太田光が、制服向上委員会から「安倍さんにゴマをすってる方が痛々しい」と反撃された!

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 10年近く前、太田は雑誌やラジオで過激な政治的発言を連発していた。当時の右傾化の風潮を徹底批判し、靖国問題や教科書問題などにも切り込み、歴史認識についての中国や韓国の抗議を「内政干渉」とする国内の意見についても、正面きって批判していた。

「かつて日本人として戦場に行かされた人々がいる。皇民として生きることを無理矢理強要され、自分の国の言葉を奪われ、名前を奪われて戦場に行かされた人々がいる。その人々にとって日本の歴史は自分達の歴史であることに間違いはない。(略)自分の都合の良い時だけ、お前達は日本人であるとして、都合が悪くなると、外国人が干渉するなというのは、あまりに身勝手ではないか」(東京ニュース通信社「TV Bros.」連載『天下御免の向こう見ず』より)

 そして、日本国憲法については、「人類が行った一つの奇跡」と敢然と擁護したうえで、「私に愛国心があるとすれば、それはこの国の“この国は戦争をしない国であると、世界に宣言している部分”に注がれる」と言い切り、中沢新一との対談本『憲法九条を世界遺産に』(集英社新書)という著書まで出版していた。

 ところが2006年、その太田の靖国についての言動に対し、右翼団体が太田の所属事務所に抗議活動を展開。警視庁が事務所に警備員を常駐させるように要請し、太田にも護衛をつける騒動となった。

 そして、この右翼の抗議事件をきっかけに、太田の連載やラジオの発言から徐々に、憲法や歴史認識などを扱う機会が減り始め、07年ごろには、こういうイデオロギー的なテーマに触れることはほとんどなくなった。「TV Bros.」の連載もいつのまにか、社会批評でなく自分のヘタな小説や童話を発表する場になった。

 先述した「安倍はばかやろう」発言はそんな太田の久しぶりの過激な政治的発言だったのだが、しかし、それも安倍支持者やネトウヨたちから「一介の芸人が総理をバカにするな」「この反日チョン芸人が」「一国の首相に対して名誉棄損だ」などと総攻撃を受けると、以後は一切沈黙。前述のように翌月、「桜を見る会」で安倍首相に尻尾を振る姿を見せつけたのだった。

 そして、いま、安倍政権によって、憲法9条が最大の危機に瀕しているというのに、太田は安倍批判も安保法制批判も口にしないまま、ダンマリを決め込んでいる。かつて、「憲法9条を世界遺産に!」とまで言っていたあの思いはどこへいってしまったのか。不思議でしようがない。

 まあそれでも、ただ沈黙しているだけなら、太田もトヨタのCMにまで出演するようになって、やっぱり仕事が干されるのがコワくなったのかねえ、とがっかりするくらいで、ここまでの怒りは感じなかっただろう。

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憲法九条を世界遺産に (集英社新書)

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