GDPマイナスは当然! アベノミクスのまやかしはデータが証明していた

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 しかし、現実には企業収益は長期停滞が始まる直前の1997年比で見て大きく増えている。

「一九九七年度の日本の企業(略)の経常収益は二八兆円でした。(略)二〇一二年度には四九兆円に増えています。九七年度に比べ二一兆円、七〇%強の増加です。この間の税引き後の純利益や内部留保の動きも同様です」(同書より)

 一方、98年から大きく減っているのが、雇用者報酬(国内で雇われて働いているすべての人が、一年間に受け取った給料、賞与、手当等の総額)と、国内の民間需要、国内総生産(景気)だ。賃金が減っているために、需要が減少し、ひいては景気も低迷し続けているのだ。この長期停滞の原因は「構造改革」にあるという。

「労働者派遣法の改正その他の政府の規制緩和政策(「構造改革」政策)が、賃金の上がらない(むしろ下がる)日本経済をつくり出した、その結果として、九八年以降の長期停滞がある、と私は見ます」(同書より)

 しかし、誤った現状認識のアベノミクスでも「構造改革」路線は続く。

 第三の矢による「企業減税の代償として消費税はさらに増税され、社会保障予算はさらに削減される、規制緩和により労働現場は一段と厳しくなり、雇用はさらに不安定化する──(略)暮らしの視点でみますと、きわめて厳しいものといわざるをえません」(同書より)

「一層の労働規制の緩和により働く人の賃金(企業にとってのコスト)はさらに下がるでしょう。そうすると需要はさらに落ち込み、日本経済は停滞から脱出できない。それどころか、落ち込みは一段と深まり、停滞はさらに長引く──」(同書より)

 15日に始まった20カ国・地域(G20)首脳会議でも安倍首相は、アベノミクスについて「『三本の矢』で経済政策を力強く進めてきた結果、経済の好循環が生まれ、成長力を回復しつつある」と成果を強調したが、実態は「国の借金を増やし、国民の労働環境を悪化させ、土建業界を始めとする企業にとって都合の良い国になりつつある」ということに過ぎないのだ。

 これ以上、安倍政権にこんなデタラメな経済政策を続けさせてはならない。
(小石川シンイチ)

最終更新:2015.01.19 04:14

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