ももクロに“黒人差別パフォーマンス”疑惑が浮上! 黒塗りは差別か、表現狩りか

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 もちろん国際的に見れば、カルピスマークなどは黒人を極端にカリカチュアしすぎており、今日においては企業がオフィシャルに使用することは問題があるように思える。しかし、こうして抗議が行われたとき、企業側は「使用中止・商品回収・絶版にした理由」を明確にしない。どんな問題があったのか、どの表現がどんなふうによくないのか、そういったことを追及しないまま「臭い物に蓋をする」といわんばかりの対応をとる。たとえば、前述した『オバケのQ太郎』と同時期に、同じ藤子不二雄のマンガ『ジャングル黒べえ』も回収・絶版の措置がなされているが、安藤健二『封印作品の闇』(だいわ文庫)によれば、同作に差別的だとする抗議があったのかどうかすらも怪しく、“黒人差別表現狩り”の混乱のなかで小学館と中央公論社(現・中央公論新社)が自主判断で回収・絶版措置をとったのではないかと見ている。もしこれが事実なら、“表現狩り”をしているのは、そのじつ、“事なかれ主義”の出版社のほうということになるだろう。

 重要なのは、「差別だ」と指摘された表現について、なぜそれが差別なのか、その表現がどんなふうに誰かを傷つけているのか、なぜいけないのかをきちんと議論することだ。今回、騒動になったももクロも、芸能界の先輩にあたるラッツ&スターやフジテレビとの絡みもあって身動きがとれないのかもしれないが、たとえば外国特派員協会の会見で、この騒動で自分たちが考えたことを言葉にしていれば、少なくとも黒人差別に鈍感な日本に一石を投じる結果になっただろう。そう思われるだけに、今回の対応は非常に残念でならない。
(水井多賀子)

最終更新:2017.12.19 10:14

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