合コン三昧でも癒されない…佐藤健が抱える絶望と孤独とは

  • このエントリーをはてなブックマークに追加
  • 印刷

 たしかに、同じ若手俳優でも小栗旬や綾野剛、生田斗真などはインタビューなどでも熱く演技論を語り、役者としての上昇志向の強さを感じさせるが、佐藤にその暑苦しさは皆無である。前回のW杯のときには「サッカーを観る習慣はなかった」にも関わらず、友達とスポーツバーで日本戦を観戦。勝利に沸き返る渋谷のセンター街へ直行し、見知らぬ者たちとハイタッチしたというのだが、「「ああ、こんなふうになるんだ」っていう驚きのほうが強かった」と醒めたように語っている。 

 芸能人として野心に燃えたりもしなければ、戦争のような“大きな物語”に乗りかかって自分の存在意義を確かめることもしない。そんなことより、友達とバーベキューをしているほうが幸せ──古市はそんな佐藤に若者の新しい幸福感を見出すのだが、しかし、古市がいうように佐藤はほんとうにささやかな毎日を楽しんでいるのだろうか。むしろ、佐藤から発せられているように感じられるのは、抱えきれない“苛立ち”や絶対的な“孤独感”だ。

 佐藤は言う。「夢は絶対叶う」「夢をあきらめるな」という人には憧れる。けれど「夢は絶対には叶わない」から「自分はそうはなれない」。友達はたくさんいるし、すごく楽しい。でも、「ある意味では絶対的に孤独で、完全な理解者って実は非常に少ないんじゃないか」と思う、と。

 また、古市が「若者の七割が「生活に満足している」と答えている。(中略)この数字をどう思いますか?」と水を向けると、「今の若者は「満足してる」って答えちゃうと思うんですよ」「僕も欲しいものとか色々あるけれど、満足してるかって聞かれたら満足してるって答えちゃう」と、じつは不満や不安も大きいはずだと指摘。古市が掲げた大前提さえ覆してしまうのだ。

 ──そう考えると、佐藤が女性を取っ替え引っ替えすることも、飲み会・合コン三昧で遊び続けることも、欲望があってやっているわけではないのかもしれない。センター街でのハイタッチと同じで、ただやってみただけ。彼のなかには合コンやセックスでは絶対に癒されることのないものがある感じがするのだ。

 それは、たとえていうなら、60年前に石原慎太郎が書いた「太陽の季節」や「狂った果実」、「完全な遊戯」の主人公たちと同じような匂いといってもいいかもしれない。当時、「太陽族」と呼ばれていた彼らは、外車を乗り回し、ヨットに興じ、女性にモテまくる華やかな部分だけがクローズアップされていたが、実際に小説に描かれていたのはもっと殺伐とした日常だった。

 何不自由ない生活を送りながら、満たされない絶望感、孤独感を抱え、それを忘れるために、人妻を誘惑し、つきあっている恋人を兄に5000円で売り飛ばし、友人といっしょに拾った女を暴行する。でも、その乾きはいっこうに癒されず、ますます絶望を深めていく。

 おそらく佐藤健も、彼らと同じように、絶望の向こう側を生きているのではないだろうか。女優たちを次から次へとやり捨てる。前田敦子を粗大ゴミのように扱う。人妻女優と密会する。子分に「ブース、帰れ!」とコールさせる……芸能人とは思えないその行動は、まさに石原が描いた主人公たちの享楽の日々とそっくりではないか。

 そういう意味では、佐藤の素顔はチャラいどころか文学的とさえいえるだろう。好感度というイメージに縛られ、セルフブランディングに精を出す小器用な芸能人も多いなかにあって、自らの抱えるものを隠そうとしないその居方は希少であり、支持したくなる気持ちも起きなくはない。

 だが、残念ながら、太陽族がもてはやされた時代とは、大衆の許容力が全然ちがう。スキャンダルまみれになって芸能生命を失うなんてことにならないよう、佐藤には、合コンと火遊びはほどほどにしておくこととをオススメしたい。
(田岡 尼)

最終更新:2014.07.03 05:04

「いいね!」「フォロー」をクリックすると、SNSのタイムラインで最新記事が確認できます。

この記事に関する本・雑誌

『Q10』DVD-BOX

新着芸能・エンタメスキャンダルビジネス社会カルチャーくらし

合コン三昧でも癒されない…佐藤健が抱える絶望と孤独とはのページです。LITERA政治マスコミジャーナリズムオピニオン社会問題芸能(エンタメ)スキャンダルカルチャーなど社会で話題のニュースを本や雑誌から掘り起こすサイトです。モテ佐藤健の記事ならリテラへ。

