安倍首相の総裁選“デフレ脱却アピール”の裏で…政府の「賃金データ」操作が発覚! GDPアップにもからくり

  • このエントリーをはてなブックマークに追加
  • 印刷
安倍首相の総裁選デフレ脱却アピールの裏で…政府の「賃金データ」操作が発覚! GDPアップにもからくり の画像1
データ操作を報じる西日本新聞(公式ウエブサイトより)

「真っ当な経済を私たちは取り戻すことができました」──総裁選への出馬表明会見でそう胸を張った安倍首相に、経済データの“恣意的な操作”疑惑が浮上した。厚労省が発表している賃金関連統計である「毎月勤労統計調査」が今年に入ってからデータ作成手法を変えたことで、統計上の賃金が高めになっていると12日付けの西日本新聞が報じたのだ。

 問題の「毎月勤労統計調査」は、厚労省が全国約3万3000の事業所から得た賃金や労働時間のデータをまとめたもので、従業員に支払われる「現金給与総額」(名目賃金)などが公表される。これが今年に入ってから月ごとに発表される前年比増加率が昨年の平均0.4%を大きく上回るようになり、8月に発表された6月の同調査では、労働者1人当たりの現金給与総額(名目賃金)の平均が速報で前年同月比3.6%増を記録(確報は3.3%)。「21年5カ月ぶりの高水準」「アベノミクスの成果」などと報じられた。

 だが、これにはカラクリがあった。これまで「毎月勤労統計調査」では、調査対象事業所のうち30人以上の事業所については2~3年ごとに無作為抽出した事業所に総入れ替えしていたが、今年1月分の調査からいろいろな名目をつけて半数弱を入れ替える方式に変更。しかも、従来は総入れ替え時におこなっていた指数や増減率の遡及改訂を取りやめたのだ。これでは正しい比較はできないだろう。

 結果、どうなったのか。たとえば、前年比3.3%増となった6月も、入れ替えられなかった事業所だけで集計した参考値では1.3%増でしかなく、2.1%増と公表された5月も0.3%増にしかならない。

 つまり、名目賃金が高い伸び率を記録しているのは「アベノミクスの成果」などではなく、恣意的な作成手法の見直しによって“かさ上げ”されていると考えられるのだ。

 さらに、西日本新聞は13日付け朝刊でも続報を展開し、今度は内閣府の「雇用者報酬」も過大に推計されている可能性を指摘。この「雇用者報酬」は問題の毎月勤労統計を用いているために、同様に上振れしているというのだ。

 だが、問題はこれだけにとどまらない。じつは西日本新聞が名目賃金の数字の嘘を指摘した12日、東京新聞もアベノミクス最大の問題を追及。そう、名目GDPのかさ上げだ。

 安倍首相は自民党総裁選でも、名目GDPが過去最高の551兆円となったことを大々的に喧伝し、「戦後最大のGDP600兆円を実現」を目標に掲げている。

 しかし、本サイトでもたびたび指摘してきたように、この名目GDPも恣意的に導き出された数字だ。というのも、安倍政権は2016年にGDPの推計方法を変更し、「研究開発投資」なる項目を追加して加算するなどの見直しをおこなった。その結果、2015年度の名目GDPは、旧基準では500.6兆円にしかならないところが532.2兆円に跳ね上がったのである。

 この名目GDPのかさ上げをはじめとする「アベノミクスの成果」の嘘をデータをもとに検証した『アベノミクスによろしく』(集英社インターナショナル)の著書である弁護士の明石順平氏は、東京新聞の取材に対し、「(建設投資の推計手法の変更など)国際基準とは関係ない部分の上げ幅が、安倍政権の時期だけ突出して大きく、都合よくデータを選んでいることが疑われる」と答えているが、これこそが安倍政権の特徴であり詐術と言えるだろう。

 事実、安倍首相が「70年振りの大改革」の目玉にした「裁量労働制の拡大」では、安倍首相が「裁量労働制で働く方の労働時間の長さは、平均的な方で比べれば一般労働者より短いというデータもある」と答弁。しかし、そのデータは実際には1日の残業時間が1カ月分より長いという異常値が大量に見つかるなど完全にデタラメなシロモノだった。さらに、「高度プロフェッショナル制度の創設」でも、安倍首相は「労働者のニーズに応えるもの」などと述べていたが、その肝心の労働者の聞き取り調査の内実は“ヤラセ”というべきもので、完全に後付けの杜撰なものだったことが判明している。

