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ワイドナショー「女子高生はいま韓国で生きている」発言が炎上! 韓国カルチャーを解説した女子高生を攻撃するネトウヨの異常
またしても『ワイドナショー』で…(番組HPより)
『ワイドナショー』(フジテレビ)に「ワイドナ女子高生」として出演した女優の白本彩奈が「女子高生はいま韓国で生きているといっても過言じゃない」という発言で炎上している。
7月7日放送の『ワイドナショー』では、龍谷大学教授の李相哲氏を解説に招いて日本政府による韓国に対する輸出規制の話題を取り上げていた。
先日本サイトでも指摘した通り(https://lite-ra.com/2019/07/post-4813.html
)、安倍政権のこの対応は徴用工問題という日本の戦争犯罪をめぐる人権問題を“経済的報復”によって屈服させようというもので、国際社会から到底認められるものではないものであるうえ、日本企業にとっても不利益でしかない愚かな政策である。ネトウヨ層への選挙対策のために「ネトウヨ脳」を丸出しにした安倍首相にも、自国の利益を投げ打ってでも反韓感情を優先にした政策に熱狂的喝采を送るネトウヨの反応にも溜め息しかでない。
輸出規制をめぐる安倍政権と日本メディアの問題についてはまた稿をあらためて指摘したいが、この日の『ワイドナショー』ではこの輸出規制の話題から、K-POPアイドルをはじめとした日韓の文化交流の話にも及んだ。指原莉乃がコメンテーターとして出演していたのだが、日韓両国はもちろん、タイ、台湾、香港で単独コンサートを行うなど、グルーバルな人気を獲得しつつある日韓合同のK-POPグループ・IZ*ONE には、AKB48グループから宮脇咲良、矢吹奈子(共にHKT48)、本田仁美(AKB48)の3人が日韓合同のK-POPグループ・IZ*ONEが参加している。
日韓関係に微妙な空気が流れるなか韓国で活動する3人のことを心配する指原が「私がすごく知っている後輩が韓国で活動しているのでっていうのもあって、ちょっとドキっとするニュースではあったんですけど、やっぱり曲とかそういうのは、日本でも韓国好きな女の子いっぱいいるし」と語ると、東野幸治はワイドナ女子高生の白本彩奈をスタジオに呼び込んで「高校生も韓国のグループみんな好きでしょ?」と話を振る。
それに対して白本は、女子高生の間でいかに韓国の文化が定着しているかを、このように説明した。
「女子高生はいま韓国で生きていると言っても過言じゃないぐらい。コスメも服も全部韓国。韓国染まりしているので、なくてはならないものですね」
ところが、放送終了後、彼女のツイッターアカウントにはネトウヨによる罵詈雑言のコメントが殺到した。
〈脳みそにキムチ詰まってんでしょ〉
〈お前みたいな無知な奴が蔓延してるから、南朝鮮人は付け上がるんだよ?カッコいい?ああ、かなりダサいよ。気持ち悪いくらいよ。韓国が無くてならないんだったら、帰化して韓国に住めば良いよ。日本国籍を捨ててくださいね〉
〈韓国に生きてるのか。国際法・慰安婦合意・日韓基本条約を破る嘘つきの国。竹島の漁民を虐殺した国。技術や苺などの品種を盗む盗賊。レイプ犯が多くてアジア唯一薬で去勢する国。K-POPの奴らも原爆で遊ぶ国。そういう国に居たいなら日本から出ていってくれ。そんな民族は日本に必要ない〉
〈そんなに韓国が好きなら韓国に行って国籍取得すれば良いですよ。そうすれば化粧品も食品も安く食べられて良いですよ!日本人として切にお願いします〉
〈コメント見たらわかると思いますが。日本人のほとんどがあなたの敵です。日本にいても辛いだけでしょう。もう街を歩いていてもヒソヒソ言われるだけ。韓国人と結婚して、大好きな韓国に永住してみてはどうでしょうか?〉
コスメ、KPOP、小説…日本の若者の韓国カルチャーへの熱狂は事実だ
韓国カルチャーが女子高生の間で流行っているということを当事者の立場から説明しただけの17歳の女子高生に対して、こんな罵詈雑言を書き連ねるネトウヨのグロテスクな心根には相変わらず寒気がする。
しかも、白本の発言は、バラエティとして面白くなるために多少盛った表現をしたものの、まぎれもない事実なのだ。
いちばんわかりやすい例が女性ファッション誌の中身だ。女性ファッション誌では安価で質のいい韓国コスメの紹介コーナーが完全に定着している。
