値観、「芸能人に口説かれたらやらせるのが当然」という傲慢な感覚が共有されているということだろう。実際、芸人の世界では、後輩にナンパさせ、合コンをセッティングさせて、強引に女性を口説くということが日常茶飯事になっており、週刊誌ではレイプまがいの噂もしばしば書き立てられてきた。事件になっていないのは、女性が泣き寝入りしているからというだけではないのか。

 今回、高畑裕太のやったことは絶対に許されることではないが、こうした女性をモノ扱いする姿勢、芸能人だからという特権意識は芸能界に蔓延している。いや、芸能界だけじゃなく、フジテレビがこんなトークを平気で放送したことからもわかるように、テレビ業界もそうした価値観からまったく抜け出せていない。

 これでよく自分たちのことを棚上げして高畑裕太を弾劾できるものだ、とその厚顔ぶりにうんざりさせられるが、しかし、彼らを注意深く見ていると、その意識はそこかしこに表れている。

 たとえば、今回の事件で、ワイドショーの司会者やコメンテーターたちが、高畑裕太の何を責めているかをチェックしてみればいい。彼らがいちばん熱心に口にしているのは「どれだけ周りに迷惑をかけたのか」「撮り直しでどれだけの人がカバーしなきゃいけなくなったのか」ということで、被害者の女性のからだや心に一生残るような傷をつけたことについては、ほとんど申し訳程度にしか語らないのだ。これだけを見ても、彼らがいかに、「レイプ」という犯罪を甘く考えているかがよくわかるだろう。

 さらに、千原ジュニアにいたっては、先の『白熱ライブ ビビット』でこんなことも言っていた。

「憶測ですがフロントの女性に歯ブラシを部屋まで持ってきてもらった時に“俺やで”ってことで、そこで自分が思っていた言動とは違う動きを女性がされたのでは、と思ってしまう」

 オブラートに包んだ話し方をしているので、なんとなく聞き逃してしまいそうになるが、「芸能人の“俺”なのに、女性がそうした対応をしなかったから事件が起こったのでは」と言っているのだ。これは、まさに6年前に『すべらない話』でキム兄の暴行話を面白可笑しく語っていたときとジュニアの感覚が変わっていないことの証明ではないか。

 今回の事件報道で浮き彫りになったのは、高畑裕太という駆け出し二世タレントの特別な犯罪ではなく、その背後にある芸能界とテレビ業界の女性を性処理の道具としてしか見ていない、女性差別丸出しの体質だ。

 こうした事件を二度と起こさせないためにも、この機会に、テレビ局員や芸能人にひどい目にあわされた女性たちが勇気をふりしぼって声を上げてくれることをぜひ願いたい。
(林グンマ)

最終更新:2018.05.07 10:54

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