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厚労省SNSが「ドライブスルー検査」を“医師の診察がないから感染拡大”とフェイク拡散! 韓国もドイツも医師が診察
厚労省の連続ツイート
またしても、厚労省のツイッターが批判封じ込めのためフェイク情報を拡散している。
本サイトでも既報のとおり、厚労省アカウントは、『羽鳥慎一モーニングショー』(テレビ朝日)やアメリカ『CNN』などを名指しで反論、厚労省による反論のほうがデマだったことが発覚し、批判を浴びたばかり。
今度のターゲットは、韓国で発明され、ドイツやアメリカなど世界各国で導入され始めている「ドライブスルー検査」だ。スピーディに検査できるうえ、医療従事者への感染や院内感染の危険も避けられることから、世界各国で導入され始めており、日本でも導入を要望する声が高まりつつある。
ところが、このドライブスルー検査について、本日15日13時半すぎから厚労省の公式アカウントがこう連続ツイートしたのだ。
〈#新型コロナウイルス「ドライブスルー方式」のPCR検査を実施しない理由について】「ドライブスルー方式」のPCR検査が、いくつかの報道で紹介されています。〉
〈新型コロナウイルス感染症にかかっているのではないかと心配される方が、PCR検査を受けるためには、医師の診察が重要です。「ドライブスルー方式」では、医師の診察を伴わないことが多いため、我が国では、実施しておりません。〉
〈発熱した方が受診された場合、医師は診察で、患者の既往歴、年齢、症状、検査所見などを踏まえ、新型コロナウイルス感染症を疑うのか、他の疾患を疑うのかなどを総合的に判断して、新型コロナウイルス感染症を疑った場合に、PCR検査を実施します。〉
〈インフルエンザ等で発熱を起こす他の疾患も多いので、医師の診察を伴わない場合は、PCR検査の陽性的中率が低下します。また、新型コロナウイルスに感染している方が、誤って「陰性」と判断されてしまうケース(「偽陰性」と言います)も一定程度発生し、感染を拡大させてしまう可能性があります。〉
〈こういったことを踏まえ、現在我が国では、感染者との接触の有無や症状を踏まえた医師の判断に基づき、PCR検査を実施することとしています。〉
いったい、どこから突っ込めばいいのかわからないくらい、トンデモなツイートである。
そもそも医師が必要と判断した人すら検査を受けられていないのが現状なのに、〈医師の判断に基づき、PCR検査を実施することとしています〉などと胸を張っていることからして噴飯ものだが、それより何より、本題の〈「ドライブスルー方式」では、医師の診察を伴わない〉というのが、またしてもデマの可能性が高いのだ。
たとえば韓国では、まず感染の疑いがある人(感染者との接触歴など)は無料で検査できるが、それ以外の人は16万ウォン(約1万4000円)かかるという振り分けがある。仁川(インチョン)の「ドライブスルー選別診療センター」について報じた「WoW!Korea」(2月17日付)でも、〈選別診療センターでは、入口(受付)→問診票作成→体温測定→医者による診療→検体採取→出口(検査結果の通知案内文)などの検査過程が車両内に搭乗した状態で実施される〉と紹介しており、医師による診断をしたうえで検査をしていることがわかる。
韓国だけではない。ドイツのグロースゲーラウという町でもドライブスルー検査を導入しているのだが、そこでは、感染の疑いがある患者は受診前に医師に電話相談し、医師が検査を受けるかどうか判断。検査の際も防護具を身に着けた医師と対面し、車の窓を開けると、口内または鼻孔からサンプルを採取される仕組みになっている。(AFP3月11日付)
アメリカでも、最近になってドライブスルー検査が各地で導入されているが、検査を受けるにはやはり医師の指示が必要となっている。
テレビ各局には裏でも圧力、検査抑制に固執する厚労省の異常
韓国でも、ドイツでも、アメリカでも、医師の診察や判断があった上で、ドライブスルー検査が行われているのだ。
厚労省が〈「ドライブスルー方式」では、医師の診察を伴わないことが多い〉というのは、いったいどこの話なのだろうか。
ドライブスルー方式を導入している国は、他にもオーストラリア、イギリス、デンマーク、ベルギーなどどんどん増えており、国や地域によっては、もしかしたら一部そういうところもあるのかもしれないが、先行している韓国を手本にしているところが多いことを考えれば、「医師の診察を伴わないことが多い」というのは、ほぼデマと言っていいだろう。
百歩譲ってもし仮に「医師の診察を伴わないことが多い」のが事実だとしてそれが問題だというのなら、日本で導入する際に、医師の診察を伴う方式にブラッシュアップすればいいだけの話だ。