たとえば、韓国の女性アイドルグループ・Red Velvetを表紙に起用した「Ray」2019年5月号(主婦の友社)は、表紙のキャッチコピーからして「「きれい」を磨く〈美容天国〉へようこそ! 韓国には可愛い❤がつまってる」というもの。
そしてページを開くと、韓国でのコスメやメイクのトレンドについてはもちろん、「超可愛い」といった意味の「チョルギ」や、「みんなの注目を集めるイケてる人」を意味する「インサ」といった韓国で流行りの若者言葉が普通にハングル表記付きで記されていた。メディアがごり押ししているわけではなく、実際にいま、街中でもテレビでもSNSでも、一般人・芸能人問わず、韓国メイクの女性は非常に多い。
日本における韓国カルチャーの定着はファッションだけではない。チーズハットグやチーズタッカルビなどの韓国グルメは完全に根付いた。また、韓国で社会現象を起こしたドラマ『トッケビ〜君がくれた愛しい日々〜』が日本でもヒットするなど韓流ドラマも根強い人気を保っている。
さらに、ここ最近ブームの兆しを見せているのが、韓国文学、特に女性作家による作品群だ。韓国社会における女性差別を告発した小説『82年生まれ、キム・ジヨン』(筑摩書房)は日本においても大きな共感を集めて8万部を超える異例の大ヒットを記録。「韓国・フェミニズム・日本」と題して韓国文学を特集した「文藝」(河出書房新社)秋期号は7月5日の発売から数日で売り切れ店が続出。アマゾンでも手に入らないすさまじい売上が話題となっている。
そして、韓国カルチャーの盛り上がりを牽引するのは、やはりK-POPだろう。7月3日に発売されたBTSの日本での10枚目のシングル「Lights/Boy With Luv」は、62万ポイントを獲得しオリコン週間ランキングで1位を獲得。この 作品は欧米など世界中から注文があったため出荷枚数は100万枚を越えた。日本において外国人歌手のシングルが100万枚以上出荷されたのは、1995年のセリーヌ・ディオン以来とも報じられている。BTSは現在ワールドツアーの一環として行われる日本公演の真っ最中だが、先週行われた大阪公演、今週行われる静岡公演はともに5万人以上のキャパを要するスタジアムでのコンサートにも関わらず、チケットは即完してプレミアチケットとなっている。
テレビで韓国カルチャーを紹介しただけで、ネトウヨから攻撃を受け炎上
ファッション、グルメ、映画・ドラマ、文学、音楽と、ありとあらゆる分野で韓国カルチャーが大きな人気を集めているのは揺るがしようのない事実なのだが、そういったことを説明しただけで白本のような炎上が起きてしまう。
それは今回に限った話ではない。
たとえば、今年4月3日に放送された『あさイチ』(NHK)もそうだった。この日の『あさイチ』は「大人は知らない!? 最新 中高生トレンド」という特集で「韓国カルチャー」を取り上げた。番組では、ティーン向けファッション雑誌「ニコラ」(新潮社)モデルの涼凪と藤本林花美愛を案内人に東京・新大久保を散策。インタビューなどを交えながら、いまの中高生がK-POP、韓国コスメ、韓国グルメ、ハングルなどの韓国文化に夢中になっている様子を紹介したのだが、その内容が炎上したのだ。
ネトウヨからは番組に対して〈今朝のNHKあさイチの韓国特集は酷かった。間違いなくBPO案件〉〈一般的に日韓関係が冷え切っている状況で韓国ブームはあり得ない。現在ニュースで放送している内容は何? 無理矢理流行を作ったり嘘のニュースを流す時点で公共の意味を理解していないのでNHKの役割は終わったってコト〉といったコメントが殺到した。
こういった例は枚挙に暇がない。
フィギュアスケートの本田真凜選手は2017年に世界ジュニア選手権で銀メダルを獲得した際、練習と試合をがんばった自分へのご褒美として韓国旅行に行きたいと明かし「ファッションが好きなので、楽しみ」と語ったところ、大バッシングを受けた。
乃木坂46(当時)の生駒里奈もブログ(2017年2月28日)に〈最近K-POPの素晴らしさに魅了されました。ルックスも、ダンスも歌もすごいっっ気づいたらずっとMVみてます。はぁ、同い年、年下の方もいて、こんなレベルでアイドルしてちゃダメだなと反省。頑張ろうとやる気も湧きます!ルックス、体型は無理だから、せめて技術だけでもあげなきゃね〉との投稿をして、少なくない数の攻撃を受けた。
