現役東大生たちが語る「教科書より役立った本」に絶句!『コナン』『DEATH NOTE』『ハリー・ポッター』…

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監修・柳川範之『現役東大生が教科書よりも役に立った100冊』(宝島社)

 今日は東京大学の入学試験合格発表日。おそらくテレビのニュース番組は毎年恒例の合格発表風景を大々的に映し出すことだろう。

「学歴社会は終わった」といわれるようになって久しいが、しかし、東大は相変わらず偏差値ヒエラルキーの頂点に立って、世のお父さんお母さんを受験戦争に走らせ続けている。また、今も政官財界に多くの人材を輩出し続けており、日本でもっとも知識と教養のある大学生が集まっている場所、そんなふうに信じている人もきっと多いはずだ。

 だが、最近、その東大生の実態を思い知らされる本に出会ってしまった。『現役東大生が教科書よりも役に立った100冊』(監修・柳川範之/宝島社)がそれだ。

 監修者の柳川氏は通信制大学で学位を取ったのち東京大学大学院経済研究科の教授になった人物。この本は、その柳川氏が現役東大生に役に立った本をアンケート、そこから100冊をピックアップして紹介するというのが趣旨らしい。

 しかし、紹介されている本のラインナップをみてみたら、えっ? と目が点になった。一応、夏目漱石や芥川龍之介、三島由紀夫、ニーチェ、孔子、などの名作や古典も入っているが、これはごく一部。ほとんどが、東大生というイメージとはかけ離れた本ばかりなのだ。

 たとえば、やたら目につくのが『頭の整理が下手な人、うまい人』(樋口裕一/大和書房)、『まず1分間にうまくまとめる話し方整理法』(著・山本昭生 監修・福田健/日本実業出版社)『スティーブ・ジョブズ 驚異のプレゼン』(著・カーマイン・ガロ 解説・外村仁 翻訳・井口耕二/日経BP社)、などのビジネス書。流行りだというのはわかるが、だったら、せめてコトラーとかドラッカーとか、と思うのだが、そんなものは影も形もない。

 しかも、それぞれの紹介ページには学生直筆の2~3行の感想文が掲載されているのだが、これがまたびっくりなくらい浅い。たとえば、『スティーブ・ジョブズ 驚異のプレゼン』の感想は以下のようなものだった。

〈今ではあたりまえのパソコンも、ジョブズがいなかったら、ちがうものになっていたかもしれない。改めてすごいと思った。〉

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