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眞子内親王をPTSDにした“小室圭さんバッシング”の差別的本質! 竹田恒泰は“小室嫌悪”を扇動し女系天皇ツブシに悪用
宮内庁HPより
10月1日、眞子内親王と小室圭氏が10月26日結婚することを、宮内庁が正式発表。合わせて、眞子内親王が誹謗中傷により「複雑性PTSD」と診断されていることも公表された。
無理もない。普通に考えてシンプルに結婚が何年も延期されるという事態だけでも精神的負担は大きく、その上この間4年以上にわたって、眞子内親王と小室氏は苛烈なバッシングに晒されてきたのだ。この状況で心身に異常をきたさない人は、なかなかいないだろう。
ところがネットでは、バッシングが収まる気配がまったくない。このPTSD公表のニュースに対してすら、「自業自得」「だったら結婚やめれば」「病気を盾にして卑怯」などと誹謗中傷コメントが大量につけられている。ネットだけではない。小室叩きの急先鋒『バイキングMORE』(フジテレビ)も、いまだに「そもそもの原因は金銭トラブル」「結婚発表までに解決すべき」「母親はなぜ元婚約者に会わないのか」「眞子様のためを思って言っていた」などと主張し続けていた(10月4日放送)。
テレビなど多くのマスコミはPTSD公表を受け一転、神妙な様子で報じているが、つい数日前まで“小室さんバッシング”に興じていた。
記憶に新しいのが、小室氏の3年ぶりの帰国をめぐるメディアスクラムだ。小室氏の乗った飛行機到着を各局が生中継し、帰国を速報で報じるテレビ局もあるなどヒートアップ。前出の『バイキングMORE』などは小室氏に護衛が付いていることをVIP待遇などと揶揄していたが、実際は、メディアの小室氏バッシングへの熱狂が物理的なトラブルが起きてもおかしくない状況を作り出したといえる。
なかでも象徴的だったのが“ロン毛バッシング”だ。フジテレビの記者が、ニューヨークでPCR検査を終え病院を出てきた小室氏を直撃。直撃の際、小室氏の髪型が“ロン毛”だったことをあげつらい、記者の質問を“ガン無視”したとして、また小室氏批判をわめき立てた。すると、他メディアも次々に小室氏を直撃するようになり、テレビ朝日など職場晒しをするメディアまで出る状況になった。
しかし、小室氏はフジテレビ記者を完全に無視したわけではなく、病院を出てきて声をかけられたところで、会釈をしている。にもかかわらず、フジテレビは直撃取材に答えない場面ばかりを繰り返し流し、“完全無視”イメージを拡散したのだ。
髪型バッシングにいたっては、呆れるしかない。ブラック校則じゃあるまいし、どんな髪型をしようが、その人の自由だろう。現に、ニューヨークでは現在の髪型で法律事務所への就職も決まっており、つい先日もその髪型で就職先の関係者と会食、なんの支障をきたしているわけでもない。
ところが、小室叩き急先鋒の『バイキング』をはじめとするワイドショーがこぞって小室氏の髪型を揶揄。さらには、調査報道で評価の高い東京新聞の「こちら特報部」(9月30日付)までもが「小室さんの新髪型どう?」などと特集する始末。「NYでは流行」「成長アピールか」などという専門家の見方を紹介したり、「清潔感ない」「信用できない」「結婚を認めてもらおうという覚悟がない」などという一般市民の批判コメントを紹介し、小室バッシングを扇動していた。
小室氏の母親の“借金”報道も髪型バッシングと同類のイチャモンにすぎない
この髪型にまでイチャモンをつけるバッシングについては、さすがに批判の声が出始めたが、しかし、この数年にわたる小室氏バッシングは、本質的には今回の髪型攻撃とたいして変わりがない。
そもそも、小室氏をめぐっては、婚約内定が発表されたときから、その収入や家柄をあげつらって結婚を否定しようという動きが出ていた。週刊誌も、小室氏の家族へのバッシング報道を展開。小室さんの亡くなった父親がじつは自殺していた(「週刊新潮」新潮社)、父親の自殺を苦にした父方の祖父も自殺した(「週刊現代」講談社)、母親が霊能者のような人と付き合いがある(「女性自身」光文社)、小室さんの母親が元婚約者の商社マン男性以外にも彫金師男性と交際・同居していた(「週刊女性」主婦と生活社)などと書き立てていた。
そんななか飛び出したのが、結婚延期の理由となった、小室氏の母親と元婚約者男性との金銭トラブルだった。
しかし、この報道も明らかに理不尽なものだった。まず言っておかなければならないのは、この問題はあくまで「母親のトラブル」であって、小室氏本人とはなんの関係もないということだ。
親の借金(しかも定かではない)という経済的事情を理由に結婚を認めないなどというのは差別そのもので、ましてや戦後民主主義・戦後憲法の擁護者たるべき皇室として許されることではない。
