沖縄の米軍女性殺害事件で本土マスコミが安倍官邸に異常な忖度! 読売は「米軍属」の事実を一切報道せず

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 さらに、この基地反対運動にくわえ、今月27日には「これで衆参同日選の可能性が飛躍的に高まった」(政界関係者)という米オバマ大統領の原爆被爆地・広島訪問が控えている。安倍政権は、この現職米大統領としては初となる被爆地訪問を、日米関係の強化、平和アピールの絶好の場と捉えているが、しかし、今回の事件が米軍属による殺人事件だとすれば、沖縄だけでなく全国でも大きな反発が起こり、オバマ大統領の広島訪問にも影を落とすことは必至だ。

 そのため、安倍政権は今回の事件が勃発したときから火消しに躍起になっていたのだ。

 そして、その安倍政権の意向を最も忠実に実行しようとしたのが読売新聞だったというわけである。あの産経までもが軍属の男の事情聴取を報じたことを考えれば、読売の安倍政権の忖度ぶりは度を超えている。沈黙によって政権に恭順の意を示して“沖縄イジメ”に加担するその様は、もはや報道機関と呼ぶに値しない。ただの“安倍サマ広報紙”だ。

 だが、読売ほどではなくとも、おそらく米軍が関与するむごたらしい事件が何度再発しても、“本土”のマスコミは日米地位協定の見直しや米兵への教育強化などをしたり顔で論評するだけだろう。あるいは「週刊新潮」など一部の保守メディアによって、被害者の落ち度をあげつらうバッシング報道も行われるかもしれない。だが、それらはすべて欺瞞だ。事件の本質は、沖縄に集中する米軍基地の存在、そのものだからだ。

 そもそも、米軍、いや、すべての軍隊の性格や本質上、“暴力”を根絶することなど不可能だ。解決策はただひとつ、米軍の撤退。それ以外に、根源的防止策などあるはずがない。

 戦争は、最初に女性や子どもが犠牲になる。そして、沖縄は軍隊基地が溢れ、日々“暴力的”訓練を受けている兵士が歩き回る“戦地”だ。今回のような悲惨な事件が二度と起こらぬよう「基地はいらない。軍隊もいらない。戦争もいらない」と訴え続けたい。
(野尻民夫)

最終更新:2016.05.20 09:24

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