佐野研二郎“パクリ”事件を生んだアートディレクター制の闇…有名デザイナーのデザインはスタッフがつくっている!

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佐野研二郎氏のデザイン

 東京五輪エンブレムのパクリが問題になったとき、多くの広告、デザイン関係者は「佐野のような名のあるデザイナーが、パクリのようなリスクをおかすはずがない」「五輪エンブレムのような世界から注目されるデザインはバレる確率が高いのに盗作なんてするはずがない」とかばったが、今回のケースは誰がどう見てもパクリ、盗作だろう。
 
 そもそも、デザインの盗作というのは、佐野氏クラスの有名デザイナーでも十分起きうることだ。いや、佐野氏クラスだからこそ起きるといったほうがいいかもしれない。というのも、彼らの多くはアートディレクターシステムをとっており、事務所に数人から数十人のデザイナーを抱え、実際のアイデア出しやデザインを配下のスタッフにやらせているからだ。

 こうしたアートディレクターシステムをとっている事務所が大きなプロジェクトをやる場合は、まず、社内コンペのようなものを実施。元になるデザイン案をスタッフのデザイナーたちに大量に考えさせ、その中からアートディレクターが気に入ったものを選んで、ブラッシュアップし、自分の名前で発表するケースが少なくないという。

 たとえば、大人気になった「くまモン」は、アートディレクター水野学氏の作品として知られるが、実際は彼の事務所グッドデザインカンパニーのスタッフが発案したもので、それを水野氏が自分の名前で発表したことを「週刊文春」(文藝春秋)に暴露されている。

 佐野氏の事務所であるMR_DESIGNも同じようなシステムをとっているようだが、こうした場合、デザイン事務所によっては、配下のデザイナーに「明日まで100案を考えてこい」などといった厳しいノルマを課すケ―スも少なくない。その場合、デザイナーが過去のデザイン集や海外のデザインなどを参考にしながら、なんとかしぼりだす、というのもよくあることらしい。

 おそらく、今回もスタッフのひとりがアイデアに窮してネットの画像をパクり、佐野氏が気づかず出してしまった可能性が高い。実際、「日刊ゲンダイ」が昨日13日の記事で、MR_DESIGN広報担当をつとめる佐野氏の妻に直撃しているのだが、その際にこう答えている。

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