それを日曜日に出勤してまで、わざわざ否定にかかる……。厚労省のこの不可解な反応はおそらく、日本のワイドショーの動きと関係している。
このドライブスルー検査は、韓国で感染が拡大していた時期から日本のテレビでも盛んに取り上げられていた。しかし、ほとんどの番組が、(実際には医療崩壊など起きていないにもかかわらず)まるで韓国の、“杜撰医療”“感染拡大の温床”のようにバカにし、“医療崩壊”の象徴として嘲笑。ワイドショー定番の嫌韓ネタとして消費していた。
ところが先週くらいから、欧米での感染拡大を受け、ドイツやアメリカなど欧米各国でも導入し始めたことがわかると、ワイドショーも一転、手のひら返しで、「よい方法」「日本も真似したほうがいい」などという意見が出始めていた。
ドライブスルー検査導入論が国内でも高まりつつあったことから、わざわざドライブスルー検査を否定するツイートをかましてきたということだろう。
それにしても、日本で無資格の業者が勝手にドライブスルー検査をやっていて危険だから止めなければいけないという話ならまだわかるが、他国がやっているというだけの検査方法を、厚労省をあげてわざわざ否定するというのが、まったくもって意味不明だ。だったら、一向に改善されない検査体制や医療体制の整備、人々の不安に答える情報発信など、厚労省が先にやるべき仕事はいくらでもあるだろう。なぜ厚労省アカウントは、5ツイートも費やして、デマまでまじえてまで、わざわざドライブスルー検査を否定したのか。
ひとつは、やはり検査拡大論を封じ込めたいという意図だろう。
少し前まではワイドショーでも検査拡大を求める声が強かったが、先週くらいからテレビでも検査不要論がどんどん支配的になっている。政府各機関が名指しで「検査するべき」報道を攻撃し、裏でメディアに「ブリーフィング」という名の圧力をかけた結果だった。
ところが、せっかく抑え込んだにもかかわらず、ここにきてドライブスルー検査が評価され始めたことで、またぞろ、検査するべき論が再燃する恐れが出てきた。そこで、先手を打ったということではないか。
欧米での感染拡大に伴い、世界各国で検査拡大しているというのに、ここまで検査抑制に固執するのはハッキリ言って異常というしかない。
“嫌韓”厚労省はドライブスルー検査を最初に導入した韓国を認めたくない
だが、この過剰な「ドライブスルー検査」攻撃にはもうひとつ原因があるような気がする。それは、安倍政権全体に浸透している嫌韓意識だ。
上述のように、当初韓国のドライブスルー検査が日本で紹介されたときは、もっぱら嘲笑する嫌韓ネタのひとつとしてだった。検査拡大要望を訴える声に対して、「韓国は積極的に検査を行った結果、医療崩壊した」などとバカにして、検査抑制論の材料として使っていた。ところが、実際は、韓国で医療崩壊は起きておらず感染者数はピークアウトしつつあり、欧米各国も韓国の対策を参考にし始めた。厚労省は、自らの失態と韓国に対する高評価という現実を認めたくないのではないか。
安倍政権の韓国ヘイト体質はいまさら説明するまでもないが、それは官僚にも広がっている。たとえば、昨年3月には厚労省の賃金課長が韓国の空港で「I hate Korean! I hate Korean!」(韓国人が嫌いだ! 韓国人が嫌いだ!)と差別暴言を吐き、空港職員に暴行をはたらき、身柄拘束されるという事件を起こしている。
マスク問題にしても、日本で感染が確認されるまえ、多くのニュースやワイドショーは中国で人々がマスクを買いに走っている姿を上から目線でバカにしながら報じていたが、そのときから日本でのマスク不足の可能性を予測し対策を打っておくべきだったのだ。
中国の“全体主義監視国家”まるだしの監視システムを駆使した封じ込め策を真似しろとはまったく思わないが、韓国の検査拡大と徹底した情報公開による感染拡大食い止めは大いに学ぶところがあるだろう。
それが醜い嫌韓意識によって、できないというなら恐るべきことだ。レイシズムのために、取り入れるべき対策を取り入れることができず、国民の命と健康が危機にさらされることになる。
今日ネット上では、フランスの厚労相が、コロナウイルス感染者はイブプロフェンを服用しないほうがよいと述べたというニュースが話題になっていた。(このフランス厚労相によるイブプロフェンに関する情報については、否定的な見解もある。16日追記)
日本の厚労省も、SNSを自らの失態隠しや差別意識に基づいた情報操作や、批判メディア叩きに使う暇があったら、こうしたきめ細かい情報発信をするべきだろう。
(編集部)
最終更新:2020.03.16 08:58
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