読売、産経の安保法制報道に「異常すぎる」の声! 池上彰は「朝日より問題」、斎藤美奈子は「特高警察風」と

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 そうした読売の問題を追及しているのが、ジャーナリストの青木理氏だ。既報の通り青木氏は、現在発売中の「創」(創出版)9・10月号の鼎談のなかで「僕が気になるのは読売新聞の動向」と言い、読売の問題点をあぶり出している。

「特定秘密保護法にせよ、武器輸出3原則の撤廃にせよ、安保法制にせよ、あたかも世論が二分されているように見えてしまっているのは読売の存在が大きい。地方紙は9割以上が異議を唱えている。ところが全国紙レベルだと賛否が割れているように見える。産経は昔からあんな新聞ですから(笑)、ああそうかと思うだけですが、900万部の読売が完全に政権寄りになったことで、あたかも世論が真っ二つに割れているような印象を与えてしまう」

 読売の場合、世論調査ひとつとっても〈安全保障関連法案は、日本の平和と安全を確保し、国際社会への貢献を強化するために、自衛隊の活動を拡大するものです。こうした法律の整備に、賛成ですか、反対ですか〉(7月24〜26日実施の全国世論調査)と、安倍政権の主張をそのまま質問文に盛り込んだ誘導質問を行っている。

 これでは政権へのすり寄り方はNHKと同レベルだが、しかしさらなる問題は、このようなジャーナリズムとは言い難い報道を許してしまっている制作サイド、すなわち記者たちの態度だ。青木氏も「もっと気味が悪いのは、読売の中から異論や異見がまったく出ないこと」と言う。
 
「僕も組織に長くいたからよくわかりますが、読売新聞などはもはやそういう位相を超えてしまっている。優れた記者もいるし、異論を持っている記者もいるはずなのに、誰一人として反乱しない。異常な体制に抗おうという記者が一人も出てこない。清武さんが飛び出した時、彼に続くとか、彼を支えようとする者がまったく出なかったことの異常さ。もはや言論機関じゃありません」

 もちろん、こうした背景には、渡邉恒雄会長=ナベツネによる独裁体制があるだろう。しかし、最近の異常とも言える政権べったりの姿勢は、ナベツネ抜きに編集幹部が官邸ともっとダイレクトな癒着関係を築いているからだという指摘もある。

 朝日叩きももちろんどんどんやるべきだが、同時に読売、産経2紙の政権癒着をきちんと追及しないと、この国の民主主義は本当に崩壊してしまいかねない。
(野尻民夫)

最終更新:2015.09.14 09:14

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