しかも、この金銭トラブルは中身自体もメディアがこぞって報道する価値があるようなものではなかった。元婚約者の男性サイドは「貸した」と言っているが、借用書が存在しておらず、ほんとうに借金かどうか疑わしい。婚約中、婚約相手の子どもに支援しただけという可能性も十分に考えられた。また、小室氏の母親とこの男性の婚約が解消されたのは、男性側が破棄したためで、むしろ男性側が慰謝料を払ってもおかしくない事案だ。実際、小室氏を批判していたワイドショーでも、裁判をしてもこの元婚約者に勝ち目はないと、多くの弁護士や専門家が指摘してきた。
しかし、メディアはそんなことはおかまいなしで、小室氏と母親を一方的に悪者扱いし続けた。
小室氏の説明文書への非難で見せたワイドショーの支離滅裂ないいがかり
さらに、呆れたのは、今年4月、小室氏がこの金銭トラブルをめぐる経緯について28枚の説明文書を発表したときのメディアの反応だった。
文書は母親が元婚約者から交際期間中に受け取っていた金銭数百万円について、小室氏側が「借金」と認識していない根拠、元婚約者と解決に向けた話し合いが頓挫した経緯などを丁寧に説明するもので、その主張は客観的に見て、説得力のあるものだった。宮内庁も「丁寧に説明している」「経緯について理解できた」と一定の理解を示した。
ところが、この文書に対してネットやワイドショーが一斉に非難。その理由というのが、まったく正当性のない、言いがかりとしか思えないものばかりだった。
まず「28枚」という文書の量をあげつらい、「長すぎる」「読む気がしない」などと攻撃。その内容についても、自分たちはこれまで元婚約者の告発にだけ乗って「一方的に」小室氏を糾弾しておきながら、小室氏に対しては「一方的な主張をするな」と批判。さらに小室氏が借金でなかった証拠として、元婚約者との話し合いの音声データの存在を明かしたことについて、納得するどころか、逆に「隠し録音するような人物は信用できない」と大合唱。
坂上忍は『バイキング』で「僕がびっくりしたのは、録音しといたほうがいいって、そこですぐ録音するんだ」「なんか頭のいい人ってやること、すごいなって思っちゃって」と嫌味たっぷりに揶揄。宮根誠司も『情報ライブ ミヤネ屋』(読売テレビ)で、「録音データと言われると、ちょっとね……」と違和感をあからさまにしていた。
元婚約者に公の場で反論する形にならないようにと沈黙を保ち水面下で交渉すれば、「説明しろ」。仔細な説明文書を公表すれば、「世話になった人を一方的に非難して恩知らず」「読む気もしない」。早期に解決金を払わなかった理由について、「解決金を払うことで借金の返済と誤解されることを避けたかった」「借金を踏み倒そうとした人間と見られることは受け入れられない」と説明すれば、「被害妄想」。解決金を払う意向を表明しても、「金で済む問題じゃない」……。
ワイドショーが総バッシングするなか、当初から、ほぼ唯一小室氏を擁護してきたのは、『羽鳥慎一モーニングショー』(テレビ朝日)の玉川徹くらいのものだった。玉川氏は小室文書公表直後の4月13日の放送で「いままで国民がどういうふうに理解していたかっていうと、元婚約者側の一方的な主張をずーっとメディアが増幅して、それに基づいて国民のイメージっていうのができあがっているわけですね。これはやっぱりアンフェアだと思うんですよ、僕ずっと言ってるんだけど」と言っていたが、その通りだろう。
小室バッシングの背景にある「貧乏人が皇族と結婚するなんて」という差別意識
ようするに、ワイドショーやネットがこの間、いっていた「眞子様のためを思って」「眞子様には幸せになってもらいたい」「お祝いしたい気持ちはあるのに」などという言葉は、ただの言い訳にすぎず、本音はこの結婚が気に入らず、潰したくて仕方がなかっただけなのである。
しかも、その背景にあるのは、小室氏と母親に対しる「身分をわきまえない、分不相応な人間」という差別意識だ。
実際、週刊誌やワイドショーを中心にした小室氏バッシングには、借金問題だけでなく、露骨な貧困者差別のようなものも多かった。たとえば、小室氏の母親や小室氏が“貧乏なくせにセレブ気取りの生活をしている”と嘲笑する記事だった。派手な生活をするために、男にすり寄っているかのように書き立てたり……。
小室氏の教育についても、“お金もないくせに学費の高いインターナショナルスクールに通った”“お金もないくせに学費の高いICUに通った”“お金もないくせに留学した”といった誹謗中傷が浴びせられた。
高橋真麻などは『バイキング』で「たぶん本当に400万円は工面できなかったと思うんですよ。返すってなっても。だからそういうプライドの高さみたいなのが垣間見えるのが、非常に人間として、眞子様をお預けして大丈夫なのかなっていう不安が払拭できない」と、400万円を工面できない若者に結婚する資格がないかのようなコメントまでしていた。
こうしたことからも、小室氏バッシングの背後に「貧乏人のくせに」という差別意識があるのは明らかだ。日本社会では「貧乏人は貧乏人らしく質素な生活をしていろ」という差別意識が根強くあり、それが生活保護バッシングなどを生み出しているが、小室氏バッシングにも同様の意識が垣間見える。
