“真っ黒”な甘利明を検察はなぜ「不起訴」にしたのか? 官邸と癒着した法務省幹部の“捜査潰し”全内幕

  • このエントリーをはてなブックマークに追加
  • 印刷
amari_160121_top.jpg
衆議院議員 甘利明 公式サイトより


 なんなんだ、この結末は? 1日、あの甘利明前経済再生担当相について、東京地検特捜部が不起訴処分にするというニュースが、一斉に流れた。しかも、甘利本人だけではなく、同じく告発を受けていた公設秘書2人も立件見送りになるという。

 いっておくが、犯罪が軽微だったわけではない。甘利がやったことは、今、マスコミが大騒ぎしている舛添要一都知事の政治資金問題などとは比べ物にならない、政治家としては最も悪質な賄賂事件だった。しかも、特捜部は最近、政界捜査に弱腰になっていたとはいえ、小渕優子元経産相や小沢一郎のケースのように、秘書の立件まではやるのが普通だった。それが、今回は一切なんのおとがめもなし。これはいくらなんでも異常すぎるだろう。

 取材してみると、今回の不起訴決定の裏には、法務省幹部の露骨な捜査潰しの動きがあったことがわかった。しかも、この幹部は明らかに官邸と深いつながりのある人物だった。

 捜査潰しの詳細に踏みこむ前に、まず、事件のおさらいをしよう。甘利の容疑は、2013年5月に千葉県の建設会社・薩摩興業の依頼で、都市再生機構(UR)へ移転補償金の値上げを「口利き」した見返りに、賄賂を受け取っていたというものだ。

 周知のように、薩摩の元総務担当者、一色武氏が「週刊文春」に公設秘書ら2人に現金500万円、さらに甘利本人に100万円を手渡していたことを告発した。実際、甘利事務所が現金を受け取ったことを証明する領収証や、甘利の公設秘書らがUR側に補償金アップの働きかけをして交渉を録音したテープなどの物証もあった。

 しかも、URは甘利事務所からのアプローチ後、薩摩側への補償金額を約1億8千万円から2億円に、さらに2億2千万円にと、2回にわたって増額しているのだ。公共事業の補償額が途中で2回も増額されるなんてことは、通常、ありえない。

 そういう意味では、甘利の口利き、賄賂疑惑はあっせん利得処罰法違反どころか刑法のあっせん収賄罪も成立する可能性のある真っ黒な案件だったのだ。

 当の東京地検特捜部も4月にURを家宅捜索し、甘利氏の元秘書らを事情聴取。明らかに立件を視野に動いていた。当初の計画では、参院選前にまずURの職員だけを摘発し、参院選後に、甘利の公設秘書ら2人を立件。その後、甘利本人にいくかどうかを判断する予定だったという。それが、参院選前に一転して、全員「不起訴」の判断が下ってしまったというわけだ。

 検察の説明によると、現金授受や口利きの事実はあったものの、告発を受けていたあっせん利得処罰法違反の要件である「国会議員としての権限に基づく影響力の行使」が認められなかったため、起訴を見送ることになったという。「議会で追及する」「予算をつけない」「人事を動かす」といった強い脅しがなければ「権限に基づく影響力の行使」とはいえず、甘利たちの口利きはそのレベルになかったと、地検幹部はブリーフィングで説明したらしい。

「いいね!」「フォロー」をクリックすると、SNSのタイムラインで最新記事が確認できます。

新着芸能・エンタメスキャンダルビジネス社会カルチャーくらし

“真っ黒”な甘利明を検察はなぜ「不起訴」にしたのか? 官邸と癒着した法務省幹部の“捜査潰し”全内幕のページです。LITERA政治マスコミジャーナリズムオピニオン社会問題芸能(エンタメ)スキャンダルカルチャーなど社会で話題のニュースを本や雑誌から掘り起こすサイトです。安倍内閣東京地検特捜部甘利明田部祥太自民党の記事ならリテラへ。

