安倍政権の沖縄いじめと闘う翁長知事の言葉を聞け!「自国の政府にここまで虐げられる地域があるか」

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 先月刊行された『反骨 翁長家三代と沖縄のいま』(松原耕二/朝日新聞出版)に、その政治家・翁長雄志の軌跡が描かれている。

 政治一家である翁長家。雄志の父親である助静は保守系政治家だ。戦中は民間人が戦争に協力するための組織「沖縄翼賛会」で、鉄血勤王隊千早隊の情報宣伝部長をつとめていた。しかし、戦況が悪化するなか、父・助信(雄志の祖父)を目の前で米軍の砲撃で亡くしたことをきっかけに、軍に協力して死ぬことにためらいが生じたという。そして、県民の約4人に1人が犠牲となった沖縄戦を生き延びた助静は、戦後、真和志市(現在は那覇市に吸収)の市長や立法院議員(のちの県議会)を務めながら、沖縄の自治権を拡大するためアメリカと対峙したという。

 子の雄志は、幼い頃から父の政治活動を通じて、沖縄の“保守と革新”の争いを見ながら育った。雄志もまた父と同じく、政治家として自民党本流の道を歩み、市議会議員、県議会議員と頭角を現していく。当時、基地移設容認派であった理由について、翁長氏はこう語っている。

「革新は、異民族支配の中で『人権の戦い』をしていた。それに対して保守は『生活の戦い』をしていたんですよ」(同書より)

 戦争で生活の糧のすべてを失った沖縄が生き抜くには、それしか方法がないと考えた。だが、翁長氏自身が「苦渋の選択」と語っているように、それは政府への怒りを抱きながらも現実的解決を模索することこそが、保守政治家としての翁長氏のスタンスだったからだ。

 そんな翁長氏が大きく変わるきっかけとなったのが、2005年の在日米軍再編だった。それまで沖縄と政府が合意し、翁長氏が7年の歳月をかけて主導し積み上げてきた「辺野古への海上移設」「軍民共用」「15年で沖縄に返還する」という項目が、中間、最終報告ともに日米両政府によって完全に無視されたのだ。しかも沖縄側には何の相談もなかった。自民党の“裏切り”を目の当たりにした翁長氏は、このころから政府批判を公然と口にするようになったという。

 さらに、第一次安倍政権下の2007年に起きた「教科書問題」も大きかったという。文部省の教科書検定で、沖縄戦の「集団自決」についての日本軍の関与が薄められたのだが、このとき翁長氏は、その撤回を求める県民大会の集会の共同代表を引き受けた。これについて、かつて沖縄自民党の本流を歩み、後に翁長氏と行動を共にする仲里利信衆院議員が興味深いコメントをしている。

「当時、美しい日本をつくるということがあったけれども、あの時点から、南京大虐殺もうやむやにするし、従軍慰安婦もうやむやにするし、沖縄の集団自決も実際はなかったことにしているから、戦争準備の体制だなど私は考え、今の自民党から一歩引いている」(同書より)

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