「スルメ欲しさに…」紅白総合司会・黒柳徹子が語っていた“戦争責任”と平和、テレビへの思い

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 テレビが平和を守ることができる、平和をつくり出せることができる。この言葉は、黒柳にとって大きな希望になったに違いない。

「私自身、戦争を経験していますから、あの方の話を伺って、もし自分がテレビに出ることによって、平和をもたらすことができれば、そんなにいいことはないなって思ったんです」

 実際、黒柳はさまざまな戦争の記憶をテレビのなかで大事に扱ってきた。『ザ・ベストテン』(TBS)では広島への原爆投下日に原爆ドームが見える場所から中継を行い、『徹子の部屋』(テレビ朝日)では毎年、終戦記念日前後に「必ず戦争を体験された方のお話を伺っています」と言う。それは「いかに皆が平和でいることが大事か」ということを伝えるためだ。

 黒柳は、はっきりとこう述べている。

「それはアレグレッティさんがおっしゃった『永久の平和をテレビによって得ることができるかもしれない』という話を、私自身も信じているからです」

 翻って、この黒柳の強い思いを、一体この国の放送人はどれだけ抱えているのだろう。権力が放送に介入し、内容に圧力をかけているような状況があるなか、どれだけの人が「平和に導く力がテレビにある」と信じているだろうか。まるで戦前のような報道・言論状況に陥りつつあるテレビ界のことを思うと、ある意味、この黒柳の言葉は政治的発言よりもずっと重く響いてくる。

 報道機関の権力への隷属化が叫ばれるいまだからこそ、放送人には黒柳のように誇りをもって、テレビの力を信じ、平和を守ってほしいと心から願うばかりだ。
(大方 草)

最終更新:2017.11.12 03:34

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