 政治の私物化を隠蔽するために公文書を改ざんし、作為的に都合のよい数字をつくり出して国民を欺く──。安倍首相は総裁選でこのほかにも都合のいい数字を並べ立ててアベノミクスの実績を前面に押し出しているが、それは嘘やカラクリに塗り固められたものだと暴いていくしかない。西日本新聞や東京新聞といったブロック紙の奮闘に、他のメディアもつづいてほしいと願うばかりだ。

「いいね!」「フォロー」をクリックすると、SNSのタイムラインで最新記事が確認できます。

新着 芸能・エンタメ スキャンダル マンガ・アニメ ビジネス 社会 カルチャー くらし 教養

安倍首相の総裁選“デフレ脱却アピール”の裏で…政府の「賃金データ」操作が発覚! GDPアップにもからくり のページです。LITERA政治マスコミジャーナリズムオピニオン社会問題芸能(エンタメ)スキャンダルカルチャーなど社会で話題のニュースを本や雑誌から掘り起こすサイトです。安倍政権東京新聞毎月勤労統計調査編集部西日本新聞賃金データの記事ならリテラへ。

人気記事ランキング

総合
いいね! 数
1 “自衛隊OB軍事評論家の子女”防衛大生の交通事故めぐり忖度疑惑
2 安倍が甘利明を党三役に起用、改憲の旗振り役に
3 加藤浩次が五輪批判に「外野がウダウダ言うな」
4 大坂なおみの母親が日本で受けた結婚めぐる人種差別
5 BTSと秋元康のコラボ中止で浮き彫りになった日本のガラパゴスぶり
6 BBCが山口事件の被害者・詩織さんを特集
7 神社本庁の田中総長が辞意、原因は不動産不正取引疑惑
8 3選安倍首相の秋葉原街宣で参加者に謎の茶封筒が…
9 宇多田「東京は子育てしにくい」は事実
10 高齢処女が抱える「モテない理由」
11 八代弁護士とせいじが消費税で「たかだか2%」の暴論
12 『女が嫌いな女』アンケートの噓を暴く
13 “がん放置”近藤誠医師が宗教化?
14 あの香川も!サッカー選手のヘア処理
15 炎上!「ViVi」“プロ彼女”特集 
16 男尊女卑・女性差別事件総まくり
17 有働由美子を勇気づけた山口智子の言葉
18 女流官能小説家が業界の偏見を暴露
19 街角に立って客をとる女性たちの貴重な記録
20 セクハラ告発者叩きを生む男尊女卑
1 安倍首相が秋葉原街宣で動員以外の一般市民を排除
2 大坂なおみの母親が日本で受けた結婚めぐる人種差別
3 3選安倍首相の秋葉原街宣で参加者に謎の茶封筒が…
4 “自衛隊OB軍事評論家の子女”防衛大生の交通事故めぐり忖度疑惑
5 「新潮45」でLGBT攻撃!小川榮太郎と安倍の関係
6 沖縄県知事選で佐喜真陣営が予算をエサに建設業者を動員
7 「新潮45」杉田水脈擁護に安倍応援団揃い踏み
8 八代弁護士とせいじが消費税で「たかだか2%」の暴論
9 安倍が甘利明を党三役に起用、改憲の旗振り役に
10 加藤浩次が五輪批判に「外野がウダウダ言うな」
11 神社本庁の田中総長が辞意、原因は不動産不正取引疑惑
12 BTSと秋元康のコラボ中止で浮き彫りになった日本のガラパゴスぶり
13 秋元康のガールズバンド計画が大炎上
14 安倍首相が圧力問題で自分の嘘をバラし犯人を示唆
15 樹木希林が辺野古に現れた日
16 安倍首が総裁選討論会で嘘と逆ギレ連発
17 沖縄県知事選で創価学会幹部が暗躍
18 安倍首相が総裁選でトンデモ発言継続中
19 安室奈美恵のラストライブをめぐり自民党が
20 安倍政権が「賃金データ」を恣意的操作

人気連載

アベを倒したい!

アベを倒したい!

室井佑月

ブラ弁は見た!

ブラ弁は見た!

ブラック企業被害対策弁護団

ニッポン抑圧と腐敗の現場

ニッポン抑圧と腐敗の現場

横田 一

メディア定点観測

メディア定点観測

編集部

ネット右翼の15年

ネット右翼の15年

野間易通

左巻き書店の「いまこそ左翼入門」

左巻き書店の「いまこそ左翼入門」

赤井 歪

政治からテレビを守れ!

政治からテレビを守れ!

水島宏明

「売れてる本」の取扱説明書

「売れてる本」の取扱説明書

武田砂鉄