『万引き家族』に続いて、ネトウヨが真木よう子、大泉洋出演の映画『焼肉ドラゴン』を攻撃!“反日映画に助成金出すな”

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映画『焼肉ドラゴン』公式サイトより

 先日、カンヌ国際映画祭でパルムドールを受賞した『万引き家族』の是枝裕和監督がネトウヨや安倍応援団から攻撃を受けて炎上したが、今度は真木よう子、大泉洋、井上真央らが出演している現在公開中の映画『焼肉ドラゴン』が同じような攻撃にさらされている。

『焼肉ドラゴン』は『愛を乞う人』で日本アカデミー賞脚本賞を受賞した脚本家・鄭義信の初監督作品で、1969年の大阪を舞台に、焼肉店を営む在日コリアン一家がたくましく生きる姿をユーモアたっぷりに描いた話題の作品。ところが、この映画に対して、ネトウヨ連中がこんなヘイトを書き込んでいるのだ。

〈悪役が日本人で正義の味方が在日。お涙頂戴の感動ヒューマンドラマに仕立ててるが不法入国に不法占拠が正義だとムカつく〉
〈「万引き家族」が西の横綱ならこの映画は堂々東の正横綱。戦後の舞台で家族の絆を餌にした、底流に反日社会批判をたっぷり滲ませて日本国民を洗脳する映画です〉
〈インチキ映画。観るだけ金の無駄。実史の映画、誰か作ってくれないかな? 戦後、日本で起きた朝鮮人が行った犯罪を明らかにするドキュメンタリーとか〉
〈万引き家族に次いで、また日本を貶める映画?日本人にいじめられてきたんですぅー、在日の痛みを知れーって、こんな映画を日本人がお金払って見るなんてバカバカしい。映画を反日プロパガンダに利用するな〉

 一体こいつらは何を言っているのか。たしかに、『焼肉ドラゴン』は在日コリアン一家が主人公だし、差別やいじめを受けるシーンも出てくる。しかし公式パンフレットで鄭監督が「在日という、日本でも特殊な立場の家族を描いたつもりが、『私たち同様の家族に思えた』というお客様からの声をいただき、とても嬉しかったんですよね」と語っている通り、『焼肉ドラゴン』の主題は社会の片隅に追いやられても生きようとする人間とその家族の絆を描くことで、反日的主張などみじんもない。

 それを、在日のドラマというだけで「反日映画」と決めつけ、在日コリアンが戦前、戦中、戦後にわたって置かれてきた境遇を無視して「不法入国に不法占拠」とヘイト攻撃を加えるのだから、そのグロテスクさにはまったくヘドが出る。

 しかも、この『焼肉ドラゴン』は、文化庁文化芸術振興費補助金を受けていたことから、やはりネトウヨ連中からこんな攻撃も加えられている。

〈映画「焼肉ドラゴン」は、万引き家族同様「文化芸術振興費補助金」2千万円が助成されています。 文科省の科研費と同様反日活動に、我々の血税が使われているなんて! 許せない!〉
〈在日少年が学校で日本人に虐められ自殺。朝鮮学校生徒は昔、日本人狩りしてただろ逆だろボケ。文化庁が助成金出す。日本を貶める映画に日本人の税金出すな馬鹿野郎〉

 周知のように、カンヌ国際映画祭でパルムドールを受賞した『万引き家族』の炎上も同じく文化庁の補助金を受けていたことが原因だった。是枝監督が海外メディアのインタビューで映画に国策を押しつける動きを批判し、文科相からの祝意を辞退すると、ネトウヨはもちろん、日本会議系の市会議員や〈過労死は自己責任〉ツイートの田端信太郎氏らからも「国に金を出してもらって何を言ってるのか」「金を出したら口も出すというのが当たり前」という批判が浴びせられたのだ。

「国に金を出してもらってるくせに」の批判に真っ向反論した是枝監督

 だが、こうした的外れな誹謗中傷に対しては、是枝監督自身が6月25日付朝日新聞に掲載されたインタビューで、真っ向から反論している。

「芸術への助成を“国の施し”と考える風潮は映画に限ったことじゃない。大学への科研費もそうだし、生活保護世帯への攻撃も同じです。本来、国民の権利のはずですよね」
「補助金をもらって政府を批判するのは真っ当な態度なんだ、という欧州的な価値観を日本にも定着させたい。いま、僕みたいなことをしたら、たたかれることは分かっています。でも、振る舞いとして続けていかないと。公金を入れると公権力に従わねばならない、ということになったら文化は死にますよ」

 これはまさに正論だろう。そもそも、民主主義の国で行われている文化事業への助成は、表現や芸術、学問の自由を保護するためのものであって、助成金を受け取ったからといって、国に表現が支配されるということではまったくない。金をやるから政府の言う通りつくれ、ということがまかりとおれば、それはまさにソ連やナチスドイツ、戦前戦中の日本における国策映画と変わらなくなってしまう。

 助成金を国からの施しと考えるような根性にはうんざりさせられるが、今回の『焼肉ドラゴン』のケースはもっとひどい。ようするに、連中は在日コリアンを描いた映画だから、補助金を出すのはけしからん!と言っているのだ。一体どこまで、グロテスクな差別感情に囚われているのか。

 韓国では、昨年、文在寅大統領が権力の介入で存続が危ぶまれていた釜山映画祭を訪れ「支援はするが、口は出さない」と発言した。そのとき、是枝監督はこの文大統領の行動を高く評価し、〈つまり助成金を国からの施しと考えるか?税金の再配分である文化予算は私たちの側に決定権があると考えるか?そして、今回大統領は後者を支持した。映画祭は文化の独立を勝ち取った〉〈国と関係のない自由の素晴らしさとは別に、きちんと働きかけて文化の独立を理解させ、そのことを理解した大統領がわざわざ映画祭に足を運んで介入しないことを宣言する。そのような態度を社会に見せることが政治も映画祭も社会も成熟させていく、という素晴らしさなんです〉とツイートしていた。

 一方、日本の動きはまったく逆だ。安倍政権によって、極右思想の押し付けがますますひどくなり、国策映画製作の動きまで出てきている。そして、安倍応援団やネトウヨは文化助成の対象にまで排外主義をもち出し、攻撃をはじめた。是枝監督はカンヌ後の自身の炎上について、Yahoo!ニュースのインタビューでこんなセリフを語っている。

「同調圧力の強い国の中で、多様性の大事さを訴えていくのはすごく難しい」

最終更新:2018.07.02 11:22

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