そのため、タレントの側も自主規制をして、韓国カルチャーに関する発言を控えるようになっている。藤田ニコルは今年1月20日放送の『サンデー・ジャポン』(TBS)で、こんな複雑な心情を告白していた。
「私が韓国旅行に行ったりだとか、K-POPの音楽を聴いているだけで、一部の人からけっこう言われたりします。そういう言葉を一部の方から、ツイッターとかインスタグラムとかで来るので、『あ……、こういう感じなんだなぁ……』って」
K-POPを排除し、嫌韓ニュースばかりを取り上げるテレビ局
こういったことが起きる背景には、メディアの責任もある。
日本においてK-POPアイドルが欧米や日本のアイドルをしのぐほどの絶大の人気を誇っているのは事実。しかし、それはテレビの外の話だ。ネトウヨからの炎上攻撃を恐れたテレビ局は地上波の音楽番組やバラエティから多くのK-POPアイドルを排除している。前述の『あさイチ』はそういった状況下において稀有な例だったが、結局それも大炎上してしまった。今後テレビ局がこういった特集を組むのに萎縮してしまう可能性は高いと言わざるを得ない。
7月6日放送『THE MUSIC DAY 2019〜時代〜』(日本テレビ)では、大阪でのコンサート終了後のBTSがコンサート会場からの中継で登場して「Boy With Luv -Japanese ver.-」を歌唱した。BTSは昨年「原爆Tシャツ」炎上の際に「ミュージックステーション」(テレビ朝日)など音楽番組の出演をキャンセルされたのも記憶に新しいが、それから8カ月近くの時間が経過して日本では久々の地上波テレビでのパフォーマンス披露となったが、しかし、SNSではBTS出演に対して相変わらず炎上状態になっており、今後こういった動きが続くかは分からない(そもそも、いまやアメリカ、ヨーロッパ、南米でもスタジアムクラスのコンサートを成功させる規模になったBTSが日本の音楽番組出演を重要視するかはまた別の問題だが)。
そのようにK-POPアイドルが日本の音楽番組から排除されている一方(日本人メンバーの在籍する女性アイドルグループTWICE、IZ*ONEは除く)、K-POPアイドルのスキャンダルは嬉々として取り上げている。
V.I(元BIGBANG)による売春斡旋疑惑、パク・ユチョン(元JYJ、元東方神起)の覚せい剤使用疑惑など、K-POPアイドルをめぐるスキャンダル報道は日本のワイドショーでも連日報道された。
しかし、その扱いは「他人事」「上から目線」に終始し、日本社会や日本の芸能界における問題は棚に上げた報道であった。その裏に、蔑視感情があるのは疑いようもないだろう。
韓国芸能界とそれを取り巻く権力の問題は、日本においても同種の問題が現在進行形で起きている。韓国で起きていることを報じるのならば、当然、日本における問題も指摘し、日本国内におけるそういった状況の是正を提案する報道をしてしかるべきだろう。
そのような報道がなされなかった理由は明白だ。メディアの側が本当に伝えたかったのは、問題それ自体ではなく、韓国への蔑視感情だったからである。
輸出規制をめぐっても、韓国の一部勢力による反日運動をクローズアップし扇情的に取り上げる一方、日本における嫌韓デモの存在は一切報じない。
しかし、政治権力やメディアがこのように反韓感情を煽ってきた一方、両国の民間交流はどんどん盛んになっている。
韓国観光公社のアン・ヨンベ社長は、今月4日に行った会見で、今年1~5月の訪韓日本人観光客は前年同期比約28%増の137万人だったとし、このペースであれば過去最多の353万人に届く可能性もあるとの見通しを示したという(ニュースサイト「聯合ニュース」より)。
安倍政権による選挙対策の輸出規制強化や、その感情的な外交政策に熱狂するネトウヨ、それらの動きをさらに煽るオールドメディアの報道とはまったく無関係に、民間交流の結び付きは密になっている。
安倍政権の煽りに乗って韓国ヘイトを撒き散らすことが日常の風景となり、レイシズムに乗らない人間が攻撃されるようになってしまったこの国において、こうした民間交流の動きまでも潰されるような事態は絶対に避けなければならない。
(編集部)
最終更新:2019.07.14 08:04
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