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『バイキング』で坂上忍ら出演者が杉田水脈と小川榮太郎を徹底批判! 安倍首相の責任も追及
番組公式HPより
自民党・杉田水脈衆院議員の“LGBTには生産性がない”という差別的主張について、「そんなにおかしいか『杉田水脈』論文」と徹底擁護した特集を組んだ「新潮45」(新潮社)の休刊問題。イギリスのガーディアン紙までもが「安倍の盟友による“同性愛者嫌悪”の記事で雑誌が廃刊」と題して取り上げたが、その一方で、テレビのワイドショーはこの問題をスルー。話題にしたのは『羽鳥慎一モーニングショー』(テレビ朝日)くらいだ。
だが、そんななか、9月28日放送の『バイキング』が、遅ればせながら「新潮45」休刊問題を取り上げた。
まず、司会の坂上忍は、「新潮45」が杉田議員の擁護特集を組んだことについて、「びっくりというより、ちょっと呆れちゃって。よくこの特集企画の企画が通ったなと思いましたね」と言い、番組は問題となった自称文芸評論家・小川榮太郎氏の“同性愛は性的嗜好”“LGBTを認めろというのなら痴漢の触る権利も社会は保障すべき”という主張を紹介した。
ゲストコメンテーターのアンミカは、「涙が出てくるんですよ、見ていると。腹が立ってね」と言うと、声を震わせ、涙を流しながら、自らの体験を交えてこう語りはじめた。
「不勉強なのに勢いだけあるっていう、ほんとうに支離滅裂で、たちが悪い。人をすごく言葉のナイフで切り裂くというか」
「女性が活躍推進と言われているときに、こんなに人を生産性なんて言う、公の人が言葉でね。私も正直、高齢出産ができなかったタイプですけれども、生産性だけで人のことをこういうふうにぶった切って、しかもLGBTという個性で悩んでいる人たちに対して、痴漢という犯罪者と同じ土俵で扱うっていうのってどうなの? って」
さらに、曜日レギュラーの橋本マナミも、「“同性愛は性的嗜好”と言っていること自体が間違えてますし、そこを理解していないことがおかしい」と批判した。
小川氏の主張は酷い上に、多くの人を傷つけた──。こうした反応は当然のものだが、橋本はさらに「この方(小川)、優秀な方なんですよね?」と質問。そこで坂上は、こう切り出したのだ。
「この方って、安倍さんに近い人なんですか?」
すると、曜日レギュラーの東国原英夫は、こう説明した。
「そうですね、安倍シンパですね。それでリベラル紙とかを相当叩いてこられた方、そういう論陣を張られていますね」
これまで、テレビはもちろん、新聞の報道でも、「新潮45」の小川論文問題を取り上げても、なぜか小川氏と安倍首相の関係は指摘されず、『モーニングショー』などでジャーナリストの青木理氏が言及したくらいだった。
だが、本サイトでは繰り返し述べてきたように、小川氏は、自民党下野時代に安倍首相の復活を目論む「安倍晋三再生プロジェクト」「安倍晋三総理大臣を求める民間人有志の会」の事務局的役割を担った人物で、2012年9月、安倍晋三と石破茂が争った同年の自民党総裁選の直前に出版された『約束の日 安倍晋三試論』(幻冬舎)なる安倍礼賛本でデビュー。その後も安倍礼賛本を発表する一方、昨年10月には『徹底検証「森友・加計事件」――朝日新聞による戦後最大級の報道犯罪』(飛鳥新社)を出版。“モリカケは朝日新聞が創作した誤報だ!”という噴飯ものの陰謀論を展開した。
しかも、『約束の日』や『徹底検証「森友・加計事件」』は、安倍氏の資金管理団体である「晋和会」や自民党が大量購入しており、選挙戦に利用されてきた。
LGBT差別・痴漢擁護の小川榮太郎と安倍首相の濃密すぎる関係
ようするに、小川榮太郎という自称文芸評論家は、最初から安倍晋三を支援する運動のなかで右派論壇に出てきて、安倍首相を礼賛し、安倍政権へ批判的なメディアに圧力をかけながら、スキャンダルを打ち消す世論をつくろうとし、ましてや安倍側から著書を購入してもらうという極めてベタベタな関係。安倍応援団のなかでも“御用のなかの御用”であり、安倍首相と“運命共同体”であると言っても過言ではない。
今回、そうした人物が杉田議員を擁護するために登場したことは驚く話でもないが、 “LGBTを認めろと言うのなら痴漢の触る権利も社会は保障すべき”などと主張する小川氏が「安倍シンパ」であると『バイキング』はきちんと伝えたのだ。
だが、『バイキング』ではさらに、新潮社が「新潮45」を休刊させたことに対しても批判。坂上は「それなりの立場の人がOK出さなかったら(組織が)縦割りといえどですよ、(あんな企画が)載るはずがないでしょ」と疑義を呈し、アンミカは「すごく事実が歪められて、すごい甘い認識で低い知識で書かれてるので、休刊だからイコール禊ではない」「議論の出口をしっかり探すっていうのが責任」と語り、休刊で幕引きをはかることはできないと指摘した。
そして番組は、今回の騒動の、最大の問題点にも言及。言うまでもなく、そもそも差別言辞を世に垂れ流した杉田水脈議員と、その杉田議員を庇う安倍首相の問題だ。