しかも、その差別意識をエスカレートさせているのが、皇室制度の持つ本質だ。
皇室制度=天皇制が身分の貴賎を全肯定する差別的な制度であることはいまさら説明するまでもないが、その差別性が貧困・弱者差別に「家柄差別」という要因を加え、小室氏に対して、「名家の出でもない、貧乏人が、皇族と結婚するなどおこがましい」という反感を生み出し、バッシングを激化させているのである。
「税金で生活してきたのだから結婚を制限されて当然」という論理は正しいのか
そういう意味では、小室氏と眞子内親王の結婚に際して、メディアが本来、議論しなければいけないのは、小室氏の人格や母親の金銭トラブルなどでなく、皇室制度そのものがもつ問題点だ。
実際、この差別的な制度はいまや、日本社会における差別構造と意識の基盤となっているだけでなく、当の皇族をも苦しめている。
皇族は「貴い存在」として特別扱いを受けている一方で、基本的人権を著しく制限され、自由意志は認められず、結婚や職業など個々人の人生の根幹に関わることすら自由に選べない状況に置かれているからだ。
妹の佳子内親王が、2019年に大学を卒業した際に宮内記者会の質問に回答した文書コメントのなかで「結婚においては当人の気持ちが重要」「姉の一個人としての希望がかなう形になってほしい」と、「一個人」を強調するかたちで自分の意見を表明しバッシングを受けたが、それは逆にこれだけ強い言葉を口にせざるをえないくらい、皇族が「個人の自由」を抑圧されているということの表れでもあった。
しかも眞子内親王の「一時金」問題が象徴的なように、一時金制度の存在や税金で生活してきたことを理由に、結婚に口出ししたり、阻止しようとすることまでが正当化される。
言うまでもなく、皇室に生まれたことは本人の意思でもなんでもなく、彼らはもとより税金で生活する以外の選択肢すら与えられていないのだ。それなのに、税金と引き換えに結婚の自由が制限されるというのは、どう考えても理不尽だろう。生活保護バッシングにも言えることだが、基本的人権は税金とトレードオフされるものではない。皇族が税金で生活することがそんなに気にくわないなら、「皇室制度」そのものの見直し・廃止を議論するべきだろう。
ところが、メディアは、皇室制度そのものの差別性や基本的人権の抑圧について問題視するどころか、むしろ差別性や皇族の人権抑圧を強化する方向に向かっている。
たとえば今回、眞子内親王の結婚・皇籍離脱にともなう「一時金」について、誹謗中傷を理由に眞子内親王が辞退したことにより、皇室経済会議の議論すら行われず、支払わないことが決定された。しかし、この決定は眞子内親王の意思とは別に、皇族の結婚相手によって一時金が支払われたり支払われなかったりするという差別的な運用をまかり通らせることにつながりかねない。
竹田恒泰は小室嫌悪を煽り「旧宮家の皇籍復帰」を主張するが、旧宮家も醜聞だらけ
あるいは、竹田恒泰氏ら極右連中は“小室嫌悪”を利用して、「女性宮家」や「女性天皇」「女系天皇」の議論を封じ、「旧宮家の皇籍復帰」を推進しようとしている。
竹田氏は、女性皇族が結婚相手に利用されるリスクを喧伝して「旧宮家の皇籍復帰」を主張するのだが、それを言うなら「旧宮家」や「旧皇族」だって同様にヤバイだろう。
言っておくが、旧皇族・旧宮家が詐欺まがいの行為に関与したケースはいくらでもある(https://lite-ra.com/2015/09/post-1522.html)。
というか、“明治天皇の玄孫”を売りにする竹田恒泰氏や親族だってそうだ。父親・恒和氏は東京五輪誘致をめぐる汚職疑惑でフランス当局から捜査されており、死亡交通事故を引き起こした過去もある(https://lite-ra.com/2019/01/post-4495_2.html)。恒和氏の甥で恒泰氏のいとこにあたる竹田恒昭氏は2015年にたいま取締法違反容疑で逮捕されているし、恒泰氏も数々の金銭トラブルが報じられ、裁判になったものもある。
小室氏はそもそも皇室に入るわけではないが、「旧宮家」を皇籍復帰させれば、そういう人物が皇族になり、天皇になる可能性だって出てくる。
ようするに、皇室の利用というのは、結婚相手だけの問題じゃなく、世襲をベースにした皇室制度に内包している問題なのだ。
眞子内親王に限らず、本人の意思とは関係なく、皇室に生まれたというだけで、人権を著しく制限され結婚の自由すら認められない皇室制度を、このまま存続させていいのか。国民の差別心をここまで剥き出しにさせる差別制度を放置しておいていいのか。皇族の人権は税金と引き換えにされ得るものなのか。皇室存続をめぐり「女性宮家」だ「旧宮家の皇籍復活」だのという議論がおこなわれているが、そのような小手先の議論でなく、そろそろ皇室制度そのものの矛盾や限界を直視すべきときだろう。
(編集部)
最終更新:2021.10.06 06:41
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