人気記事ランキング

総合
ツイート数
1 安倍内閣大臣と暴力団の密接交際発覚も不問状況にほっしゃん。が
2 千葉の復旧遅れ テレビで政府の責任追及がタブーに! 坂上忍も羽鳥慎一も
3 『ミヤネ屋』でフェイク 文在寅攻撃の急先鋒・武藤元韓国大使の正体!
4 元AKB48大島麻衣の“嫌韓ネトウヨ”への反論がカッコいい
5 東山紀之が『旅サラダ』で菅官房長官の名前出し神田正輝も最敬礼
6 葵つかさが「松潤とは終わった」と
7 産経新聞が社員の1割をリストラ
8 テレ朝『ワイド!スクランブル』が「旭日旗」の極右デマ拡散
9 上田晋也の番組で東国原英夫と千原せいじが日韓問題への無知晒す
10 安倍政権御用ジャーナリスト大賞(前編)
11 池上彰が朝日叩きとネトウヨを大批判
12 旭日旗問題で國村隼の発言は正論だ! 
13 ネトウヨ高須院長に息子が苦言!
14 原発事故前に安倍が地震対策拒否
15 「安倍がトランプをノーベル賞に推薦」を海外メディアが
16 停電続く千葉台風被害を放置し続ける安倍政権の冷酷
17 玉川徹が「嫌韓本じゃない」とお詫びした本はやっぱり嫌韓本
18 橋下徹に恫喝された女子高生が告白!
19 安倍政権御用ジャーナリスト大賞(後編)
20 伊藤詩織さんをカルバン・クライン出演に称賛の声! 
1久米宏が「テレビが反韓国キャンペーンをやってる」と真っ向批判
2安倍政権・厚労政務官が外国人在留申請で口利き「100人で200万円」
3 玉川徹がGSOMIA破棄で加熱するテレビの嫌韓煽動を批判
4明石家さんまが吉本上層部と安倍首相の癒着に痛烈皮肉!
5『ゴゴスマ』で今度は東国原英夫がヘイト丸出し、金慶珠を攻撃!
6『報ステ』の“安倍忖度”チーフPがアナやスタッフへの“セクハラ”で更迭
7『ゴゴスマ』で「日本男子も韓国女性が来たら暴行しなけりゃいかん」
8文在寅側近の不正に大はしゃぎの一方、安倍政権が厚労政務官の口利きに無視
9埼玉知事選で警察が柴山文科相への抗議を排除!柴山も表現の自由否定
10安倍首相がトランプからトウモロコシ爆買い
11菅官房長官「トウモロコシ大量購入は害虫被害対策」は嘘
12 GSOMIA破棄は安倍のせい 慰安婦合意から始まった韓国ヘイト政策
13安倍が後に先送り財政検証の酷い中身
14 GSOMIA破棄で日本マスコミの「困るのは韓国だけ」の嘘
15 松本人志や吉本上層部批判の友近、近藤春菜にバッシング、報復か
16『週刊ポスト』の下劣ヘイト記事は「小学館幹部の方針」の内部情報
17GSOMIA破棄!八代・有本ら安倍応援団は「嫌なら来るな」
18 『モーニングショー』で「暑さに耐えるのが教育」元高校野球監督は右派論客
19 古市憲寿の芥川賞候補作「参考文献問題」に選考委員が猛批判
20『関東大震災「朝鮮人虐殺」はなかった!』のデマとトリックを暴く

人気連載

アベを倒したい!

アベを倒したい!

室井佑月

ブラ弁は見た!

ブラ弁は見た!

ブラック企業被害対策弁護団

ニッポン抑圧と腐敗の現場

ニッポン抑圧と腐敗の現場

横田 一

メディア定点観測

メディア定点観測

編集部

ネット右翼の15年

ネット右翼の15年

野間易通

左巻き書店の「いまこそ左翼入門」

左巻き書店の「いまこそ左翼入門」

赤井 歪

政治からテレビを守れ!

政治からテレビを守れ!

水島宏明

「売れてる本」の取扱説明書

「売れてる本」の取扱説明書

武田砂鉄