安倍首相は9月17日に出演した『NEWS23』(TBS)で、杉田議員のこの問題について問われると、「『あなた、お前、もう辞めろ』と言うのではなく、まだ若いですから、注意をしながら、仕事をしてもらいたい」と擁護した挙げ句、「党としても、多様性について尊重する党であります」などと述べたが、この言葉がスタジオで紹介されると、坂上は心底呆れたように、こう述べた。
「多様性ですか。はぁー。なんか、ものは言いようだなって思いますけど」
「多様性は結構ですけれども、辞めるとか辞めるなとかじゃなくて、これだけの騒ぎになっていて、じゃあ、あの杉田議員の寄稿文の内容は、党としてどう捉えているんですか? それを説明していないわけで、こんなの逃げ以外のなんでもないじゃないですか」
また、アンミカも、「(安倍首相は)若いからとおっしゃりますけど、私から見たら若いとは思わないです」と至極当然のツッコミを入れ、安倍首相の杉田議員擁護をこのように批判した。
「党としてはちゃんと(杉田議員を)前に出して謝罪させるなりしないと、この問題は収まらないですし、これを庇うってことは、多様性を尊重するって言ってますけど、多様性を理解していない党の考え方と一緒です。2年弱したらオリンピックやってきますよね? オリンピック代表の方々も、カミングアウトして堂々と戦っているアスリートがいるなかで、日本は世界の恥です」
反省なし!杉田水脈議員はお仲間講演会でLGBT差別論文を配布
説明責任から逃げつづける杉田議員と安倍首相──。実際、杉田議員はマスコミから逃げてばかりだ。たとえば、9月28日にTBSは、自民党本部のエレベーター前で杉田議員に「新潮45」休刊についてどう受け止めているのかを直撃したのだが、杉田議員は向けられたカメラや取材者に目を合わせることなく「関知してません」と一言述べただけ。しかも、すぐさま踵を返し、階段を駆け下りてしまった。なんと驚いたことに、ダッシュで遁走してしまったのである。奇しくも、杉田議員が走って逃げた自民党本部内のその壁には、「責任を果たす」というキャッチコピーの安倍首相のポスターが貼られていた。
しかし、その一方で、杉田議員は「生産性の部分は編集者が付け加えたもの」などと釈明しているという(「週刊文春」9月27日号/文藝春秋)。しかも、マスコミからは逃げるのに、歴史修正・極右講演会にはしっかりと出席しており、19日には「外務省 目覚めよ! 南京事件はなかった その2」という講演会に登壇。現在発売中の「FRIDAY」(講談社)によると、来場者全員に“LGBTには生産性がない”と書いた例の論文のコピーが配られたという。ようするに、いまだに何も反省していないのだ。
そうやって杉田議員が歴史修正主義者の講演会で開き直っているのは、彼女を支持する極右仲間がいるからだろう。
実際、小川榮太郎氏も19日に生出演した『AbemaPrime』(AbemaTV)で、「彼女は卑怯者だから逃げているんではありません。ただ、与党の……」と庇い、今回の『バイキング』でも、「新潮45」杉田擁護特集にも寄稿し、番組にもよく出演している評論家の八幡和郎氏に見解を求めていたが、八幡氏のコメント文は以下のようなものだった。
「杉田議員は、他の議員がおそれるような団体などにもしっかり問題提起される方。今回の記事も世間の「LGBT助成なんでも万歳」という風潮に疑問を呈するものなので批判的な反論は覚悟の上だろう。本当は出てきて議論したいはず」
ほとんどの先進国が同性婚を認めているなかで、日本ではLGBTの権利を保障する法整備や支援がほとんどなくあきらかに遅れているのに、〈「LGBT助成なんでも万歳」という風潮〉と述べること自体に八幡氏の認知の歪みが滲み出ているが、このコメント文には坂上も「問題提起は別にいいんだと。そのアプローチの仕方が間違ってやいませんかって言ってるんですよ!」と怒りを剥き出しにした。
だいたい、お仲間の講演会には元気に登壇し無反省な様子を見せる杉田議員は、八幡氏や小川氏が言うような“議論はしたいが自民党に止められていて表に出てこられない”という状態なのだろうか。東国原は、杉田議員が議論に応じない理由をこう喝破していた。
「杉田議員は謝らなくてもいいんですよ、政治家として信念をもって発言したならば、議論に応じなさい。ここです、問題は。議論に応じる能力がないから出てこないんですよ。何を言うかわからんし、支離滅裂。自分のなかでね、整理されていないと思いますよ」
ヘイト発言、弱者叩きの発言でお仲間たちから喝采を浴び、それが社会から批判を受けると逃げの一手。そしてまたお仲間たちに擁護され、慰撫される──。こうした杉田議員の言動は、批判に晒されると極右メディアに逃げ込む安倍首相とまったく同じものではないか。
「新潮45」の休刊によって話題が逸れ、問題が有耶無耶になれば、それこそ奴らの思うツボだ。自らの行動・発言に責任もとらない国会議員と、それを庇う総理大臣を、このままにしておくわけにはいかない。
(編集部)
最終更新:2018.10.01 03:19
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