人気記事ランキング

総合
ツイート数
1 「拝謁記」昭和天皇は「反省」していたか 改憲再軍備、沖縄切り捨ても
2 松本人志や吉本上層部批判の友近、近藤春菜にバッシング、報復か
3 『モーニングショー』で「暑さに耐えるのが教育」元高校野球監督は右派論客
4 安倍政権・厚労政務官が外国人在留申請で口利き「100人で200万円」
5 橋下徹に恫喝された女子高生が告白!
6 玉川徹がGSOMIA破棄で加熱するテレビの嫌韓煽動を批判
7 産経新聞コラムが「引きこもりは自衛隊に入隊させて鍛え直せ」
8 葵つかさが「松潤とは終わった」と
9 嫌韓批判で炎上も…石田純一はブレない
10 山本太郎が安倍の対韓国強硬姿勢を「小学生並み」と批判した理由
11 ジャニー喜多川社長の性的虐待問題を一切報じないマスコミ
12 菅官房長官が望月衣塑子記者への“質問妨害”を復活
13 くりぃむ上田晋也が“政権批判NG”に敢然と反論
14 『なつぞら』が宮崎駿・高畑勲も闘った「東映動画・労使紛争」を矮小化
15 古市憲寿の芥川賞候補作「参考文献問題」に選考委員が猛批判
16 池上彰が朝日叩きとネトウヨを大批判
17 自衛隊スパイ事件、官邸が解禁の理由
18 久米宏が「テレビが反韓国キャンペーンをやってる」と真っ向批判
19 ウーマン村本がよしもと社長からの圧力を激白!
20 GSOMIA破棄!八代・有本ら安倍応援団は「嫌なら来るな」
1安倍首相と省庁幹部の面談記録が一切作成されなくなった!
2くりぃむ上田晋也が“政権批判NG”に敢然と反論
3金融庁報告書で厚労省年金局課長の驚愕無責任発言
4産経新聞コラムが「引きこもりは自衛隊に入隊させて鍛え直せ」
5安倍首相が「老後2000万円」追及に逆ギレ!
6菅官房長官が望月衣塑子記者への“質問妨害”を復活
7金融庁「年金下がるから資産運用」報告書で麻生太郎が開き直り!
8F35捜索打ち切りと大量購入続行でNHKが「背景に政治性」と報道
9金融庁炎上の裏で安倍政権が「年金」の“不都合な事実”を隠蔽!
10防衛省イージス・アショア失態 、玉川徹が原因を喝破!
11長谷川豊が部落差別発言「謝罪文は馬場幹事長が作った」
12講談社「ViVi」の自民党広告は公選法違反か!
13映画『主戦場』上映中止要求の右派論客に監督が徹底反論!
14渡辺謙が語った『ゴジラ』出演と震災、原発、戦争
15マンガ『スシローと不愉快な仲間たち』第1話
16田崎史郎「65歳から年金もらってます」
17川崎殺傷事件「不良品」発言こそ松本人志の本質だ!
18 香港市民はデモの力示したが、日本は…
19松本人志が「不良品」発言問題で謝罪も説明もなし!
20農水元次官子ども殺害正当化は、橋下徹、竹田恒泰、坂上忍も

カテゴリ別ランキング


人気連載

アベを倒したい!

アベを倒したい!

室井佑月

ブラ弁は見た!

ブラ弁は見た!

ブラック企業被害対策弁護団

ニッポン抑圧と腐敗の現場

ニッポン抑圧と腐敗の現場

横田 一

メディア定点観測

メディア定点観測

編集部

ネット右翼の15年

ネット右翼の15年

野間易通

左巻き書店の「いまこそ左翼入門」

左巻き書店の「いまこそ左翼入門」

赤井 歪

政治からテレビを守れ!

政治からテレビを守れ!

水島宏明

「売れてる本」の取扱説明書

「売れてる本」の取扱説明書

武田砂鉄