AKB松井珠理奈も!? 芸能人の未成年飲酒・喫煙はなぜ叩かれるのか

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14年「総選挙」では4位となった松井珠理奈(SKE48公式サイトより)


 昨年12月に「週刊文春」(文藝春秋)が報じた、SKE48のエースでありAKB48でも活躍する松井珠理奈(17歳)の“深夜バー入り浸り”問題。「文春」発売前は未成年飲酒問題に発展することが予想され、「解雇もありえる」「紅白も辞退か」とファンは騒然となったが、箱を開けてみれば『FNS歌謡祭』(フジテレビ系)のあとにイケメンマネージャーとバーで飲食していたというもので、飲酒の決定的証拠はなかった。

 しかし、この報道で珠理奈のイメージは確実にダウン。「文春」によれば、珠理奈はバーテンに「つらいことあったら一人で飲んでる」と話していたともいい、以前「文春」で報じられた“運営が容易したコンシェルジュ付きのデザイナーズマンション住まい”や“1食2万円の高級ステーキ店で深夜0時半まで食事”“バンドマンとの交遊”などの疑惑も追い打ちをかけ、「17歳の遊び方じゃない」「これは問題児」「清純ヅラするな」と批判が飛び出している。さらには、東京都青少年条例で18歳未満は23時から4時の深夜外出を制限されているため、「これは都条例違反では?」と問題視する向きもある。

 とはいえ、珠理奈は秋元康が「絶対にスターになる」「10年に1人の逸材」とまで言いきった“超お気に入り”メンバー。だいたい珠理奈が入店したのは、秋元が店名を命名したというAKB関係者御用達の店だ。決定的な証拠がないため今回の報道を運営は無視すると思われるが、だが、これまで“未成年飲酒”“未成年喫煙”が発覚して窮地に立たされた芸能人は数限りない。

 たとえば、乃木坂46の大和里菜は、昨年10月に「文春」で飲酒疑惑とバーに出入りしていることが報じられ(当時19歳)、謝罪。12月15日に契約解除された。

 当然、AKBグループと同じように大所帯であるジャニーズ事務所でも、数々の飲酒・喫煙をめぐる騒動は起こってきた。最近では、昨年4月にデビューしたジャニーズWEST・藤井流星の、未成年時の飲酒・喫煙・女性への性的暴行疑惑を「文春」がスクープ。デビューと同時に降って湧いたスキャンダルだったためか、ジャニーズが下した審判はお咎めなしという結果となった。だが、古くは1999年、当時未成年だったジャニーズJr.の大坂俊介、浜田一男、穴沢真啓、尾身和樹の4名と女子大生たちのパーティ模様に加えて飲酒・喫煙写真が「FRIDAY」(講談社)に掲載された際は、全員が解雇された。

 また、森進一・昌子夫妻(現在は離婚)の息子で、現在「ONE OK ROCK」のボーカルとして活躍中の元NEWS・森内貴寛は、「BUBKA」(コアマガジン)に飲酒・喫煙・女性とのベッド写真という“役満”写真が掲載。その後、「学業に専念するため」という理由でジャニーズを退所したが、これが表向きの理由であることは明白だ。

 さらに、同じくNEWSからは、2005年に内博貴が飲酒後、泥酔し、警察に保護されるという事件が発生。このとき、フジテレビの菊間千乃アナウンサーをはじめとするフジテレビ関係者が同席していたことから大問題となった。この内が謹慎中の06年にはNEWSの草野博紀にも、「BUBKA」によってファンとの“不純交遊”と缶チューハイの“飲酒疑惑”が浮上。結局、草野は数年後に退所し、内のほうは現在もソロとしてジャニーズ事務所にとどまっている。ちなみに、11年にはHey! Say! JUMP・森本龍太郎の喫煙写真を「週刊女性」(主婦と生活社)が掲載。こちらは現在も謹慎扱いで、退所しているのかどうかさえわからないような状態だ。

 このように、AKBにしろジャニーズにしろ、同じグループ・事務所でも、対応はメンバーごとに大きな開きがある。発覚した問題のダメージ度ももちろんあるが、社会的注目度や期待度・将来性を鑑みたうえで解雇か謹慎かのジャッジを下しているのだろう。たとえば、06年に「FRIDAY」に喫煙写真を撮られたモーニング娘。の加護亜依の場合、一度は謹慎を言い渡されたが、その最中に再び喫煙&年上男性との温泉旅行が発覚。結果、所属事務所・アップフロントエージェンシーに契約解除された。本音では加護を手放したくなかったのだろうが、2度目のインパクトは大きく、庇いきれなかった結果の解雇といえよう。

 しかし、そうした“事務所内の判断”だけではなく、近年はネット上の炎上具合も問題の一部になりつつある。その最たる例が、橋本愛の飲酒疑惑だろう。昨年、『あまちゃん』(NHK)出演時に俳優・落合モトキとの交際を「FRIDAY」が報じたが、「文春」は同時に橋本の飲酒疑惑を掲載。バーのオーナーが「みんなでカクテルを飲んでいきましたよ」と証言したことから、橋本の事務所は「ソフトドリンクしか飲んでいない」と否定。だが、ネット上では「幻滅した」「完全終了」「前から何かやらかしそうだった」などといった批判が集中した。

 たしかに、事務所には未成年を預かる立場として、タレントの管理責任が追及されるべきだ。だが、酒を飲んだだけで鬼の首をとったように「犯罪だ」と過剰に反応しわめき立てる風潮もいかがなものか。そもそも、飲酒や喫煙を20歳以上としているのは便宜上のことであって、その線引きに医学的な根拠があるわけではない。些細な法律違反を見つけ出して針小棒大に報道しているメディア関係者だって、高校生のときに背伸びをして酒を飲んだり煙草を吸ったことが1回や2回、必ずあるはずだ。

 こうした傾向がエスカレートしてきたのはおそらく、内博貴や加護亜依の喫煙・飲酒が騒動になった05年から06年くらいで、社会全体が保守化・幼児化して、同調圧力が強まり始めた時期とほぼ一致している。問題の大小がわからなくなって、とにかく法律違反は悪いことという小学生のような論理がまかりとおるようになり、芸能人はその格好のターゲットになっていった。

 もちろん、芸能人である以上、熱愛ゴシップをはじめとするプライベートの素顔を晒されることは致し方がない。芸能人がさまざまなコンテンツや商品の消費を先導する存在となっている以上、メディアやネットがその実像を検証し、報道するのは当然の権利といえるだろう。

 しかし、飲酒や喫煙レベルの些細な法律違反を矯風会的な道徳主義で断罪する社会は、ちょっと息苦しすぎるのではないかと思うのだが……。
(サニーうどん)

最終更新:2017.12.09 04:50

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